クマさんのバイク専科

乗鞍完走用の14〜32Tの2個1のフリー!

乗鞍のマウンテンヒルクライムは、もう3週間後に迫っているのに、宿を探すと言っていたサトイモさんは、やっとその気になって宿を探しましたが、乗鞍の近くの宿を確保できませんでした。松本市内のビジネスホテルの部屋を何とか予約できましたけど。松本から乗鞍のスタート地点までは、車で1時間以上かかります。ライド当日の日曜日は、朝の4時に松本発になります。しかも、土曜日は主催者の罠でこの日だけが受付になっているので、乗鞍の受付会場まで、あののらりくらりの細い道を上って行かなくてはいけないのです。そうそう走るのは、クマジジイではありません。サポートに行くだけで、走るのはサトイモさんと、ルックを駆るOくんですよ。

 

週末に雨が降ったり、突然30度越えの蒸し暑い日々で、走り込みもままならず過ごして来て。こんなにギリギリになって、作戦もトレーニングもありません。とりあえずは、外を走ること、暑さに慣れることに気を使います。水分補給しながら、走行距離も50kmとか100km以下で、なるべく乗鞍のコースに合わせて傾斜を選んで、バイクが前上がりの状態でのペダリングを体験しておきます。無理のないように体を動かしておいて、乗鞍の日に大雨が降って崖崩れがなければ、元気であれば何とかなるかも、という作戦でサトイモさんはいきます。Oくんはここのところ好調なようで、上りのフォームとペダリングを、乗鞍のコースの傾斜と同じような道を走って固めておけばいいんじゃないかな。

 

シマノの14〜28Tの11段フリーのジュニアギヤ、その14Tトップギヤの14・15・16Tの3段と、11〜32Tのスプロケットの、17・19・21・23・25・27・29・32Tのスプロケットを組み上げて使っています。ダブルテンションのスラントパンタメカニズムのカンパニョーロの11段変速機と組み合わせて、問題なくインデックス変速できていました。ところが、サトイモさんのバイク、互換性があるはずのシマノのシングルテンションのシャドーデザインのリヤ変速機と組み合わせると、インデックス変速の不良が発生しました。

 

シマノにシマノの組み合わせなのに訳が分かりません。ジュニアギヤの3段目と、11〜32Tの4段目のスプロケットの、変速ポイントの歯先の設計の違いが、インデックス変速が遅くなる原因のようです。そうだ、このバイク、カンパニョーロのエルゴパワーのブラケット形状や、ブレーキレバーの形状が握りやすいというので、シマニョーロでした。チューンナップパーツメーカーの、グロータックのカンパニョーロの変速レバーに組み込んで、シマノのリヤ変速機を同調させるシムが組み込まれているので、これがインデックス変速の不調の原因の可能性が高いですね。

 

インデックス変速のズレが出て、シフトケーブルの張りで、1段1段を調整して、最大公約数的な妥協点を見つけて、調子が戻って走って変速している時でも、突然、ローギヤ側3枚のインデックス変速にズレが発生することがありましたから。どうしてこうなるの?、的な、かなりデリケートな部分です。さらにもう1つ、原因が違う、インデックス変速のズレが発生しているわけです。トップギヤ側の3段と4段目の変速に、シフトケーブルの張りをマイクロアジャスターでベストな状態に、インデックス変速を合わせても、トップギヤ側の3段のインデックス変速に妙な遅れが発生するのです。

 

やっぱり、コンピュータデザインされた変速を早める歯先形状のデザインが、歯数構成のセットごとに形状が違っているので、2個を合わせた部分が原因で、変速の遅れが発生しています。自由な組み合わせが難しくなっていますね。もう一つの原因として考えられるのがリヤ変速機の設計です。シャドーデザインのアルテグラは、旧型のダブルテンションのスラントパンタメカニズムのリヤ変速機より、上プーリーの位置がハンガー寄りの位置になる設計です。チェーンのスプロケットへの巻きつきが深くなり、チェーン駆動の伝達効率が高くなり、変速レバーの動きが軽くなり、変速がスムーズになる設計だそうです。

 

でも、よく見ると上プーリーの歯先が高い設計で、プーリーの内外への動きを、チェーンの横方向への動きに反映させやすい設計になっています。シャドーデザインのリヤ変速機の上ブラケット近くには、内外のストローク調整ボルト、内側がトップギヤ側。外側がローギヤ側の調整ボルトです。その下の3本目のボルトが、リヤ変速機本体の取り付け角度を調整するボルトで、インナーギヤとローギヤにチェーンをかけて、クランクを逆転させた時に、ローギヤと上プーリーの歯先が接近しすぎてチェーンが詰まったり、異音が発生することがないように間隔を調整します。

 

アウターギヤとトップギヤにチェーンをかけて、クランクを逆転させた時に、トップギヤと上プーリーの歯先が接近しすぎて、チェーンが詰まったり、異音が発生しないように、間隔を調整します。逆に、間隔が開き過ぎるとトップギヤ側の変速性能が低下してしまう傾向があります。ローギヤ側の変速は大きな歯数でも間隔を最適化できて、スムーズに変速できるようになりましたが、トップギヤ側の小さい歯数の歯先と、上プーリーの歯先との間隔の調整が、ダブルテンションのモデルよりデリケートになった気がします。

 

乗鞍のマウンテンヒルクライムに1年振りに参加する、サトイモさんの完走のためにスプロケットを考えてみました。走行距離22kmのコースで、木がなくなり地面が丸見えになる森林限界に入ったとこから、かなり空気が薄くなって呼吸を深くしても酸素を取り入れられなくなって、有酸素運動能力が低下します。クランクを回すことも、強く踏み続けることもしにくくなりそうな時に、ゴールまでを見通せる最後の部分で、軽いギヤ比でクランクをくるくる回して、なんとかスピードをキープするために、14〜34Tのスプロケットを用意しようと思っています。

 

フロントのインナーギヤが34Tで、リヤのローギヤが34Tなので、1対1のギヤ比に設定できます。でも14〜34T というスプロケットは市販されていません。シマノの11段スプロケットのラインナップで、14〜28Tと11〜34Tの2つのスプロケットセットを分解して、14〜34Tを組み上げます。それぞれのスプロケットは歯先形状をコンピュータデザインして、チェーンの移動するポイントを設定して、スムーズなチェーン移りを実現しているので、逆にそれ以外の歯先では、チェーンが移動しにくく、収まりにくいので、変速しにくい設計になっています。

 

組み合わせた部分でのチェーンの移動がスムーズではなくなる可能性がありますが、変速はするので、ギヤ比の方を優先しての採用となります。果たしてトルクがかかった状態でうまく変速してくれるのか。インデックス変速のスムーズさが気になって、ストレスになるなら、調整すれば確実に変速する、11〜32Tのスプロケットの採用も視野に入れて、黒姫合宿で試して、乗鞍で採用するスプロケットを決めたいと思います。多分モーターで強制的に変速する電動メカなら問題なく変速してくれますが、ケーブルで操作して、リターンスプリングで変速するメカニカルでは、なかなか難しい課題になるケースですね。

 

2個1のフリーでは、どうしてもインデックス変速がうまくいきません。レバーはカンパニョーロで、グロータックのシマノとの変換シムをセットしたもので、このシムの誤差が悪さをしているみたいです。11〜34Tのスプロケットも試しましたけど、これもインデックス変速が、トップギヤから3段目くらいと、9・10・11段のインデックス変速のズレが発生します。リヤ変速機のマイクアジャスターの8分の1回転くらいの差で調子が変わってしまうほどの微妙さです。もっとも変速の調子がいいのが11〜32Tでした。乗鞍本番までに決めなくては。ではでは。