クマさんのバイク専科

10兆円のファンドが崩壊するの!

携帯電話屋さんだと思っていたら、本業は投資会社化していたソフトバンク、去年は2兆円の黒字を計上していた。しかし、今年はかつてない投資の失敗で、北米の投資した先は90社以上、次々に損失を出して明らかになっている。今期は1兆3000億円以上の赤字を計上している。だけど、実質的な損失はファンドの投資額が10兆円以上なので、その営業実態は、損失を補うために28兆円の中国のアリババの持株4兆円の資産売却を行なって補填しての結果という。それでも今までにない赤字というわけだ。どれだけの資産を失ったのだろう。

 

今更だけど、慎重に運営しますと言い始めているけど、現在のところ、ソフトバンクの今期は1兆3000億円以上の赤字で無配当は決定的だ。およそ、日本の物作りを代表するトップの自動車産業の1年分の純益の半分を失ったことに相当する。ソフトバンクのビジネスの大きさがわかる。北米での携帯ネットワークの買収失敗もあったし、要因はパンデミックなど色々あったにしろ、投資先の低迷も、孫さんは想定できたことで、回復させると言っている。

 

だけど、ベンチャー企業の買収が、必ず資産価値が上がって儲かる技法がほころびを見せたことは確かだ。株式を獲得してヘッドスタッフの人事とか会社の運営の方向性に影響ある立場になっても、企業には企業文化があって、得意分野の先頭を走っていたり、シェアを独占しているとしても、世の中のニーズが本当にそこへ向かっているのか。どの程度の人数がそこに取り込めるかの保証はない。ファンドマネージャーが読み間違えれば空振りで、思わぬ損失をうむ可能性がある。

 

だけど北米の主要な投資先の資産価値は半分とか5分の1とか、暴落とも言えるもので、業績の回復は主要な2社とも見通しはよろしくない。将来有望だと説明しているけど、資金提供先は業績の回復を待ってくれるだろうか。むしろ、今後も評価は下がり続けて、さらなる損失を発生させる可能性が大きいことが予測されている。ソフトバンク帝国崩壊のきっかけになりかねない読み間違えだ。

 

この1年の経営者責任を孫さんはどう取るのだろう。オイルマネーじゃぶじゃぶの中東系のファンドマネージャーはこの事態をどう受け止めるのだろう。一時的な些細な失敗と言えるのだろうか。それとも、投資会社化しているビジネスモデルの危うさや、投資先の見極めの甘さを指摘されないだろうか。無配の投資先をいつまでも支えてくれるだろうか。金の卵を産むアヒルは大事にされるだろうが、疑いを受けたらどうなるだろう。外資は、資本を引き上げるときはドラスティックだからな〜。

 

母体は携帯電話会社のイメージがあるソフトバンクだが、ファンドを作って投資会社としての事業に軸足を移して、今までは成功して来たわけだ。獲得している株の主要資産とは中国のアリババの持株だ。アリババの創始者も、ソフトバンクの役員に加わっていたが今年退任している。まさか、沈む船を察知して、いそいそと退船したのではという憶測が飛んでいる。そして投資ファンドの規模が10兆円と言われているが、ソフトバンクはお金を預かるファンドマネージャー的な色合いが強くなっている。

 

そのファンドマネージャーの成績が大幅に低下したのだから、お金を預けたファンドは、航路を迷ったり沈んだりの船や船長に、いつまでも一緒に乗っていてくれるかはわからない。経済規模が縮小気味で状況が良くないオイルマネーが資金を引き上げていけば、ワールドワイドを相手にビジネスをしているわけだが、ファンドとしての影響力が低下してしまう。

 

一部上場のアパレルのレナウンの倒産、世界に営業所のネットワークを持つレンタカー大手のハーツの民事再生法の申請。どうも世の中まさかということが起こっている。次に起こるのはブランドビジネスではないかな、ディズニーランドは長期の契約更新に成功しています。三菱商事がライセンス商売しているケンタッキーフライドチキンは、店舗のテコ入れを行なって、ブランドライセンスの継続契約を無事に更新しているが。

 

ライセンス契約の継続に失敗したハンバーガーチェーンのウエンディーズは、莫大なライセンス料の請求で決裂して、契約の打ち切りで閉店した元のフランチャイズのオーナーに声をかけているものの、信頼関係を失って、日本の店舗展開は全然復活して来ません。サンヨーがブランドバリューを築いたものの、バーバリーも同じ理由で契約の打ち切りとなって、ビジネスがうまくいかなくなっています。パンデミック後にまだ何かが変わるでしょうね。ではでは。