クマさんのバイク専科

シマノさん早くスーパーコンパクトクランクを出してください!

個人的な意見だけど、スラムレッドeタップの12段のコンポーネントが提案したフリーの10Tトップギヤは、レーシング、一般ライダー向け、ロングライドや超コンフォート系に対応したギヤクランクを用意して、幅広いレンジのユーザーをカバーしようというコンセプトで開発されていますが、高価すぎてミドルレンジ以下のバイクへのアッセンブルの広がりは期待できません。基本性能が高くて、しかも誰でも手を出せる価格帯で実現するとすれば、やはり、105メカニカル、アルテグラのメカニカル、アルテグラのDi2,デュラエースのメカニカル、デュラエースのDi2で大きなシェアを占めるシマノでしょう。

 

シマノのコンポーネントそのものがフロントの変速に関して、どこがスムーズかといえばシマノの105、アルテグラ、デュラエースが圧倒していると思います。カンパニョーロはクランクを逆転するだけでチェーンが外れかけたり、チェーン落ちしたりする頻度も高いです。踏み込んで変速すれば動きは重くてスムーズではありません。スーパーコンパクトドライブクランクの先頭を走っているスギノやディズナのクランクと、チェーンリングの変速の遅さやチェーン落ちや巻き込みは新型になっても相変わらずで、コンセプトがよくても基本性能がクリアできていないので、採用する気にはなれません。クランクの長さとか、歯数構成、インナーの最小ギヤなど、コンセプトは本当にいいんですけど。

 

シマノのロードコンポーネントやMTBコンポーネントのパフォーマンスを知ってしまうと、スーパーコンパクトクランクの考え方には、全く同感なんですけど、スギノもディズナも、ギヤ比やクランクの長さなど切実な問題となっているライダーに使われて、隙間産業的に生き残ってはいますけど、改善の余地がいっぱいあります。素材が柔らかすぎるのか、チェーンリングや歯先の剛性不足、歯先形状もよくないのか、歯先との11段チェーンとの歯離れの悪さによる、変速時のチェーン落ちや巻き込みトラブルもよく見かけます。しかも、シマノのスムーズさと比較するとですが、電動メカで変速しても変速レスポンスが今時のものとは思えません。

 

本来は一般ライダーのパフォーマンスを考えれば、ロードレースで頑張りたいライダーのレーシングギヤは別にして、最小インナーギヤ34Tのコンパクトドライブクランクで、フリーのローギヤ34Tの1対1のギヤ比で賄えるでしょう。でも、ロードバイクを楽しむ一般ライダーの中には、運動が週に1回できれば走っている方だという人もいるのです。週に1回の運動で運動能力が向上するなんてことはまずありません。気持ちや健康を維持するというのが主な目的で、軽快なロードバイクの走りを楽しもうというエイジの人が増えていると思います。目を三角にして走れるライダーが眩しく見えます。

 

そういうゼイゼイハアハアしないで走るエイジのライダー達に、シマノ品質のスーパーコンパクトドライブクランクを早く提供して欲しいのです。変速トラブル、クランクの緩み、チェーン落ちや巻き込みなどで、修理のために立ち止まることになって不快な思いをして、最適なギヤ比やクランクの長さのクランクを、仕方なしに選んでいるのを見るのは忍びないです。コンパクトドライブクランクを最も遅く出したシマノさんでしたが、ロードバイクは若いライダーだけのものではないと思います。世界中が高齢化社会に傾いて行こうとしています。体へのダメージが少なく、心肺機能を維持できる最適な1対1以下の、こつこつとクランクを回して、息切れすることなく丘を乗って上れる、達成感を味わえるギヤ比が装備されたロードバイク、きっとビジネス的にも成功すると思います。

 

ミドルエイジ以上向けに、エントリーグレードから、ハイエンドモデルのこつこつクランクを回して走れるロードバイクを、完成車メーカーがプロデュースして、電動アシストロードも魅力的だけど、自分の力で走りたい、無理なく体を動かしたい人もいるので、レースとかタイム更新とかそういうのではなく、視点の違ったアプローチで、プロモーションをかける時代がやってきているんじゃないかな。2020年へ向けたロードコンポーネントの開発コンセプトの中に、高齢者ライダー向けのスーパーコンパクトドライブクランクと、専用フロント変速機、1対1以下のギヤ比を実現するウルトラワイドギヤのフリーや、対応するリヤ変速機も盛り込んで欲しいな〜。じじいからの切なるお願いです。アフターマーケットでの組み換え需要も見込まれます。

 

スラムレッドの12段コンポーネントがスーパーコンパクトドライブクランクをラインナップして、最適ギヤ比を要望していたライダーのハイエンドのバイクでのシェアを高めていく可能性があります。でも、あまりにコンポーネントが50万円代と高価なので、とても広がりを見せるとは思えません。影響が大きいのはやはりミドルグレード以下のコンポーネントで、シマノもそういう製品群を見てエントリーからアッパーまでの展開で、アウターギヤ46Tインナーギヤ29Tなどのスーパーコンパクトドライブクランクも含めたコンポーネントを開発して欲しいな。ではでは。