クマさんのバイク専科

清志郎さんの趣味は3年周期だそうです!

清志郎さんの個人事務所は代々木上原にあって、自宅やロックンロール研究所というプライベート収録スタジオから、テクテク歩くと5分くらいで着いてしまうほどの距離にあります。事務所名はベイビイズ、清志郎さんに専任のマネージャーが付いて、楽器の手入れの担当者、運転手、衣装担当のスタッフで移動しています。清志郎さんに関わるバンドは、サックス系が3人、そのうち2人はそれぞれバンドを率いているバンマスで、3人目はタレントの武田真治さんでした。ドラマーがいて、ベースギターがいて、シンセサイザー担当がいて、トランペッターがひとり、アレンジャー兼ベースギターがいました。

 

そのほかにも5人編成のバンドと、3人編成のラブジェッツというロックギターバンドを率いていました。最も有名だったバンドは高校2年生の時に編成したRCサクセションでしょう。知っているだけでもコラボレーションは数知れず。矢野顕子さん、坂本龍一さん、大竹しのぶさん、レオナさん、坂本冬美さん、ウルフルズ、泉谷しげるとスパイスマーケット、チャーさん、井上陽水さんなどです。清志郎さんは法螺貝吹きにはまったり、お灸やマッサージなどの東洋医学にはまったり、多趣味だったそうで、周りのバンドマンやスタッフを巻き込む趣味だったようです。周りの人間が興味を持って取り組むと面白がっていたそうす。だいたい3年周期で趣味が変わっていたようで、当時のマネージャーはサイクリングも3年くらいで終了だと思っていたようです。

 

50歳で始めたサイクリングは、1年目に1台、2年目に1台、3年目にプロジェクトMをオーダーしてオレンジ1号を作り、キューバの激坂を走った経験から、軽さではなくて、パワーの伝達効率を高めて、もっと楽に上れるバイクを作りたいと、5年目にオレンジ2号をオーダーしました。マンションを改造して防音工事や白金による電気抵抗0を目指した電気コードや、海外製のアンプが本来の性能を発揮するように、200Vの電気供給システムを施した、プライベートの収録スタジオのロックンロール研究所の会議室や玄関には、愛用しているバイクが置かれています。今でもそれは同じ場所へ大切に保管されています。

 

分厚い絨毯の敷かれたスタジオの中には、作曲に使うピアノ、体と心をほぐすウオーミングアップに使うドラムセット、愛用していたギターがところ狭しと並んでいます。壁には自分で描いた絵本用のパステル画や、ポスター用に描いた油絵がかけられています。東京近郊のホールで開催されたライブの後は、お気に入りの場所で打ち上げがあって、2次会に移って、さらにロックンロール研究所へ移動して、ハイビジョンのカメラで写した、その日のライブのビデオを出演メンバーとチェック、ダメ出しが朝の8時ごろまで続いて解散となるのがいつものパターンです。

 

ライブの裏方として、水分補給やクーリングのためのアイスパック作りなどで、何度も手伝わせてもらい、打ち上げに続く反省会も朝まで何度もおつきあいしました。プライベートスタジオに置かれているギターをチューニングしたかと思うと、出演者が弾いておさらいしたりしています。その瞬間は、出演者同士の真剣勝負で、鳥肌もののすごい音を身近で聞かせてもらえる瞬間です。僕は音楽とかライブとか、ほとんど興味がなかった頃なので、ステージの裏側などに入って、まさかミュージシャンの人たちをサポートすることになることなど、想像もしていませんでした。歌っている人、ギターを弾いている人、ドラムスを叩いている人、サックスを吹いている人、運動強度をチェックしてみるとLSDレベルからミドルハイぐらいでした。

 

しかも、演奏しているだけでなく、彼らはステージを動き回っていたのです。清志郎さんはギターを弾いてハープシコードを吹き、ローラー台に固定したバイクのクランクを回して歌い続けていました。ステージの時間は2時間半ほどでした。ライブの始まりから汗びしょびしょです。2時間半の間水分補給なしというのは無理です。これだけレベルの高い運動をステージの上で続けていると、グルコーゲンの消耗は激しく、ステージ後の消耗ぶりをみると、筋肉すら分解してステージを暴れまわるエネルギーにしているふしがありました。ロードレースのチームをサポートしてもらっているザヴァスの管理栄養士チームに相談して、1度ステージを見てもらって、サプリメントでのサポートをお願いしました。

 

ステージ前のウオーミングアップを兼ねたサイクリングでのライブ会場までの移動から始まり、リハーサルが2時間半、ステージが2時間半からアンコールがあるんで3時間になります。水分補給は2L以上必要ということでした。エネルギー補給用のゼリーで、リハーサルの合間や本番前に、糖質刺激することが提案されました。リハーサルのステージに上がると、もう大汗です。体に蓄積されているグりコーゲンも消耗し始めます。そこで、バイクボトルにBCAAウオーターというパウダーを溶かした500mlの飲み物を用意して、少し冷やし気味にして、ステージの各所に起きました。動き回りながら水分とBCAAを補給できます。

 

BCAAはグリコーゲンの補給にもなるし、筋肉繊維を分解してグリコーゲンを作るのを抑制して、疲労を残しにくくなります。これは、バイクのライドでも利用して効果を感じていたので、ライブでもリハーサルから本番まで常にバイクボトルに用意していました。いよいよサイクリングを始めて3年目の年に入りました。雑誌の企画で剛性の高いトレックのバイクを提供されて、乗り始めて1年経過して、使用期限の約束が切れるころ、しなやかで進む、疲れないでどこまでも走れそうなフレームがないのと、バイクの乗り換えを相談されました。

 

清志郎さんのサイクリングは、どうも3年では止めないらしい。プロジェクトM のオーダーを受けたスポーツバイクつくばマツナガの松永店長は、清志郎さんからの注文があったものの、お客様からのオーダーの順番のままカーボンフレームの製作を進めて、まるまる1年間お待たせしたようです。その間に何度もオーダーしたカーボンフレームの制作進行のようすを見に、つくばへ走りに来たというわけです。お客さんを平等に大切にする松永店長らしいエピュソードでしょ!。ではでは。