失礼しました。クロモリと出てしまいました(某ネタ)
昨日はパナソニックのクロモリロードの納車がありました。パナソニックのクロモリのご指名で、POSシステムによるカラーオーダーをご利用されました。
ORCC01はアンカーのネオコットにも使われているタンゲの『プレステージ』というクロモリパイプが使われているフレームです。
クロモリもカーボン同様に使われているパイプの種類やロー付けの仕方により乗り味が異なります。プレステージはダブルバテッドのクロモリ管で、クロモリフレームの宿命であるヘタリ耐性が高い(=寿命が長い)ことが特長です。バテッド管とは1本のパイプの中で両端部分と中央部分でパイプの肉厚が異なるものです。クロモリはスチールをメイン素材としているため重量面が気になりがちです。そこで応力の加わりにくいパイプ中央部分の肉厚を薄くすることで軽量化と剛性コントロールを図っています。ならばパイプ全ての肉厚を薄くしてしまえば、ということも考えられますが、力のかかる部分を薄くしてしまうとその箇所は薄くしただけ応力に対する耐久力が下がってしまいますし、ロー付けと呼ばれる溶接作業を行う際に非常に高度な技術が必要になってしまいます。
プレステージのパイプはロー付けにより他のパイプと溶接される両端が中央部分より0.3mm暑くなっています。パナソニックはこのパイプを、より高い強度としなやかさを両立できるよう650℃前後という非常に低い温度で溶接作業を行っています。ロー付け温度が低いと加熱による金属の形状変化を最小限に抑えられるので、パイプ本来の良さを引き出すことが出来ます。(アイスクリームを想像すると分かりやすいと思います!どろどろに溶けたアイスって味は良くてもあまり美味しくないは感じですよね?)
僕も自転車学校時代にクロモリフレームを作りましたが、とにかく経験がモノを言うと実感しました。低温でロー付けすることの難しさはとても良く分かります。ガストーチを手に持たなくなって2年近く経つのでもう感覚は失われているだろうなぁ・・・。
ORCC01は耐久性と適度な剛性をもつパイプと、非常に高いロー付け技術によって作られたロードバイクです。
クロモリはその特性上非常にほっそりした見た目となります。近年のロードバイクはどんどん太みを増していく一方ですので、ある種時代に逆行しているようにも見えますが昔からずっと受け継がれている味のあるロードというところで今も非常に高い人気があります。
今回オーダーしてくださった学生のTさんもおそらくそんなクロモリロードのファンのお一人。ご注文、入荷のご連絡、納車の際まですごく楽しそうで印象的でした。
この自転車でぜひ走り回ってみてください!