クマさんのバイク専科

バイクライドの魅力ってなんなんだろう!

体格や体力にポジションの合っていないバイクで走っているライダーが、それに気付かないで走っているのがもったいないな〜と思います。BGフィットとかシマノのフィッティングシステムなどでの提唱で、少しはライダーの体格や体力や走る距離などに合わせ、クリートの位置、サドルの位置、ハンドルの位置などを調整して、ポジションを最適化する、フィッティングが大事なことだと認識されて、体験している人もいますが、まだまだサイクルショップで走り出す前に合わせてもらっただけで、1年経過してもいじっていないとか、自己流で上げ下げや前後へ動かしている人が多いのです。

 

スポーツバイクを操るテクニックは、スイミングスクールやテニススクールのように、専門のインストラクターが、基礎テクニックから教えてくれるような道筋がありません。誰かが持っていた自転車や、買ってもらった自転車に乗せてもらって、後ろを押さえてもらい、クランクをこいでよろよろと前へ進み、だんだん乗れるようになって、公道を走るようになりコミュータとして行動範囲を広げた、子供の頃の延長線上で走っているライダーが多いのです。

 

歩くとすれば時速3kmから6kmぐらいですが、自転車なら時速15kmから25kmで走れます。およそ4倍ぐらいの行動範囲に広がります。パンクをすることもありますが、子供にとって初めて手に入れた、自由に移動できる手段です。だから、自転車には子供の頃から使って来ている人が多いので、スポーツバイクとの初めての出会いは、大丈夫、乗りこなすことができるという思い込みがあります。構造的にはほとんど違いはありませんが、パフォーマンスはママチャリやパパチャリとは大きく違います。

 

スポーツバイクの重さはロードの軽いモデルで7kg、クロスバイクでも10kgくらいです。これがママチャリともなれば14kgとか15kgもあります。これだけの差があるとバイクの走りは、はっきり軽快さがまるで違います。ランニングシューズと鉄下駄くらい違います。スポーツバイクで走れば、上り坂もギヤ比しだいで軽々上れるし、平地では時速20kmから30kmで走れ、下り坂ではテクニックしだいで時速40kmオーバーも普通にこなせます。ママチャリではできていた曲がる、止まるも、軽快な走りをこなせるスポーツバイクだからこそ、自由に操るのが難しくなります。

 

ママチャリに乗っていた時では全く意識していなかった、バイクを操る、止まる、スピードコントロールする、曲がる、真っ直ぐ走る、集団で走るという、基礎的なスポーツバイクを操るテクニックの部分の見直しが必要です。ママチャリで走って来た経験があるから大丈夫は通用しません。もし、そう思っていたり、教わったことがないな〜とか、スポーツバイクで走り出してはみたものの、ちょっと怖いなと感じていたり、自信がないな〜というライダーは、バイクを買ったショップなどに相談して、基礎的なライディングテクニックを見直すセミナーを積極的に受けた方がいいです。転んだり怪我してからでは遅いです。

 

自転車生活を始めるにあたって、まず1番大事なのは、相談ができる面倒見のいいショップとの出会いです。そこで、体を採寸してもらって、どういう走りをしたいのかを話してモデルやフレームサイズを決めて、お気に入りのバイクを手に入れましょう。スタッフの親切さとメカニックの評判は大事です。ショップが開催しているライドがありますが、速く走ってちぎり合いをやっているのか、時速20kmから25kmの範囲で、のんびりライドを楽しんでいるのか、走行距離は50km前後から、100kmまでと、そのライドが自分の力に合っているかを見極めてお試し参加しないと、ちぎられて、置いていかれてという疎外感だらけのライドになってしまうこともあります。

 

基礎的なライディングテクニックを教えてくれるセミナーの開催があるのか。ビンディングペダルの使い方のレクチャーをやってくれるかなども、バイクの購入の相談の時に訪ねてみましょう。販売や修理の対応で忙しいショップですが、そういう部分までフォローしてくれる親切なショップもあります。自転車競技部やクラブチームなら、速く走ることが目的で、先輩から後輩に、機材の取り扱い、基礎的なライディングテクニックや、集団走行のマナーなどを伝えることもあったと思いますが、ショップを中心としたライド仲間では、走ることの楽しさを味わうために集まっているサークルなので、なかなか伝えにくい部分もあります。

 

もし、基礎的なライディングテクニックのセミナーを受けてみたいというライダーがいれば、ショップの坂間メカニックに申し出てください。毎週末の土曜日と日曜日につくばを走っているので、マジカルミステリーツアーか、サンデーライドミーティングのミドルを、セミナーに変更して走りたいと思います。少人数の場合はサポートカーで安全な場所へ移動して、基礎テクニックを身に付けるメソッドに取り組みたいと思います。大人数の場合はバイクで移動してメソッドに取り組みます。時間は3時間から4時間必要です。トレーニングのテーマは、止まる、曲がる、真っ直ぐ走る、集団走行などです。ご要望があれば対応いたします。

 

バイクを自由に操って、自分の持っている力を4倍くらいに増幅して発揮できて、歩きでは到達できない距離やスピードで、野山を走る楽しさはスポーツバイクならではです。快適なコースを発見したり、走った時の喜びは密かな楽しみです。長い距離を走りきれた喜び、いつもの普通の坂に見えても、今日はうまく力を使って疲れ切らないうちに上れたとか。場面場面でささやかな喜びが積み重なって、時には、向かい風に吹かれて、さっきまでの無風や追い風区間での調子の良さは何だったんだよと思わされたり。世の中ままなりません。

 

自然とのお付き合いも、春夏秋冬、ウエアの発達とともに取り入れたりしていますが、年齢による衰えの加速ぶりが激しくて、暑さにめっぽう弱くなって、真夏もだいぶ苦戦するようになっています。もちろん、つくばの寒さも身にしみるようになっていますから、そこはやっぱり油断なく進化させています。厄介なのは、これだけ機材の変化に歩調を合わせるように買い込んでいるはずなのに、もっといいものがあるんじゃないかというスケベ心がまだあるということです。11段が12段位なり、リムブレーキがディスクブレーキになり、メカニカルのインデックス変速が、電動の変速になって、プログラム変速になりました。

 

そろそろEスポーツバイクの姿も見え隠れするようになって、乗ってどんなものだろうという興味と、本当はどれがトップアスリート向きの決戦モデルで、パワーが2分の1から3分の1の僕らには何が最適なんだろうという試行錯誤がまた楽しい。もちろん、自分のバイクを自分で組み上げる喜びも味わえるので、組み上げていることも楽しいし、最近集中できる時間が短くなっていることにも気がつきました。目の衰えも感じます。まるで自分の肉体との対話の時間になっています。最新メカの取説の把握は、まるでボケ防止の頭の体操状態です。

 

仕事部屋に愛用しているバイクを持ち込んで、暇さえあれば磨いたり、気になるところをメンテナンスして、週末のライドで使ってみる。どのバイクも組み上げる時はこれっきゃないと思って、これが1番と思って組んでいるのだけど。どうも形をみるとバラバラな時もあります。どれに乗っても同じでしょと、常用する5台のアッセンブルが似通っている時もあります。それでもバイク1台1台の剛性やハンドリングに特性があって楽しめます。ホイールの組み合わせによって乗り味をコントロールすることも楽しんでいます。持つ喜びというのも確かにありますね。

 

他人のバイクのパーツの見立てというのにも面白さを感じています。迷っている時にタイミングよく試乗させて上げると、ヒントを掴んで自信を持って選べるということに気がつきました。そのライダーの体重、走り方、体力に見合ったホイールを選んでレンタルして上げると、走りが見違えるほどパフォーマンスアップしました。単に空気抵抗が少ないディープ系とか、軽いホイールを貸したわけではなく、ライダーの発揮できるパワーの大きさに見合った後輪と、転がり抵抗が小さく、路面からのショックをよく吸収して長く走ってもストレスになりにくい、前輪の組み合わせです。走り終わった時の笑顔を見るのも最高に幸せです。ではでは。