クマさんのバイク専科

Eバイクをどう受け入れるのだろう!

本格的なスポーツEバイクが登場してきました。注目のトップモデルは100万円から140万円と高価でおいそれとは手を出せませんが、言わずと知れた電動アシストのロードやマウンテンのバイクです。バイクビジネス的に考えると、やっぱりというかメインのターゲットはレンタサイクルとしての需要が大きいでしょう。僕の目にはどうしても充電池がカーボンフレーム内へスマートに収まって、電動アシストをあまり感じさせないロードバイクがイメージですね。Eバイクの中ではトップモデルで、高価でビジネス的にはマイナーなジャンルになるんでしょう。

 

レースでの不正使用が発覚して、テレビのワイドショー、SNS、自転車雑誌などで、かなり報道されていました。メカニカルドーピングバイクという嫌なイメージで捉えるマスコミ報道も確かにありましたけど、今では油圧ディスクブレーキ装備のバイクに次いで、自転車業界を活性化させる新商品として、これもありだなと、スポーツバイクの1ジャンルとして扱われるようになっています。ピュアスポーツとして体を鍛えて自分の力で走ることにこだわる人にはアレルギーもあるでしょうし、Eバイクの最初の扱いがスキャンダルとして不正バイク的な扱いがあったので、ダーティーなイメージがつきまとって、偏見はあると思いますけどね。

 

コンパクトドライブクランクを提唱した時も、トレーニングすればそんな軽いギヤ比はいらないとか、色々なアレルギー症状を示すカウンターオピニオンもあったけど、現実にはPCD110mmのインナーギヤ32Tが付けられるクランクが装備された、一般ライダーの体力に合った、踏めたり回せるギヤ比を実現できる、ワイドギヤをアッセンブルしたバイクでないと売れなくなりました。今ではロードバイクのスタンダードスペックです。ロードコンポーネントもレーシングとコンパクトの2ラインナップから、インナーギヤ32Tを付けられる兼用クランクにデザインが変更されています。アレルギーもなくなったわけです。

 

サーキットエンデューロ、ロングライド、ロードレース、ブルベというジャンルでどう受け入れられるのだろう。はっきり言ってしまえば、ペダリングを電動モーターがアシストしてくれるのだから、自分の力で道を走るのとは明らかに違います。でも、電気をエネルギー源としてモーターでペダリングをアシストされていようがいまいが、快適なフィールドに出て、性別や体力に関係なく、スポーツバイクの快適な走りを平地や上り坂で楽しめればどっちでもいいんじゃないかな。

 

日本の法律では公道を走れる電動アシストバイクの基準が細かく定められていて、最大アシスト状態でも50%まで、実際にEバイクで走ってみると、6%から10%の、かなり急勾配の上り坂でも時速25kmでスイスイと押されている感じで走れます。もっともアシストされているなーと感じる瞬間です。これはヒルクライムレースを目指してしっかりトレーニングしているライダー並みの走りですごいことです。平地でも走ってみましたが時速25kmを超えたところでモーターのアシストがカットオフされたり、時速30km近くでカットオフされるモデルがありました。それでも平均時速25kmキープはスイスイ進む感じで、まあまあの走りかなと思えます。

 

フル充電の電動アシストで走れる距離はどうなるんだろう。現在の充電池やモーターの性能では、100kmから150kmが限界性能でしょう。レンタサイクルとしては十分でしょうけど、スポーツサイクリングのバイクとしては、ロングライドの最長イベントの完走を目指して欲しいですね。小さくて軽くて効率よく素早く充電できるリチウムイオン電池を含めた高性能充電池や、インバーターをはじめ、省エネ型の小型軽量のモーターの開発、まだまだ性能の伸び代はありそうです。電動アシストバイクに規制をかけている法律の見直しも、海外メーカーの商務省などからの非関税障壁という指摘の外圧で、単なるシティコミュータという評価から、スポーツの道具という認識の、スペックの変更があるといいですね。

 

ヨーロッパや東南アジアや北米で、電動アシストバイクに関する法律が違うので、最新のスポーツEバイクの能力は販売される地域に合った仕様で出荷されているそうです。Eバイクにはアシストするパワーをコントロールするユニットが組み込まれています。日本で市販されている電動アシストバイクにも、50%、40%、30%というようなアシストの強弱を調整するスイッチが設定されています。Eバイクのアシスト能力の潜在能力は高い設定になっているはずですが、各国の法律に合わせてデチューンされているのでしょう。

 

スピードを感知するセンサーユニットからの情報や、ライダーがペダリングして発生しているパワーを感知するセンサーの情報を解析して、モーターユニットのアシストのパワーが決定されています。このコントロールユニットのプログラムを書き換えたり、リミッターのスイッチングして、各地域の法律に合わせて出荷されています。平地で時速25kmがアシストの上限ではスポーツバイクとしては少し物足りません。レース思考のライダーの時速30kmから40kmのグループライドには、かなり頑張って踏んでも付いていけないでしょうここの改善が望ましいですね。しかし、峠道などで50%のアシストで時速25kmをキープできるとしたら、トップのヒルクライマー並みのスピードで走れることになります。

 

細かいルールがどうなっているのかは調べていませんが、Eバイクカテゴリーを増設したイベントも登場しています。日本の法律通りに仕上げられているとすれば、スポーツEバイクのライダーは長い登り坂では普通のバイクに乗るトップライダーと一緒に走れますが、平地ではアシストが抜けた、車重の重いバイクのクランクを頑張って踏み倒すことになりそうです。自転車雑誌でも普及をプッシュしていて、そろそろ高価なスポーツEバイクの試乗車が店頭に並ぶでしょう。Eバイクをどう受け入れるのか、どんな使い方をして楽しむのか。イベンターもどう取り込んでいくのでしょう。ではでは。