クマさんのバイク専科

日本はオリンピックを特別視しすぎている!

マラソンと競歩の開催地を変更すると、決定事項として伝えてきた、IOCとは一体どんな団体なんだろう。国際オリンピック委員会とでも言うのだろう。スイスのジュネーブに本部を置く、オリンピックムーブメントを統括する団体です。加盟国から選ばれた理事で構成されていて、会長が理事から選任されています。IOCの本部だけでなく、どういう活動をしているのかわかりませんが会長の個人事務所もあり、IOC理事会のメンバーはIOCの活動実態を知る人たちからは、オリンピック貴族とも呼ばれています。各国の司法当局や税務当局からマークされているメンバーもいて、なかなか胡散臭い状況が長年続いています。

 

日本のJOC の前会長もオリンピック誘致の時の疑惑に巻き込まれて調査を受けています。アフリカ系の理事の息子の、業務実績のない会社とのオリンピック誘致に関するコンサルティング契約の高額な金銭のやり取りを、開催国決定の票の取りまとめを依頼した賄賂ではないかと追及されています。コンサルティング契約に疑問を抱いた、フランス司法当局の取り調べを受けて、前会長は帰国後の記者会見で、正当な報酬を支払っただけで賄賂と認識していないし、賄賂の受け渡しの疑惑を否定していましたが、間も無く辞任してしまい、真偽はうやむやになっています。元柔道のオリンピック金メダリストの現JOC会長が選任されています。

 

オリンピックは4年に1度の開催で、今まではオリンピックは平和の祭典とか呼ばれ、古代オリンピックから発症した、近代オリンピックムーブメントは、特別に尊い国際的な総合スポーツ大会という位置付けでした。日本では昭和39年、1964年にアジアで初めて18回大会が開催されて、経済発展のシンボルのようなスポーツイベントでした。オリンピック開催国は経済波及効果もありますが、施設の建設などの大きな支出も必要になり、巨大化したオリンピックムーブメントは、経済的に豊かな国か、政治利用したい国しか手に負えなくなっています。

 

開催国に立候補したものの、巨額の経費負担を納得できない、納税者である国民の支持が得られないなどの理由で、辞退する国も多くなっています。今後、オリンピック開催都市への立候補国もなくなるのではと危惧されています。IOCの焦りが次期開催国に早々とフランスを選んだことなどにも表れています。というわけで開催地の選定段階での競争も少なくなり、開催地を決定する投票権を持つ理事の票を取りまとめるための、公的資金を支出できるような、ダミー会社を経由するような、巧妙な賄賂のやり取りもなくなることになるでしょう。

 

では、IOCという国際団体は一体なんなのか、オリンピックという総合スポーツ大会のコンテンツを統括する団体です。ぶっちゃけて言えば、他人(開催国や開催都市)の金でオリンピックを開催して、その放映権や大会オフィシャルスポンサーの権利を世界各国に販売して、その利権で5000億円以上という、お金儲けをしている団体です。聖なる大会を開催する清らかな団体ではありません。IOCに承認されている、国際競技団体はオリンピックの実施種目から、除外されたくないし、放映権料やスポンサードの割戻金を得たいので、本来のルールからの変更など、ちょっとおかしいな〜と感じていても、IOCに物を言える状況ではありません。IOC有利のパワーバランスで、巧妙に組織を作り上げているのです。

 

日本のオリンピック実行委員会も、開催都市の東京都も、この、妙な特権意識や利権を持つIOCのオリンピック貴族たちに、アドバイスやサゼッションを受けて、施設の変更や日本らしい見栄えのいいコースへの変更で、右往左往させられていました。東京都は300億円をかけてマラソンコースを整備しました。今になって、IOCはドーハの高温多湿で実施された女子マラソンのリタイア率の高さを見て、IOCの会議でマラソンコースや競歩コースの札幌への移転の結論に達していたようです。この会議には実行委員会の会長も回線を経由して参加していたそうで、この提案というより決定事項を受け入れていたようです。

 

資金提供している日本政府の、オリンピック大臣にも、直ちに決定事項として伝えて了承を得ていたそうです。莫大な資金を投入して準備をしていた東京都の知事はギリギリまでカヤの外だったわけです。知事はこれをものすごく怒って、いっそのこと、もっと涼しい北方領土で実施したらという大人気ない発言をしたわけです。他人の金をあてにして、オリンピックを開催して、その放映権やスポンサービジネスで稼いでいるしたたかな団体に過ぎないIOCに、オリンピックブランドに騙されて神聖視していた、日本の実行委員会も、東京都も、世界的に見ればあまちゃんだったというわけです。

 

だって、最初に真夏開催という条件で開催国を募集したのは時期をずらしてコンテンツを高く売りたいIOCですよ。放映権料を2500億円を提供すると言われているビッグスポンサーのアメリカ、1000億円を提供するであろうヨーロッパ地域の、大リーグ、バスケットボール、アメリカンフットボール、サッカーなど、メジャーなスポーツコンテンツとオリンピックの開催時期が重ならないようにという、強い意向を受けて、7月から8月という開催時期で開催地を募集したのはIOCじゃないですか。

 

アドバイスやサゼッションをしてきた専門家のIOCは、開催地を選定して6年間何をしてきたの。マラソンと競歩の開催場所の移転や実施に関する総費用を、IOCの獲得する放映権料やスポンサー料の中から支出してもらったらいいんじゃないの。それとも、選手にはお気の毒だが、2競技を取り止めるという選択肢もあり得ます。IOC会長の最新のコメントでは、日本の実行委員会の会長も会議に参加していたので、これは決定事項だというのなら、IOCに決定権も責任もあるのだから、突然の変更で発生する支出にしても責任とってもらうのが当然なんじゃないかな。オリンピック貴族の落とし前のつけ方を見せて欲しいな。ではでは。