クマさんのバイク専科

地味〜に売れているルーベエクストリーム!

スポーツバイクつくばマツナガのケミカルコーナーに地味〜に置かれている特殊な潤滑オイルがあります。ポツリポツリと地味〜に売れています。小さなパッケージで2000円越えと高いので、多分このオイルの効果を知っているリピーターのかたが買って使っているのだと思います。ホルメンコールはスイスのスキーワックスや、ウエアにスプレーして水の侵入を防ぐ効果がある撥水剤などで有名なブランドです。樹脂や金属表面に潤滑樹脂ボールをナノコーティングして潤滑するケミカルのスペシャリストです。

 

ホルメンコールのケミカルラインナップには自転車用の潤滑オイル数種類と、金属表面をクリーニングする専用のパーツクリーナーが用意されています。お気に入りなのがチェーンや摺動分の潤滑に最適なルーベエクストリームです。容量が小さいのにお高いのではと思ってしまいがちです。かなり昔からあるんですけど地味〜に自転車チャンネルで販売が続けられています。15回くらい注油できるから、1回百円ちょっとです。確かに高いですけど、はっきりチェーンのフリクションの低下状態が長持ちします。チェーンやギヤとの接触音も低下する効果があります。

 

自転車用の潤滑油はイギリスのハブギヤで有名なスターメーアーチャーブランドのハブギヤ用のオイルとか、カンパニョーロのスペシャルグリスとか、少量容器に入った専用というのを手に入れて使ってきましたが、当時、クリーナーは灯油とか軽油を、シグのアルミ製の燃料入れの1、5L入りの容器に入れて、洗い油として持ち歩いていました。パーツの油汚れを落とすディグリーザーはペドロスが初めての経験だったのですけど、スプレーしてしばらく置いてから、水で洗い流してきれいになるものでした。プロチームの洗車を知っていても、当時は回転部のシールド能力が低いので、スポーツバイクを丸洗いしたり、チェーンを水洗いするのは抵抗がありました。

 

かつてのチェーンの手入れは、エンジンオイルのような粘度のある潤滑油を4L缶で手に入れて、油汚れの付いたチェーンへ大量に垂らして、チェーンをドライブして汚れが流れ出すようにして、ウエスで油汚れを根気よく拭き取る方法でメンテナンスしていました。中に油汚れが残っていたでしょうね。油汚れを徹底して落とすのに、灯油や軽油をハケでチェーンへ塗って油汚れを落とすようになって、中の汚れがすごいことを知りました。灯油や軽油は油を落とす能力が抜群ですけど、素手で扱うと皮膚が荒れたり炎症を起こすことがあるので、ゴム製のグローブをつけて作業していました。ウエスで拭き取って、乾かしてから注油してチェーンをドライブしてなじませておかないと、オイル切れを起こしてしまい異音が発生してしまうのです。特にリヤ変速機のプーリーのブッシュやベアリングのグリスやオイルを洗い流してしまうこともありました。

 

灯油や軽油が容器から漏れたり、ウエスに残っていると臭いがすごいので取り扱いには注意しました。ワコーズの油汚れの洗浄に効果があるエアフィルタークリーナーも灯油系の臭いがしますから室内では使いにくいです。ワコーズのブレーキパーツクリーナーのスーパージャンボやBC-8、チェーンクリーナーのスプレーが室内で使うにはギリギリな感じです。ワコーズとかフィニッシュラインとか、ペドロスなどの自転車のメンテナンスをターゲットにした、使用箇所や洗浄や潤滑などの役割分担がはっきりしたケミカルのラインナップが豊富に用意されて、生分解性も配慮された製品もあり、メンテナンスがしやすくなりました。ワコーズのチェーンクリーナーやチェーンルーブも効果的なようです。

 

サポートカーに載せているケミカルは、洗浄用のワコーズのブレーキパーツクリーナー、水置換性がありやや粘りがある潤滑油のメンテルーブ、ライナーなどの樹脂を攻撃しないシリコンルブリカント、シマノのグリス、ホルメンコールのルーベエクストリーム、フィニッシュラインの水に合うと粘度が増すポリマー入りのクロスカントリーです。チェーンに使うのはルーベエクストリームで、置いておくとゆっくり乾くタイプのベースオイルの部分と、白い潤滑粒子に分離しています。塗る前に良く振って乳液のような状態にして、容器のキャップを外して、パーツクリーナーなどで金属表面をクリーニングした、チェーンのリンクへ1コマずつ垂らしていきます。

 

白い潤滑粒子が容器のノズルの穴に詰まりやすいので、ノズルの穴を千枚通しで広げたり、ノズルの太い部分で短く切ってしまうと詰まりを解消できます。チェーンはアウタープレートとインナープレートの摺動部、リンク、リンクピンとこすれ合う部分へ行き渡るように、1分間くらいドライブしてなじませます。この作業はかなり重要です。オイルに混ざった白い潤滑粒子が、洗浄されたチェーンの金属表面にびっしり並んでナノコーティングされて、潤滑面を形成します。力がかかったときに、金属表面をおおった潤滑粒子が金属表面を守り、滑りの材料になって、高い潤滑性能を発揮します。

 

インナー・トップや、アウター・ローなどの、斜めにかかったチェーンの気になるドライブ音も静かになるし、雨にあってもナノコーティングは流れ落ちにくく、ライドの終盤でもスムーズにチェーンが動いてくれます。7年ほど使っている経験では、晴天時に走って400kmくらいは軽く回せて、インデックス変速の切れ味も良く、快適に走れます。先日、ルーベエクストリームを注油してから、800km走った状態でチェーンを洗浄して注油すると、さすがにチェーンのドライブの抵抗が大きくなっていたことがわかりました。気にするライダーでも300kmから400kmでクリーニングして注油すれば大丈夫です。ではでは。