クマさんのバイク専科

怒って説教たれてしまいました!

3ヶ月ぶりのライドの帰り道、どうにもこうにも脚がうごかせなくなって、グループライドから離脱して、よちよち走っていると、心配してくれたサトイモさんが迎えに来てくれました。クリートの位置に違和感があったので、りんりんロードの駅の跡地で休憩して直すことにしました。駅のスロープを上がったところにある公衆トイレの壁にバイクを立てかけて、クリート位置の微妙な調整をしていると、トイレから出て来た男性に「どこから来たの」と質問されました。「埼玉からです」と答えると、りんりんロードへわざわざ埼玉から走りに来たのと間違われたみたいです。

 

この道のために高速代やガソリン代、自分の貴重な時間をかけて走りに来るほどバカじゃありません。最近はこの県に限らず、どこもかしこも自転車都市宣言しています。茨城県も土浦もサイクリングで町興しを目論んでいるみたいだけど、りんりんロードというサイクリングコースの実態は、車の道と交差する位置に、正面から見ると自転車がまっすぐ走れないポールを立てて、通行する自転車を止めて、対向でくる自転車ともすれ違うことができない構造になって、車優先が貫かれて作られているので、少なくともスポーツ車での利用は激減しています。

 

「弱虫ペダル」のブームの頃の土曜日と日曜日に6時から6時までの定点観測をすると、1800人近い利用者がいましたが、今の交差ポイントの真っ直ぐ走れないポールの構造になってからは、300人も走っていません。スポーツバイクの人の利用がどんどん減りました。土浦のコースの起点にはステーションができたり、駅構内にはサイクリスト優遇のホテルやサイクルショップやサイクルカフェもできて、ライドイベントも開催されて人集めも行いました。

 

霞ヶ浦の100kmを越える護岸コースも含めて、最適なサイクリングコースを整備したと思っているようです。セールストークによると、四国のしまなみ海道に肩を並べるサイクリングコースなのだそうです。四国も茨城も走って見たけど、申し訳ないけど茨城のコースはそうは思えません。走って快適じゃないもの。しまなみ海道はもう一度走りに来たいというリピーターが多いことで知られていますが、真っ平らな護岸コースの一方が湖、一方が田んぼという変化のない景色のコースを、1時間も走れば大抵の人は飽きますよ。一方のしまなみ海道は本州と四国を結ぶ橋とか、橋桁の建てられた島とか、ダイナミックな変化と海が組み合わさった走り応えのあるコースです。

 

はっきり言ってしまえば、自治体も民間も知恵とお金を出し合って、自転車乗りがこの地域に来て、快適に走れるようにコースも施設も整備されています。1つのエンターテイメントとして完成させています。そのために専門知識のある人が集められて真剣な話し合いが積み重ねられて、安全対策も慎重に取り組んでいました。一方、茨城のサイクングコースはどうかな?。相変わらずの自動車優先という既成概念に囚われた人たちが整備事業に関わっているので、サイクリング道路の交差する道路には、自転車の通行に注意してくださいという看板が立てられているのみ、一時停止の表示もないし、スピードを低下させるカマボコ舗装もありません。

 

交差部分には自転車乗りを停止させる構造があるだけです。自転車やサイクリングで地域経済を活性化させようと宣言している県や自治体が車優先の思想と、自転車を邪魔者として恫喝的にクラクションを鳴らして来たり、追い抜きざまに幅寄せして来る、この地域の交通マナーの悪さや、明らかに車で来ているのにアルコールを提供するお店がいまだにあって、飲酒運転を見て見ぬ振りする状況が続く限り、しまなみ海道の地域との比較は失礼極まりないと思うのだが。話しかけて来た人は地元の人で、りんりんロードの整備事業の委員をやっていて、安全管理の役職なのだそうだ。

 

何を言いたいのか聞いていると、「このトイレの1つが壊れていて3ヶ月放置されていたが、私が市長に直接話して3日で修理してもらった」というのだ。サトイモさんと僕に、その手柄話しをしたかったのか?、「そりゃすごい」とでもリアクションしてもらうことを期待していたのだろうか?。この道はどんどん利用者が減っていること、その数字も知らなかった。問題意識も無いから調査もしていないのだから、当然その理由も考えているわけもない。このサイクリングコースで起こっている。車優先のブラインドの交差部分で起こっている事故で、サイクリストが下半身不随になっていることも調査していなかった。

 

このサイクリングコースにはヘルメットを着用しましょうという看板を見たこともない。そんなチラシを配布したこともない。ノーヘルライダーが野放し状態なのだ。その人も交差部分で車と接触事故を起こした経験あると話しが出て、体は何ともなかったが、警察官にヘルメットが割れていることを指摘されたという。ヘルメットメーカーのロボットにヘルメットをかぶせて、壁に時速30kmで激突すると、ノーヘルなら頭蓋骨陥没で脳挫傷での死亡が起こること、ヘルッメットをかぶっていても死亡する可能性があるという話を念ためにした。その人もそういうデータを見たことがあるというのだ。

 

ところが、乗って来たクロスバイクにはヘルメットはかかっていないし、その人の頭にもヘルメットは見当たらない。家が近いので被らないで来たというのだ。近いとか遠いとか関係ないんじゃないかな。こういう意識の人が安全担当をやっていることが、本当に残念で仕方なかった。ヘルメットをかぶっていない人とは一緒に走れないこと。だって一緒に走っている人が頭を打って血を流していたり、脳障害で苦しむのを見たくないでしょ。ヘルメットのおかげで軽傷で済んだということも多いからね。サイクリングは危険な部分もあるという前提で、できる限りの安全性を確保する必要があるからね。

 

そんな話をしたら、突然、その人は取材させてほしいという。そんな思考回路も持っていないで、そういう委員の役職にいることが恥ずかしくないのかな。そんな人に、思っていることやノウハウを話しても時間の無駄になるだけだと思うのだけど。現にこんな虚しい会話で30分も帰りが遅くなってしまった。車優先のサイクリング道路を作っている限り、サイクリングの振興で町興しするなんて地域振興の助成金の無駄遣いだ。魂のこもらない建物や道路の整備など止めた方がいい。

 

地域の企業への一時的な経済効果はあったとしても、車優先で安全でない場所、快適に走れない場所へ、走る場所がわからないビギナーはサイクリングコースという名前につられて来るかもしれないが、SNSの情報ネットワークの時代だから、実情を知れば、いつまでも自転車乗りが集まるはずもない。きっとだれも来ない道になる。サイクリングを利用した上っ面な経済振興はしないでほしいと思っている。民間の事業主なら利益を上げて長期に事業を継続できるかの調査をして投資する。地方振興の助成金の支給があるので、サイクリングを起爆剤と考えている地域は、サイクリングに関わるNPO法人の事業審査が甘くなっている、ダメだったら補助金が数年で切られたら止めればいい、というような団体が多いのだ。明らかな税金の無駄遣いだ。ではでは。