クマさんのバイク専科

あれから3ヶ月ぶっつけ本番のライド!

4箇所を骨折したライドから3ヶ月経ちました。3月15日にライドを再開することに決まり、朝から緊張しちゃっていました。寒暖の差が激しすぎて、何を用意して、どれを着て走ればいいのかも忘れてしまっていた。東京では何と雪降る中、気象庁から桜が咲いたと宣言が出る。というわけで一気に暖かくなるのかと思ったら、土曜日は冷たい雨だった。天気予報では、つくばは日曜日の朝から晴れるというのだが、朝、車を見るとガラスには氷が張っているし、ドアノブも凍っていてドアが開かない。強引に引っ張って運転席のドアを開いてセルモーターを回すが、いつもより元気がなく、それでもエンジンはかかってくれてホッとした。

 

とにかくデフロースターに切り替えてフロントガラスに吹き付けて氷を溶かして、クリンビューを吹き付けたウエスでクリーニングしてスタートした。気温計を見ると0度だった。ショップの駐車場に着いたが外に出てバイクを組み立てる気にもならない。ハイペロンの前輪は転倒した時に大きなキャットアイに乗り上げて、リム打ちパンクしていたベロフレックスのタイヤを、ひさしぶりにショップへ顔を出したが、折れた部分が痛くてタイヤを引っ張れなかったので、スッタッフのもりみちこさんに剥がしておいてもらったままだったので、土曜日の夜に新しいクリテリウムを張ってもらった。というドタバタで、ここ3ヶ月バイクには1mmも乗っていないし、ローラー台にすら乗れていない。

 

運動と言えば、肩関節のリハビリテーションで、筋肉テンコ盛りの美人トレーナーに補助してもらって、痛てててっ!と泣きそうな顔になる、ギリギリのところまで動かしてもらっているだけだった。脚の筋肉が落ちて弱り切っていたので、ウオーキングをやろうと思ったが、近所の道をモタモタ歩いただけで、寒くて三日坊主で終わり、スーパーのフロアをカートを杖代わりに引きずって1時間歩いたのが、唯一の運動で、このリハビリで、脚を強化する効果があるわけがない。それは重々わかっていたのだが、どんどん時間は経過してしまっていた。

 

とうとう3月15日、サンデーライドミーティングの日はやってきた。カートの支えがあってもよちよち歩きしかできないのに大関いちごまでのライドが始まった、よりによってこんな寒い日になるとは、思ってもいなかった。骨折した箇所はくっ付いているはずなのに、肩は思ったようには動いてくれない。しかも動かそうとすると、つっかえ棒が入っているみたいに違和感がある。ブラケットを握って走っていると、肩周辺の筋肉が張ってきた。10kmもすると肩と首の筋肉が硬直して痛くなってきた。後ろを振り向くこともできなくなってきた。3ヶ月のブランク恐るべし。

 

心肺機能も驚くほど低下していて、軽いギヤ比で平地をくるくる回すことしかできない。サイクルコンピュータによると時速18kmが精一杯の限界だ。上り坂に入るとリヤのエルゴパワーシフターのローギヤ側のレバーを内側へチャチャチャと押して、とっくにローギヤへ入ってしまっていて。それでも脚が重く感じて、ギヤ比が足りなくてレバーを押している自分に冷や汗をかきながら苦笑した。まるでビギナーライダーがするようなことをやりながら、上り坂をのらりくらりと蛇走りだ。傾斜がゆるくなるので何とか上ってはいるが、脚は乳酸だらけになって、全くいうことを聞かなくなって、右に左にハンドルを切るたびに、舗装道路をはみ出して、土手や雑木林へ危うく突っ込みそうになる。

 

その度におっとっととサーカスのような走りになってまた転ぶのかよ〜!とドキドキした。1mmも走っていない3ヶ月のブランクはやはり恐るべし。ライドのグループはサトイモさんにリードされて1kmほど先行していて、千代田のセブンイレブンで休憩していると電話が入った。梨畑の坂を上ったばかりで息切れしていました。心配なので待っているというのだが、5分も寒空の下で待たせるのは悪いので、先にいちご屋さんへ行ってもらった。「大関いちごのおばちゃんと、親父さんが、僕が自転車で来たことに驚いていた。「いらっしゃい大丈夫なの」というのが第一声だった。しかし、3ヶ月もバイクに乗っていないと、後ろから迫ってくる車のタイヤの音が怖くて仕方がない。

 

今の車はディーゼルエンジン車以外は、エンジン音よりタイヤの走行音の方が大きいことを改めて感じた。茨城県の道を選べば車の通行量は少ないが、自転車乗りを抜くときのマナーは最低で、道路の端を通る邪魔者と心得ているのは間違いない。そういうドライバーが多いというのが地元の警察官の見解だ。特にスポーツバイクはクラクションや幅寄せのターゲットになっているというのでみんなも注意して走ってください。対向車線に車が来ていないのに手を伸ばせば車のボディへ触れられるギリギリを通ったり、クラクションを鳴らした上に、追い越すと同時に左へハンドルを切って幅寄せしたりが、1日のライドに1回や2回は体験する。

 

自治体がサイクリングで町興し、県がサイクリングを振興している地域とはとても思えない最悪の「おもてなし」だ。茨城県は、車は少ないけど、一般公道の法廷速度の20kmや30kmの速度超過は当たり前、土浦学園線も、東西の大通りも、郊外の道も、80kmとか100kmで突っ走って、カーチェイスもどきで割り込みや追い抜きをかける車をちょいちょい見かける。車できているのを百も承知でアルコールを提供しているお店が今でもある、マナーや安全意識の低い地域なのだ。酔っ払いや酒気帯び運転も多く、酒気帯びがバレないように当て逃げも起こるし、飲酒のためにケガや物損の保険対応がしてもらえない事故も多いのだ。

 

土浦学園線なんか、高速道路じゃあるまいに、何と覆面パトカーが出て取り締まりして、あちこちで速度違反で捕まっている。クラクションを連続して鳴らしながら1車線の3m50cm幅のない道へ突っ込んで来て、ドアミラーを自転車乗りの肩にぶつけて、走り去ろうとした車とトラブルになったこともあった。そんな経験をしているだけに、車と接触すれば自転車乗りが傷つくので、注意をしてコース選びをしていても、ブラインドの交差点をアクセルをふかして通過したり。子供たちが大勢遊んでいる運動公園に隣接したブラインドコーナーで、スピードを落とさず、反対車線まではみ出して攻めて来て正面衝突しかねない走りをする人もいる。

 

久々の走りはビビりながら公道を走って、体が硬直して帰って来た。3ヶ月のブランクは大きいな〜と思った。その間に問題を抱えている左脚のクリートの設定に違和感が発生していて、クリートの着脱をスムーズにできなくなっていた。途中で取り付け角度を調整してみたがうまくいかず。今週の課題になった。実はとっても厄介なことに、キャチ&リリースをスムーズにいく角度へ調整すると、ペダリングした左脚の膝間接周りが痛くなるのだ。また、膝が痛くならず着脱がしやすい、両立するクリートの取り付け角度を探さなければ。結構時間がかかる憂鬱な作業なんだな。

 

トレーニングは嘘をつかないとか、裏切らないという、トップアスリートたちが言っていた言葉が身に染みた。なにせ1mmもバイクに乗っていないのだから、この結果は見えていたけど、3ヶ月のブランクは本当に大きかったな〜。自分の体が自分のものでは無いという感覚はこういうのを言うのだろう。骨折した部分4箇所が痛いのは仕方ないと思ってはいたけど、脚も体幹も、ちっとも踏ん張れないだけでなく、呼吸は酸素を取り入れられないし、筋肉の耐乳酸性の低さには愕然とした。骨折経験のあるライダー仲間たちからいっぱい励ましやアドバイスのメールをいただいたが、現実みがあって感動しました。わずか40kmのライドだったが、この40kmのライドは大きなインパクトがあったと感じている。勉強になりました。ちょっと痛いけどね。ではでは。