クマさんのバイク専科

ハンガーからあの嫌〜な異音が発生しました!

だいぶ昔のツールドおきなわの1日目、200km走った翌日の朝の出来事、スタートして10kmぐらいで、ハンガーからカチカチ異音が発生し始めて、それがバキバキに変わって、ついにバリンと大きな音がして、カンパニョーロのレコードカーボンクランクのハンガー小物が壊れて、一瞬回転が止まってしまいました。何が起こったのっかよく分かりませんでした。無理やりクランクを回すと、ガクガクになりましたが回りました。ハンガーのベアリングが壊れていることは明らかです。2日目、あと170km走りきれるのだろうか不安でしたが、メカニックカーがいてもカンパニョーロのハンガーの予備パーツもないだろうし、抜き取り工具も持っていないだろうから、修理はできないので、そのまま走ることを覚悟しました。

 

クランクは左右にガタガタ動いて、フロント変速機のチェーンケージとチェーンが接触して、最初はガリガリこすりながら走りました。

50kmも走ると脚が動きに慣れてきて、フロント変速機にほとんど接触しないでクランクを回せるようになりました。帰宅して10mmアーレンキーをハンガーシャフトへ差し込んで、連結ボルトを抜き取って、脱落防止のスナップリングを右ハンガーカップから抜き取って、クランクを分解してみると、ギヤ板がついている側、右クランクと一体になっているハンガーシャフトに圧入されているシールドベアリングが壊れていました。

 

シールドベアリングには樹脂製のリテーナーが組み込まれていて、セラミックのボールベアリングの間隔を一定に保っています。そのリテーナーが消耗して、ボールベアリングにガタが出て、カチカチという異音が発生して、横方向のガタが出て、ついに、シールドベアリングの中でリテーナーが割れてしまっていました。それでボールベアリングが一定の間隔を保てなくなって、クランクがガクガクになったわけです。その時のカチカチという音の発生が、旧型の4アームのスーパーレコードクランクから発生し始めました。今日はクランクを外して、スペアパーツのハンガーのベアリングと打ち替える予定です。

 

ハンガーシャフトから専用のシールドベアリングを引き抜くパークツール製の工具と圧入する工具を用意しました。グリス、右ハンガーシャフトのスナップリングの着脱工具、10mmアーレンキーのビット、トルクレンチを用意して作業を始めます。左右のクランクと一体のハンガーシャフトの先端のギザギザを噛み合わせる、ハースジョイントを連結しているのは、チタン合金製のボルトで、10mmアーレンキーで時計方向へ回すと緩む、逆ネジ仕様です。それを忘れて普通ネジのつもりで緩めようと、反時計方向へ回すと締め込むことになります。

 

この連結するボルトにはグリスは塗らずに指定トルクで締め込み固定します。ストック状態のボルトには青い色のネジロック剤が塗られていました。緩むと危険なので、10mmアーレンキーを当てて、反時計方向へ力を加えて、定期的な緩みのチェックが必要です。ハンガー用のボールベアリングはスポーツバイクつくばに在庫されていました。ではでは。