クマさんのバイク専科

乗鞍のバイクは30%が油圧ディスクだった!

乗鞍のビジターセンターに待機しているライダー達のバイクをウオッチしてきました。2019年の乗鞍マウンテンヒルクライムの4000人以上の参加者のバイクを見て、男子のトップカテゴリーの選手のバイクには軽量バイクを採用している選手もいましたが、ノーマルロードにパワーメーター付きが多くなっていました。そのほかのカテゴリーのライダーもパワーメーター採用ライダーが多くなりました。ガーミンのペダル式、シマノのクランク、パイオニア、ローターが主流で、サイクルコンピュータではなく、スマホをつけているライダーもいました。

 

電動メカはシマノのDi2が圧倒的なシェアを占めていて、スラムレッドは見られましたが、カンパニョーロのEPSは数人でした。予想以上に油圧式のディスクブレーキのバイクが参加していて、30%近くになっていました。今まで見たサーキットエンデューロやヒルクライムや、ブルベの中で最も普及率の高いライドイベントでした。油圧ブレーキ仕様のロードバイクは、最もリーズナブルな105仕様でも30万円越えです。初めてのロードバイク購入でも相当な覚悟がいりますね。2台目以降のバイクのライダーで、ディスク仕様に買い換えるとなると、高級ホイールをすでに持っていると、覚悟が必要ですね。

 

すでにリムブレーキ仕様のバイクの生産を停止しているブランドもあるし、上級グレードのバイクラインナップにはリムブレーキ仕様がないブランドもあります。両方作っているブランドも、基本スタンスはフラットマウント付きで、リヤエンド幅142mmのディスクブレーキ寄りになっているはずです。コンポーネントパーツメーカーも、ミドルグレード以上のコンポーネントは、油圧ディスクブレーキ仕様の生産や開発に注力するはずです。

 

完成車やフレームメーカー、コンポーネントメーカーやホイールメーカーの動きを見ると、昔はホイールのリムでブレーキングしていたらしいよ、みたいな会話が本当に数年後に語られることになりそうです。もっとも普及モデルはリムブレーキ仕様が生き残るでしょうけど。リムブレーキ仕様の上級ホイールも作られなくなるだろうし、ブレーキパッドの開発も止まるだろうし、リム、ハブ、スポークなどのスペアパーツも手に入るのかが疑わしくなります。やめるとなったら動きが早いですからね。

 

消費税が上がる前にディスクブレーキモデルへ、リムブレーキ対応の高級ホイールをすでに持っているライダーも、新規参入の人も、丸っと買い換えるという人もいるはずで、ショップでの相談も増えているという。そんな動きのあるロードバイクの世界、自分はなんで2019年に、この機材を使っているのか、トップヒルクライマーたちに聞いてみると、機材サポートのスポンサードの関係で、ブランドからの要請で、油圧ディスク仕様を使う必要がある選手もいるという。ブレーキの利きならダイレクトマウントで十分だし、軽いという。

 

軽量なリムブレーキキャリパーのセットより、油圧ディスクブレーキ仕様は約70g重くなるという。前後輪とフレームもフロントフォークも、アシンメトリック構造になるので、左右の剛性バランスを気にするライダーもいました。シングルギヤ仕様や超軽量ホイールを使っているライダーもいましたが、何度かコースの試走を繰り返してタイムを確認して、低速からの踏み出しは軽いけど、時速22kmくらいで登って、踏み込んでも伸びないので止めて、軽くて剛性の高いホイールに換えたという選手もいました。ホイールの剛性とタイヤの軽さは、パワーロスに関係するので選択は重要です。ワイドギヤを採用するようになったせいか、歩きのライダーが減っていました。ではでは。