クマさんのバイク専科

オーバーワークがついにやって来ましたか!

ルックを駆る0さんからトレーニングに関してのメールです。トレーニングをやる気にならないようです。フルタイムワーカーで働いた疲労と、バイクの面白さにはまって、楽しい楽しいと、疲労の蓄積に気づかずに高速をキープして長く走ってしまっていると、無酸素運動を有酸素運動のミックス状態の、深い疲労から回復する時間をついつい忘れて、しかも、体へのダメージが大きい高速走行ばかりしていると。ある日、筋肉も内臓も含めて体が壊れてしまうよ、という警告のために、走りたいという気持ちが湧かなくなります。慢性疲労の入り口に来ています。

 

実は、これはとっても危険な体からの信号なのです。走るのが楽しいから、ただただ高速で長い距離を走っていたわけです。早く走れば強くなった感もやったという達成感も味わえます。当然疲労感もあるはずです。確かにトレーニング効果として数週間で耐乳酸性も高まります。ハードな走りは、クランクを踏み込む高負荷による筋繊維のダメージや、乳酸の蓄積、体内で発生した多資料の活性酸素により細胞レベルの、酸素を吸収するミトコンドリアの能力にダメージが発生して、有酸素運動能力は低下して、その回復にはLSD トレーニングが必要で時間がかかります。

 

ところが、呼吸がゼイゼイハアハアする、無酸素運動と有酸素運動がミックス状態の高速走行を続けていると、耐乳酸性が向上して、苦しい場面で脚を動かせるようになるので、進化しているとトレーニング効果を感じて、心肺機能がダメージを受けていることに気がつきにくいのです。耐乳酸性を高める速く走るトレーニングばかりでは強くなれないのです。ミドルもLSDレベルでも走らないと長く走るスタミナは向上しません。さらに、重要なのが疲労からの回復です。運動をする準備や回復を狙うトレーニングとの組み合わせ、生活パターンに合ったトレーニングの割合が重要です。

 

レースの数が少ない場合は、ペダリングと連動する体幹の筋肉のトレーニングも1割組み込む必要があります。ベース作り7割、耐乳酸性トレーニング2割のイメージのバランスで、1ヶ月間のトレーニングに取り組むべきです。フルタイムワーカーの疲労回復の時間はとっても重要です。疲れたな〜、トレーニングしたくないな〜という時期がやって来たら、肝臓が疲れている可能性があります。肝臓は疲労物質の分解や還元、筋肉を作ったり回復させるタンパク質同化の仕事もするので、ハードなトレーニングをした4日語とか5日後に疲労が発生して、どよ〜んとした疲れを感じ始めるのです。

 

そんなやる気が出ない感じの疲労を感じたら要注意です。まず、バランスの良い食事をして、肝臓に負担がかかる飲酒や暴食は禁止です。トレーニングをハードにできない焦りも感じますが、こうなったら数週間、LSD レベル以下の疲労回復トレーニングに1時間から2時間取り組みます。朝起きた時に走りたいな〜と、やる気が戻るまでゼイゼイハアハアするような無理なスピードで走らないことです。ただし、真面目な日本人アスリートほど落ち込みやすいのは、走りたいな〜という気持ちと、体調の回復がシンクロしていないことです。やらなくちゃ〜という焦りもあるでしょうが、ここは我慢が必要です。

 

もう大丈夫という焦りが、トレーニングしたい気持ちを後押ししてしまっていることがあります。実際に高速トレーニングのフォーマットで走ってみると体は回復していなくて、前のように上り坂でクランクを踏み込めなかったり、踏めても継続時間が短くなっていて、パフォーマンスが戻っていない場合があります。ここで無理をすれば慢性疲労に陥って、2ヶ月も3ヶ月も運動そのものを休むことになりますから、回復トレーニングや完全休養を入れて回復に取り組みます。トレーニング効果を体感するまでに時間はかかりますが、そういう慢性疲労的なダメージを受けにくいのが3分間トレーニングなのです。もう一度繰り返しますが、速く走るだけでは速く長く走れるようにはなれません。

 

耐乳酸トレーニングは、トレーニング効果としてレースもそれに相当します。トレーニングの頻度は2週間に1度か、3週間に1度で、耐乳酸性はキープできます。即効性はあるけど、体へのダメージが大きいので、ライドイベントの日から逆算して、3週間くらいで疲労を抜く期間を設定して、計画的に取り組むべきで、毎週毎週のトレーニングがもがきあいでは、今日もこんなに走れたという、自己満足トレーニングになってしまいます。ドカーンという刺激だけではなく。じわじわと乳酸が発生して脚の動きが重くなるようなトレーニングにも、速く長く走りたいライダーは辛抱強く取り組んでほしいですね。ではでは。