クマさんのバイク専科

スクラムの中ってどうなっているのか!

とうとう負けちゃいましたね、直前に行われたテストマッチの44対7はやっぱり実力を表していましたね。ラグビーの試合で、ボールを前に投げるスローフォアードや、前に落とすノックオンなど、軽い反則があると、8人と8人でスクラムを組んで、反則された側のボールで、スクラムハーフがボールをスクラムの真ん中へ真っ直ぐ投げ込んで、本来は取り合いになるわけです。でも実際には、ボールを取れる可能性は5分5分とはなりません。ハーフがボールを投げ込んだ側が9割は取れます。前3人の真ん中にいるフッカーとハーフが呼吸を合わせて、タイミングよく足を使ってボールを確保するために掻き込み後ろへ移動します。

 

プレースキックで3点を狙える重いペナルティでも、ペナルティゴールの3点より、トライの5点とプレースキックの追加の2点を得られる7点を狙って、ペナルティゴールを狙える重いペナルティでも、ボールを投げ入れる側がほぼボールを確保できて、ボールを展開してトライを狙えることから、ディフェンスが厳しくてトライが難しくても、マイボールスクラムを選択することもあります。

 

マイボールスクラムは9割以上、投げ込む側のボールになるわけです。足で股の間を通してボールをスクラムの後ろまで移動させて、通常はナンバーエイトが足先でコントロールして、足の甲の内側でつま先が地面に付いていると、ボールがキープされて、ボールの位置がオフサイドラインになります。つま先が地面を離れた瞬間にスクラムからボールが出たと判断されて、オフサイドラインが解除されて、その瞬間にディフェンス側がスタートして、ハーフがボールを拾い上げてスタンドオフに投げてバックスのラインへ展開します。

 

サイドアタックの場合は、ナンバーエイトが手で持ち上げて、スクラムサイドを走って突進したり、ハーフが持ってスクラムの近くを突進します。フォアードが近くにいるので、すぐにフォローの選手がいるので、突進を止められてもボールキープを確実にできる攻撃です。ディフェンスが強力でも、次々にサイドアタックを繰り返すと、立って手でプレーするモールや、倒れてボールを足でかき出してキープするラック状態で、少しずつ前へ進むことになって、ディフェンスのラインに乱れが発生した時に、バックスに回して突破するというのが一般的な攻撃方法です。

 

スクラム中はボールの位置がオフサイドラインです。相手のプレイヤーはこのオフサイドラインを越えてプレーすることはできません。重い反則となって、ペナルティーゴールを狙えます。一番後ろのナンバーエイトの足の甲側にボールがあれば、オフサイドは解除されません。足を上げた瞬間に、ボールが出たと判断されてオフサイドラインが解除されます。ディフェンスは勢いよく飛び出してきて、ボールを持ったプレイヤーに襲いかかります。

 

サイドアタックの場合、相手の左右のサイドローもサイドアタックを警戒して、ボールを持って突進するナンバーエイトの選手にタックルしてくるので、止められる寸前にスクラムハーフにパスして、バックスへ回すか、フォアードがスクラムを素早くブレイクして、フォローしてくる選手へ戻して、さらにサイドアタックを続けて、モールを作って起点をずらして、左右のバックスのラインへの展開を試みます。

 

だからハーフは相手のディフェンスの動きを見て、左右どちらにボールを投げるのか、相手のスペースを見てハイパントを上げたり、ウイングを走らせてキックパスするか、ディフェンスラインに隙間が見えたら自分でボールを持って突っ込むかを判断して、フォローしてくれるフォアードに、スクラムを組む前や、スクラムを組む時に、次のプレイをどうするかをサインや合言葉で指示します。基本的にはスクラムを組んでいる8人に、次にやりたいプレイをサインや合言葉で知らせているのですが、その通りに行くことはスクラムに強くてボールを支配していても5分5分で、スクラムを解いたらまるで展開が違っていたということもあります。頭の切り替えの早さは重要で、状況を見極めて素早く自分の役割を把握して動くことが求められます。

 

ラグビーをやっている選手が、頭が良くなくちゃラグビーはできないというのは、この辺りの判断力の早さと、体の動きの早さのことを言っているのだと思います。英語や算数をできるのとは少し違う、スポーツ脳の働きと、いかに練習で展開のシミュレーションを重ねて、体に染み込ませておくかが現れますね。スクラムの前3人は強くバインドして右肩に相手の頭が入るように組みあいます。セット、クラウチ、プッシュという手順で押し合います。相手を本格的に押すのはハーフがボールを投げ入れるのと同時です。でも首の取り合いは始まっていて、頭が真っ直ぐになっている側が有効に押すことができます。だからフロントローは首を鍛えておくのです。両端の最もパワーのある選手は相手を押して、真ん中のフッカーが自由に足でボールをかき出せるように動ける状況を作ります。

 

前の3人の後ろから押すのがロックで、実はこの前の5人こそがスクラムのキープレイヤーです。彼らが強くないと押し勝てません。日本のスクラムはこの5人の筋力とスタミナ、押す方向のコントロールやタイミングを徹底して鍛えています。左右のサイドロー、ナンバーエイトの力も、スパイクの向きをmm単位でコーチに指導されて、有効に力を伝えるテクニックが練り上げられています。日本のフォアードは世界で稀に見る走れるフォアードです。タックルも半端じゃありません。素人が見ていても勇気をもらえるほどの凄いタックルをします。そして、タックルからの復帰の早さも世界一です。16人目のプレイヤーが現れたと思わせるほどの動きが、どんな時も徹底してやられています。

 

ワンプレイごとに止まってしまいがちですが、日本の選手はワンプレイで途絶えない日本チーム独特の勤勉さは、常に危険地域の数的優位をもたらすものです。ゲインラインを突破させないディフェンスに繋がっています。ハードワークを80分こなせるようになった結果が4勝とボーナスポイント獲得になっています。これだけ緻密にやっていれば勝てるかもと思うでしょう。でもね、3強は子供の頃からラグビーに親しんで育ってきた、動ける巨人の中から、才能のある選手をピックアップしてきて鍛えています。驚くほどの怪力でボールをむしり取られます。これがターンオーバーの原因になっています。早くて重くてコンタクトすれば衝撃も大きいし、ずしりと重くてダメージを受けるしスタミナを奪われます。

 

フルコンタクトスポーツの最も厳しい側面です。日本は体格の大きい母国でも代表入りできる外国人選手は別にして、動ける巨人に対抗するために、日本人選手は中量級の選手に筋肉の鎧を付けて、心肺機能も耐乳酸性も極限まで開発されて、動ける選手に鍛えられているので、パワーとスピードを発揮するには、足元のグリップの条件がとっても気になります。攻撃と防御を支える日本フォアード頑張れ!。ニュージーランドのオールブラックスと、南アフリカのスプリングボックスのプライドをかけた予選リーグの戦いは、簡単にはトライを取れなくて、ペナルティーゴール合戦になりました。どちらが勝ってもおかしくない試合でした。

 

このラグビー強国のガチンコはニュージーランドが小差で勝ちました。日本チームはいずれにしろ戦うことになります。ペナルティは命取りになる、緊迫したゲームになります。そしてもう1つのラグビー強国のオーストラリアがあまり目立っていませんが、大きくて速くて巧い選手がいて、かなり強いと思います。日本チームの選手の疲労やコンタクトによる打撲などのダメージからの回復のスピードが気になります。試合の間隔がそこそこ開いていますが、試合回数を重ねるごとにパフォーマンスが低下していないのだろうか。筋トレが公開されていましたが、その横でエアロバイクのlSDトレーニングで心肺機能を回復させているのが見えましたね。ではでは。