クマさんのバイク専科

熱中症に気をつけて走ってください!

人間は空冷式のエンジンです。体温が平常より2度以上上昇して、発汗したり、呼気で水分を失い、体重の3%の重さの水分を失うと、体に不具合が発生する可能性があります。体重60kgのライダーで、1、8kg体重が減ると危険と言われています。人間は一晩眠ると0、5lの水分を汗や呼気で失っています。朝、起きたらすぐにコップ1杯の水を飲むといいと言われていますが、できれば、動き出す前に、ゆっくり時間をかけて、0、5l飲むと睡眠中に失った水を取り戻すことができます。吸収には30分くらいかかります。

 

朝起きて、血液の水分を失った状態から、水を飲んで血液サラサラの状態になって起きて、消化のいい食べ慣れた朝食をよく噛んで食べます。ライドの2時間から3時間前が理想的です。なかなか難しいですね。食べ物の消化吸収で血液が胃腸に集中しないこと、食べ物が胃腸に残って刺激して気持ち悪くならない効果もあります。朝食は早めに食べる効果はそういうことです。

 

もう8月だから暑いのは当たり前か。でも、6月、7月の天気の凸凹ぶりは普通だったのだろうか?。真炎天下の夏はバイクライドを楽しむにはちょっと厳しい季節です。20度台から、いきなりの30度越え、土曜日は35度近いし、湿度は80%を超えていました。なんだこの蒸し暑さはと思いました。果たして外を走っていいものなのか。この、いきなりの気温上昇が曲者です。体が気温の変化に付いていけません。体の発汗システムが活性化して、体の冷却システムが効率よく働いてくれない可能性があります。

 

運動を始めると、運動エネルギーを発生させるために熱を発生して、体温が上昇すると、体の表面に汗を出して、水分を気化させて、熱を奪ってもらって冷却して、平常体温へ戻そうとします。呼吸でも体熱を発散させようと、体は体温の調節のためにエネルギーと体力と水分を相当使います。体を動かして、呼吸数が増えたり、心拍数が増えて、グリコーゲンの分解で体温が上昇すると、筋肉や関節に体液や血液が循環して、血管も適度に広がり、ウオーミングアップが20分程度で終わります。

 

体温が上昇して、うっすらと汗をかくと、時速25km以下の(人によって速度が違う)、低い運動強度では、体脂肪がグリコーゲンに変換されて、運動エネルギーに使われるようになって、うっすらと汗をかいて、体を動かして運動しやすくなる面もあります。でも、外気温が30度を越えていたり、湿度が高く感じる日は、運動強度を上げていったり、長い時間走ると、体温がじわじわと上昇して、体温を調整しようと大量に発汗します。体表面やウエアに吸収された汗が気化して体熱を奪ってくれます。それでも、運動強度や気温や湿度によっては、体温がじわじわ上昇してしまう場合があります。

 

そうなると、水分補給しても、行き着く先は熱中症気味から、熱中症です。症状としては、気持ち悪くなったり、めまいを感じたり、頭がズキズキと痛くなったりします。筋肉が痙攣を始めたりすることもあります。熱中症対策で、定期的に水を飲んでいても起こることがあります。ストレスや睡眠不足、体調が良くないときは、こんな時間でというくらい短時間で熱中症気味になることがあります。もし、体調の異変を感じたら、すぐに走るのを止めて、日陰で風通しの良い場所を探して避難します。まずは首筋や頭に保冷ボトルの冷たい水をかぶります。

 

腕や脚にも冷たい水をかぶって冷却します。じわじわと水を流して体熱を奪い低下させます。保冷ボトルには、氷をいっぱいに詰めてから冷やした水を注いで、体温より20度以上冷たい水を確保しましょう。ポディウムアイス、30度を越えたらステンレス中空保冷ボトルを採用しましょう。ライドを中止する勇気を持ってください。近くにコンビニエンスストアがあったら、ロックアイスを手に入れて、袋を開けてコップ1杯分の水を入れて密着度を上げて、頭や首筋や、太ももの付け根、脇の下など動脈を冷やして、体熱を奪って体温を低下させます。

 

冷蔵庫で冷えているミネラルウオーターの1、5Lから2Lを手に入れて、頭や首筋からちょろちょろかけて、体熱を奪ってもらいます。とにかく脳を優先して温度を低下させます。熱中症気味だなと感じたら躊躇なく、大胆に冷却してください。体温が上昇すると、体をコントロールしている脳が熱暴走して、体温のコントロールできなくなって、多臓器不全になって死亡することもある危険な状態になることがあります。意識を失いそうな状態の場合は冷やしながら、救急車を呼ぶことも検討しましょう。

 

では、ライド中に熱中症にならないための対策を紹介しましょう。まずは、前日から1回200mlの水分補給を1時間に1回ずつやって少なくともマイナスの状況を作らないこと。睡眠をよくとること。朝食も走る前2時間か3時間前にしっかり食べること。ウエアはクリーングアンダーを着て、UVカット生地のジャージ、アームカバーを付けるか、腕、脚、顔、首筋など、資生堂のアネッサのゴールドのUVカットクリームを、涼しい場所で、大汗をかく前に塗ること。量は腕1本で500円玉だいに出して、5個分か6個分を塗り広げます。

 

サングラスは必須アイテムで、明るいUVカット100%で、有害なブルーの光もカットするレンズで、横からの光の侵入を防ぐために、顔へフィットするデザインのモデルを常用します。曇りの日も同じ量の有害高が降り注いでいますから。日焼けすると軽い火傷ですから発熱することもあります。3時間も4時間も走ると、ライドの後半には日焼けしてだるくなってしまいます。スタート前に露出している部分には、しっかりUVカットクリームを塗ってください。

 

バイクボトルは保冷ボトルを2本用意します。ポディウムアイスに氷をいっぱいに詰めて、冷たい水を注げば炎天下で2時間は冷たい飲み物を飲めます。1本は飲むためのボトル、2本目は体に冷たい水をかけて気分をリフレッシュしたり、水を気化させてクーリングできます。バイクは走れば風が当たるので効率よく気化します。1時間に3回から4回くらい、一口か二口で150mlから200ml飲みます。素早く吸収できる量です。冷たい水は美味しいし、飲めば体温の低下も期待できるし、吸収も早いので、気温30度の中を走って、大量発汗して水分を失うので、走行中の脱水を防ぐには効果的です。

 

最初の発汗で塩分やミネラルを含んだ汗が出て、体内のイオンバランスが崩れる原因になるので、水だけでなく、コンビニ休憩の時などに、スポーツドリンクやトマトジュースを飲むと熱中症対策に効果的です。炎天下の走行中は味のついた飲み物は飲みにくく、水が一番美味しいですね。走り出したらすぐに、喉が乾く前に、飲めるときに水を飲むようにします。暑いと感じたら頭や首筋や腕に冷たい水をかけて、気分をしゃっきりさせます。そのかけた水が気化してクーリングが始まります。アームカバーなどに染みた水は長くクーリングしてくれます。

 

このところの天候の急激な変化は、体の順応が間に合わず、最も熱中症を起こしやすい状況です。ライドを止めることも視野に入れてください。距離を短くするとか、スピードを落として発熱を抑制するなども考えて走ってください。せっかくの仲間たちとのライドだからと、熱中症気味で気分が悪くなっても言い出しにくいけど、危険なのでみんなに伝えた方がいいです。グループライドを離脱して休み、体を冷却して、回復してから帰ります。1度熱中症気味になると、重症の場合、病院で点滴などで水分が供給されて、表面上は回復しても、細胞内の水分が減ってしまい、水分が戻るまでに数日かかります。その間はダメージがあるので熱中症になりやすいので、直後のライドは十分に注意してください。ではでは。