クマさんのバイク専科

W杯ラグビー!日本とスコットランド戦

秋になって、てんこ盛りのスポーツコンテンツです。放映権を獲得したテレビ局が盛り上げに必死で、やけにうるさい応援団長的なキャスターや、誰々ちゃんに勝って欲しいとか、有力ですとか訳知り顔のタレントをキャラクターに立てて、番宣を組み込んで盛り上げようとしています。スポーツ好きの人にはちょっと煩わしい案内人たちです。だって真剣勝負のスポーツは、もう見ているだけで説得力があって、その競技を熟知した解説者が、饒舌でなくても、心理面と技術面を語ってくれるだけで、十分に納得できます。

 

幼少時のエピュソードとか、家族のこととか、本人や仲間から色々取材してるのはわかったからもういい加減にして欲しいな〜と思いませんか。いらない情報をいっぱい盛り込む、空気を読めない元マラソン選手のマラソンキャスターも、テレビ局の誰かさんが、いいね〜とかおだてちゃって、本人もこれだと思い込んでしまっているんでしょうね。情報ベースとしては取材してもいいと思うし、努力しているとは思うけど、水鳥は水面下の一生懸命かく足を見せないから美しく水面を移動しているのです。トゥーマッチなそれを、もし聞きたい人は副音声でお願いしたいです。目の前の猛暑の中戦う現実のレース展開の厳しさを、元金メダリストの冷静な解説が僕にはフィットしました。

 

ワールドカップバレー、世界陸上ドーハ、世界体操、そして4年に1度のW杯ラグビーとコンテンツいっぱいのところに、日本のプロ野球のクライマックスシリーズ、大リーグの地区優勝戦が重なって、テレビ界はとんでもないスポンサー獲得競争があったわけです。だけど、ワールドカップラグビーは、ロシア、アイルランド、サモア戦で3戦3勝と、世界ランキング2位のアイルランドを破るという、まさかをやってのけて、関係者の予想を上回る、思った以上の日本チームの出来で、地上波の権利を獲得しているNHKも日本テレビも、日本戦に関しては50%近い視聴率でウハウハの状態です。

 

法会権を持つキー局や系列のネットワーク局は、ニュースもワイドショーも、ナショナルチーム経験者を解説者に用意して、大いに盛り上がっているし、1次放映権のないテレビ局も、この快挙を扱わない分けには行かず。ニュースもワイドショーも格好のネタとして扱われています。薄々は期待していたとしても、まさかの世界ランク2位のチームに勝ってしまったのですから、そりゃー大騒ぎです。ドスドスコンタクト音が伝わるような迫力に、圧倒された、にわかラグビーファンも増えているし、アナウンサーも危険なスポーツですねと、真剣勝負のコンタクトスポーツの迫力を伝えようとしています。

 

本当は自己犠牲と、プライドを持って勇気を振り絞ってプレーする、防具なしで人間がぶつかり合う、無差別級のフルコンタクトスポーツで、あまりにも激しいスポーツなので、国家間の紛争の原因になりはしないかと、IOCが競技の採用に2の足を踏んでいたのが15人制ラグビーでした。ノーホールドでタックルとか、首に腕を巻き付けるギロチンタックルとか、時々危険なプレーでもみ合いになったり、ナックルパンチの交換になりますが、比較的穏やかなコンタクトの、トレーニングゲームだった7人制がオリンピックに採用されます。ラグビーというよりバスケットボールとか、ハンドボール的なイメージが強いですね。

 

10月は、スポーツコンテンツの美味しいものが集中しているので、放映スポンサーを獲得するのは広告代理店も大変だったでしょう。大会のインターナショナルスポンサーと、日本チームのスポンサーと、地上波の放映スポンサーと、複雑に絡み合っています。日本チームのオフィシャルスポンサーは、チームキャプテンが所属しているトップリーグチームもあるトーシバです。長く支援してきた大正製薬もナショナルチームのキャラクターを使って、ワールドカップ放映のスポンサーになっているし、会場内のバナーのスポンサーも有名どころで埋まっています。トーシバは粉飾決算問題や、買収した原発エンジニアリング会社などの不採算部門の切り捨てなどのリストラから回復したのでしょう。イメージアップに務めています。

 

日本がワールドカップラグビーの開催国に名乗りを上げて、ラグビー強国の協会は、弱い日本にその資格があるのかという疑問を投げかけました。日本の国内のラグビー関係者も、日本人監督の強化プロジェクトが途中で倒壊して、その後も外国人ヘッドコーチの導入など、強化は進めていたものの、4年前の3勝しても決勝トーナメントに進めなかった後も、実は開催を喜んではいましたが、それと同じくらい心配していました。開催国が予選リーグを突破できないという不名誉なことにならないかと心配されたのです。

 

前回は3勝して、スコットランドに敗れて、ボーナスポイント差での決勝トーナメントへの進出に失敗しています。今大会も日本チームは3勝で2試合で4トライのボーナスポイントを獲得して、初の決勝トーナメント進出がかかるスコットランド戦に臨むはずです。今やっているロシアとスコットランドの対戦には、スコットランドはロシアの力を推し量って2軍が出て、11トライを量産して60点台のスコアで圧倒しています。1軍をパーフェクトに温存しての日本戦となりました。しかも、台風18号で足元がグズグズになって滑りやすいグランドコンディションの雨の試合になります。

 

現段階で日本が勝てるという根拠はまったく見つけられません。サモアのようなサイドアタックを繰り返すような、単純な攻めはしてくれないでしょう。日本チームがもっとも警戒すべきは、サイドアタックでゲインラインを突破して、前に起点を進めて、反対側サイドにサイドアタックされて、ディフェンスが右往左往させられて、さらに起点を進められて、サイドアタックと見せかけて、中央にディフェンスの意識が引き寄せられて、飛ばしパスなど、ハイスピードでウイングまで回されるアタックがとっても危険です。

 

しかもスコットランドのバックスのアタックは、日本の鋭いタックルも集まりの早さを百も承知ですから、アタックのラインを2重構造にして、前のラインを囮にしたり、どっちのラインにボールを回すかディフェンスを惑わせます。タックルのタイミングが大きくずれます。アタックラインを深くして、日本の優秀なディフェンスとの間合いを開けて、自由に動ける時間を長くして、ディフェンスの隙を見つけてアタックしてくるはずです。日本チームはディフェンスラインを乱さないで、アタックしてくる選手が接近してくるのを待つことになります。これがなかなか気がはやって難しいのです。

 

深いアタックラインに対応することに気を使っていると、今度は浅いラインでアタックして、ディフェンスライン突破の機会を狙う作戦に切り替えることも考えられます。スコットランドは攻め手の引き出しをいっぱい持っているので、もっとも日本が嫌がる攻めを展開してくることは必至です。当日は雨でグランドのグリップが低下する可能性が高いので、日本の軽量フォアードはスクラムで勝てるのか?。押されないスクラムやモールをできるのか。芝生の根がグラウンドにくまなく張った日本の職人技が入念に育てたグラウンドは、ホームチームに味方してくれるのか。それにしても、ホームチームなのに台風で無観客試合になりそうで残念だな〜。みんなで勝利を祈りましょう。ではでは。