クマさんのバイク専科

24mm径シャフトの変換機能のあるハンガー小物

カンパニョーロもシマノも、チェーンホイールのハンガーシャフト径の規格は24mmです。カンパニョーロのウルトラトルクは、左右のクランクとチタン合金製の噛み合わせ式のハースジョイントにより接続する24mm径ハンガーシャフトです。右クランクと一体のハンガーシャフトのパワートルクも24mm軽ハンガーシャフトです。シマノは右クランクと一体になったホローテックⅡ構造で、スチール製の24mm径ハンガーシャフトで製造されています。

 

ライダーのパワーをロス無く伝えるには、両コンポーネントメーカーは24mm径のハンガーシャフトで十分という結論になったようです。カンパニョーロは30mm径のオーバーサイズハンガーシャフトのチェーンホイールにもチャレンジしましたが、現在はカタログ落ちしています。カーボンフレームのハンガーの規格は、完成車メーカーや台湾などのパーツメーカーが、ハンガーシャフトのアルミ合金化、フレームのハンガーの径をアップして剛性アップと軽量化の両立のために提唱した、ハンガーシャフトが30mm径のBB30、ハンガーからの音鳴り発生が頻繁に起こることが問題だったBB30に始まって、色々な規格が誕生しています。

 

改善が行われ、ハンガーシャフト径30mmに対応した、ハンガー幅を68mmから86mmに広げた、BB386など圧入式のハンガー小物は主要な規格が絞られてきています。BB386の圧入タイプや、左右のカップを締め合わせて固定する構造のハンガー小物が開発され、24mm径のハンガーシャフトのチェーンホイールとの変換アダプター的な機能を持ったモデルもラインナップされて、音鳴り防止効果や、回転性能や耐久性向上が期待されて採用されるようになっています。

 

カンパニョーロは自社製でイタリアンやBSC&JIS規格のスレッドタイプの他、各種の圧入タイプのハンガー小物を用意していますが、シマノは主にイタリアンとBSC&JIS 規格のスレッドタイプで、圧入タイプのハンガー小物のラインナップがほとんど製造されていません。シマノのチェーンホイールを使いたい場合、台湾製のサードパーティやスギノテクノの24mm径のハンガーシャフトの変換アダプター的な機能を持つ、圧入式のハンガー小物や、ハンガーに通して左右のカップをねじ込んでしっかり固定する構造のハンガーセットと組み合わせる事になります。

 

台湾メーカーの製造するハンガー小物のラインナップは凄いです。ほとんどのハンガー規格の小物が用意されています。圧入タイプのハンガー小物でガタや異音が発生しにくいように、左右のカップの先端にねじが切られ、締め合わせてしっかり固定できる構造のモデルが人気になっています。シマノのチェーンホイールはクランクやアームの剛性が高く、チェーンリングの剛性も高く、コンピュータ設計されたチェーン移りのスムーズな歯先形状や、アウターチェーンリングのスロープやスパイクピンなどの採用で、フロントの圧倒的な変速のスムーズさを実現しているので、採用するライダーが多いので、ハンガー小物選びは今後も課題になります。

 

セラミックボールベアリング採用モデル、高性能の鋼球ベアリングのモデルなどが用意されているので、クランクの回転抵抗を軽減する事も可能になります。ハンガー小物の寿命の目安は、モデルによって大きく違い、5000kmから2万kmくらいです。カップ&コーンベアリングとちがい、シールドべリングやカートリッジ式のベアリングは、球当たり調整機能がないので、音鳴りが始まったら交換時期と言えるでしょう。交換する時は、フレームのハンガーの規格、チェーンホイールとの互換性、回転部分の耐久性、ボールベアリングの材質、音鳴りの可能性、回転抵抗など、ショップのスタッフに相談して最適なモデルを選びましょう。ではでは。