クマさんのバイク専科

上りで星降るような人数に抜かれた茂木エンデューロ!

ついに、なんの特別な練習もすることなく、4月27日の茂木のエンデューロの日がやってきちゃいました。平地はなんとか走れても、あのホームストレッチ直後の緩やかな上り坂が上れるが心配でした。マジに何周も走って上れる自信はありませんでした。まあチームリレーの7時間なので、4人組みだから、僕一人くらい頑張らなくても大丈夫でしょ、とは思っていました。4時45分にスポーツバイクつくばマツナガへ集合して、オリーブ旦那さんとN さんと、サトイモさんをピックアップ、ルーフキャリヤにはバイク4台を積んで、70km先の栃木県の茂木へ向かってスタートです。ところがだんだん雨が強くなります。

 

この強い雨の中を走るの〜、と車の中のメンバーはモチベーションがだだ下りです。これはひどいよな〜、走るのかどうか考えちゃうよね、どうしようか?。ホントそんな気分にさせる雨の強さでした。茂木が近づくと少し弱くなり、着くと雨が止んでいました。サーキットの路面は乾き始めて、試走は始まっていました。気温は10度くらいで寒いのなんの、何を着て走るのか迷いました。新デザインで作ったショップジャージですが、真夏用の高価な速乾性の生地を採用しているので、残念ながら寒さには対応できない半袖ジャージです。

 

でも、せっかく作ったのだから、ヤッパリ着るしかないかと、長袖のウールのアンダーを着て、その上に半袖ジャージを着ることにしました。下は真冬用のアソスのタイツをはきました。すると、天気が急に変わり日が差してきて、ぐんぐん暖かくなってきました。急いでタイツをアソスのニッカーにはき替えて、ちょうどいい感じになりました。順調にメンバーチェンジが終わって、もうすぐ120分経過で僕の走る順番です。7時間のソロ、7時間のチームリレー、4時間のソロ、4時間のチームリレーがコース上を混走しています。

 

そこここにグループや単独走りのライダーが走っています。コースに出たら同じようなペースのグループの尻尾にくっついて走れば、少し風が強くなっているコースを、空気抵抗を引き受けてくれるライダーがいるので、ドラフティング走行して、自力以上の力で楽して走れます。もともとが、ゆるゆるの走りのお約束のチーム編成だし、走りたがりの300kmや600kmは当たり前のブルベを楽しんでいるN さん、大先輩の僕の目標とするライダーのMさん、佐渡ロングライド210kmや乗鞍のヒルクライムを走るというサトイモさんがメンバーです。

 

この3人のたのもしい仲間たちなら、放っておいていてもどんどん走ってくれて、時間はどんどん消費されて、あっという間に7時間のフィニッシュがやってくるのに間違いない!、と思っていました。みんなマイペースでツインリンクもてぎのサーキットのライドイベントを楽しんでいました。9時にエンデューロはスタートしました。我がチームのスターターはNさんで、4周でMさんと交代です。Mさんも4周でサトイモさんにセンサーバンドを渡しました。だいたい1周10分くらいで40分で走れるというパターンが見えてきました。

 

スタートして120分で僕の順番がやってきます。マットを敷いて股関節を旋回させるストレッチをして、少しウオーキングしてうっすらと汗をかき、ウオーミングアップはこれだけで済ませて、バイクシューズに履き替えて、ヘルメットとサングラスと、指切りグローブをつけて準備しました。サトイモさんからセンサーバンドを受け取り、1周目を走り出しました。ピットレーンの出口でピピッというチェック音が聞こえて、下り坂のコースへ飛び出しました。寒いです。立体交差を超えてすぐに上り坂が始まります。アウターギヤでローギヤまで軽くしていけば上り切れる勾配ですが、あっという間に時速15kmまで低下しました。同じ坂を7時間のチームリレーのトップグループは時速40kmで駆け上がって行きました。

 

とりあえずの目標は、参加費が1万円くらいだから、1周1万円というのをまずは脱出して、できればこの回の走りで2500円にまですること、それでもタクシー料金より高いのではないかな。今日のエンデューロの目標はせめて1周が1250円というところです。さてスタートしてみると、例年よりコース上の人口密度が下がっていました。明らかに参加人数が少なくなっています。富士スピードウェイで同日に開催されているエンデューロに、参加者を奪われているなと感じました。

 

ほらほら、言わないこっちゃないと思っているのは僕だけじゃないはず。この茂木のエンデューロはホームページや、大会事務局から、要望を吸い上げるふりをしているアンケートが行われていますが、知っている限り、要望が実現したことなんか1度も確認できていません。ガス抜きか、ユーザーは勝手に言っていろ的な意味合いとしか思えません。だって、検討していますも、前向きに検討していますも、これを実現しましたとか、何にもレスポンスがないし、ホスピタリティとか誠意という思考がないとしか思えない状況でした。

 

サーキットコースを走らせるだけで、それ以外のイベントを膨らませたり、集まって着た参加者をプラスアルファで喜ばせようとするかけらも見当たりません。はっきり言って申し訳ないけど、ライドイベントはたくさん開催されているんです。1万円料金を払って、ただ走るだけでいい人もいるかも知れないけど、走り以外にも、美味しいものを選んで食べられるとか、雨が降っても濡れないで休むことができるとか、駐車場からパドックが近いとか、パドックの休憩スペースが参加グルーブ別に事前に決められていて、早朝の馬鹿げた時間に駆けつけて、競争でスペースを奪い合うことがなくなったとか。集客の努力やホスピタリティなど、毎年運営が改善されるなど、魅力がない主催者のイベントに、人は来なくなります。

 

今まではそんな手抜きとしか思えないことが許されていたり、走りたいという人にだけ応えていればよかったでしょうが、もうライドイベントも選べて、競争の時代であることを茂木のエンデューロの主催者もそろそろ認識すべきです。もう遅すぎるという気もしますけどね。アンケートにはきっと貴重な要望がいっぱい寄せられていたことでしょう。それを無視し続けた結果が参加者が激減のこの状況です、ライバルイベントの出現で参加者が減ったことではっきりしたと思います。それで、運営の改革に着手しないで、人数が減ったから参加料金を上げて利益を出そと考えるなら、このイベントの終息を招くでしょう。

 

そう、参加ライダーが何を望んでいるのかをリサーチして、対応しないイベンター、努力をしていないところのイベントには、もうライダーは集まらなくなります。だって、これだけSNSで情報の行き来が素早く自由な世の中なんですから。人はそのリアルタイミングな情報に敏感ですよ。もう茂木エンデューロのアンケートには答えないという人も多かったです。だって何もレスポンスがないし、実現しないから、というのが今回何度も聞かれました。なんだか今までは流れで参加してたけど、これだけ参加者が減っているのを見せつけられると、ヤッパリな〜感じで、今後の参加を考えてしまうという。

 

会場で出会った知り合いのショップオーナーや、参加ライダーの率直な意見です。走ることで満足していたライダー達も、この参加者の激減はちょっと気になったみたいです。かなりの危機感を持って耳を傾けるべき参加者の声だと思いますね。 混走していた時は、上り坂で空気の澄んだ場所の星空のようにいた大勢のライダーに抜かれて抜かれまくりました。伴走ライダー付きのキッズライダーに抜かれたり、多くの女性ライダーにも抜かれました。新型ショップジャージが目立つのか、あまりの遅さに驚いて、お気の毒に思ってくれたのか、ショップの仲間たちにもいっぱい励ましの声をかけてもらいました。涙ちょちょぎれそうでした。

 

4時間のライダーがいなくなると、いよいよコース上は寂しくなりました。走り出すと、見渡す限りライダーがいないので、まるで1周5kmのサーキットを独り占めした感じです。次のコーナーを曲がると向かい風のセクションだよな〜。前を走って風除けになってくれる人がどこにも見当たりません。がっくり首を下げて向かい風、しかも緩やかな上りセクションへ突入です。追い風区間で一息ついて時速30kmへ戻し、左へ曲がるとホームストレッチが強い向かい風です。だ〜れもいないよ〜!、一人旅です。

 

そうだ、パドックの終わりの頃にある赤いコカコーラの看板でも見て励まされちゃおうと思って、黙々とクランクを踏んでいると、43番パドック前の金網から、頑張って〜というお声をいただきました。その場に突っ伏して涙でも流しちゃおうかなってくらい嬉しかったです。もう1周頑張ろうという気になれました。そうそう、みんな2回目の出走から、我がチームのメンバーはみんな3周で交代になっていました。4周目は疲れてダメだというのです。そこで僕も3周のつもりで走っていました。何やら時間のことを言っている感じの放送が流れていましたが、強い風で聞き取れませんでした。

 

3周目を走ってパドックへ戻ろうとすると、入り口が白いテープで閉鎖されています。なんのこっちゃと思いましたが、白いテープに沿ってコースを斜めに走ると、罠に追い込まれたシャケのようにホームストレッチの右端にきてしまい、周回のチェックラインを通過しました。おいおい4周目に突入だよ。3周と思って脚は使い切っていました、もうヘロヘロです。サトイモさんにスタート前に、着て走ろうとしていた普段着のセーターを、かっこ悪い、クランクを回せば暖かくなると言われて取り上げられていたので、下り坂が寒いよ〜。ローギヤに入れて坂を上り切って、なんとかパドックまで帰ってきました。1周が1250円になりました。ではでは。