クマさんのバイク専科

医療コーディネーターに聞いてみた!

病気やケガで困っているひとに、ゲノム解析の進歩と共に、医療や薬品が飛躍的に進化しているのも含めて、最適な病院や治療方法、医療や専門医やスポーツドクター、理学療法士やトレーナーなどを紹介してくれるのが医療コーディネーターです。ボランティアやNPO法人に所属している人が多いですが、コーディネーターによっては国内だけでなく、海外にも専門医療チームとの特別なネットワークを持っています。

 

そのバックボーンには、公平中立に医療全般の評価をできる人間が必要です。治療方法の効果と副作用の評価、医師の知識やテクニックの評価、専門医療のチームの評価、病院のコンプライアンスや財務状況の評価の他に、最新機材の導入、放射線や重陽子線治療、高出力レーザー治療、最先端医療の指定や熟練度の知識が必要です。

 

スポーツ関連の医療の場合、広い視野で原因や病名を特定して行くジェネラリスト的な総合医もいますが、専門医やスポーツドクターや、もっと守備範囲が狭い、肘や膝や足や肩などの専門クリニックの場合もあります。補助の金具を入れて固定する手術、靭帯の移植、軟骨の移植や再生、軟骨の除去手術、炎症の解消、高出力レーザー照射による痛み止めと細胞の回復。スキー、野球、フットボールなどの得意種目がある場合もあります。明らかに医療は細分化されています。

 

ガンや脳、循環器系の病気や怪我、移植医療、顕微鏡下で神経を繋ぐようなマイクロ手術でも、同じように医療分野は思った以上に細分化されています。それだけに最適な医療と出会うには、広い知識を持った医療コーディネーターの重要性を感じます。その人は最先端医療の指定を受けている医療施設の担当医で、専門医の資格やスポーツドクターの資格も取得していているそうです。

 

そういう人に現在の中国発進と言われる伝染病の広がりや、我が国の対応を冷静に評価して、話を聞かせてもらいました。国立の感染診断システムの検査に時間がかかること、1日に検査できる人数が限られていること、全国に100ヶ所も検査できる機関の設置がないということに疑問を感じていました。というのは、全国に病院があって、病原体や組織検査を受けおっている民間の検査機関がいっぱいあるからです。国立の検査機関と民間の検査機関の何が違うんだろう。国立の方が精度も高く、スピードも早く、安全なのだろうか。

 

現状は違っているようです。民間の検査会社の方が競争が激しいので、使用機材も最新モデルが導入されている傾向があるし、病院からのオーダーを受けて検査の頻度も高く、オペレータも慣れているし、国立の検査機関が実験レベルのクオリティだとしたら、民間の検査会社の検査結果のクオリティレベルや、バイオハザード的な管理の厳格さも常に高いレベルがキープされているそうです。

 

中国は今回の伝染病ウイルスの発覚より早い段階で最新の検査機材をヨーロッパの企業に発注していて、検査時間の短縮と同時に、検査人数を増やすことが可能になっていたそうです。ウイルスの特性の解析速度も日本の国立機関の検査は5時間が、最新のシステムでは最短で15分くらいと、早くなったそうです。中国の今回の伝染病ウイルスに関する論文データの発表も早かったようです。

 

それでも症例の発生は抑えられなかったわけですが、決して対応が遅かったわけではないそうです。伝染病発生の経験を生かして、検査体制の強化が国レベルで始動していたので、ウイルスキャリヤの有無の検査は1000人を超える規模の大量の検査に対応できたのだそうです。では、医療システムが完備しているはずの日本がどうして検査に対応できていないのか。それは日本の厚生労働省のパンデミックを甘く見た方針決定の誤りだそうです。国立の感染病検査機関へのみ検査を許可して、民間の検査機関には検査を実施することを許可して委託していなかったという偏りが原因だそうです。

 

クオリティがはるかに高い民間の検査機関に検査の許可を出していなかったのです。急に検査の許可を出して、一気に高精度の検査が大量にできるようになったのはこれが原因です。補助金を出して負圧のかかる救急車が数台。負圧のかかる診察室と病室が多くて10部屋が厚生労働省のお声がかりで指定された拠点病院に設置されていただけです。チャーター便で引き上げてきた人が、4機分で800人いたとしたら、もう関東近辺の対応できる病院には収容できなくなりました。3000人規模のクルージングの船への対応には、もちろんキャパシティーオーバーで、船にとどまってもらうしかありませんでした。

 

しかも、全乗船客や疑われる体調の人の検査にも対応できるのかどうかというキャパシティです。今日いきなり検査ができるように指定された検査機関は、高い技術を持っているので、一気に3000人のキャパシティに到達していますが、なぜ最初からそうしていなかったのだろう。症状がなくても不安に思っている人が、自由に検査を受けられるようになるのでしょうか。厚生労働省が指定していた検査機関は最新の検査機器の導入に出遅れました。中国は検査システムを構築していたので、キャリヤの把握ができているのだそうです。パンデミックの対応策を機材的にも、医療施設的にも、平時に怠ってきた日本の厚生労働省の無策ぶりが露呈したものです。

 

伝染病の専門医を招集した諮問委員会の2回目が開催され、クルーズ船を視察した専門医師の大学教授が、船内に伝染病の専門家がいないこと、厚生労働省の役人が感染を広げないためのアドバイスを聞かないことを指摘していました。厚生労働省のお役人は適正にやっていると反論していましたが、現実には専門医からすると改善すべき点が数多く指摘されていました。乗客から600人を超えるキャリヤを出していることからも、配慮の足りないことがあって、やっているつもりのお役人が専門医の見解に耳を傾けていたらと思います。お役人は伝染病の専門家じゃないんだからと思っていたら、クルーズ船に入った厚生労働省の職員が感染しました。国会答弁した担当大臣は「適正な対応をしていました」と弁明していました。

 

適正と思っていた装備と行動をしていて感染しているのだから、厚生労働省の常識、マニュアルが正しくなかったという証明なので、お役所が今までやってきたことを正当化するんじゃなくて、感染者が出ている現実を踏まえて、危機意識を持って早急に改善しますと発言して、感染症の専門家にアドバイスを受けて、実行すべきすべきでしょう。クルーズ船に同じマニュアルで入って作業した職員を感染チェックしないで、職場復帰させていたなどとは、ウイルスを持ち込んで役所の機能を停止させる可能性がある、自殺行為と言えるでしょう。伝染病から日本国民を守るべき人たちの危機意識の低さに呆れました。ではでは。