クマさんのバイク専科

EU離脱でトヨタのイギリス生産車がなくなるのか?

ユーロからのイギリス(ユナイテッドキングダム)の離脱の時期が迫っています。イギリスと言っても県とか州とかの集合体の連邦や国ではなく、実際には5つの小さな国の集まりのようなもので国民の思いはかなり複雑です。ラグビーの国内リーグのネーミングがなにせ「5カ国対抗」ですからね。EU圏とはドーバー海峡を隔ててフランスと隣り合わせで、鉄道の海底トンネルでフランスや大陸とつながっていますから、離脱したとしても、物流も人的な交流もあるので影響がないわけはありません。EU圏との貿易関税などの見直しなど、今後も利権が絡んでいるだけに、EU運営の供託金の未払い分の支払い方法はほぼ決まったようですが、EU離脱の交渉もけっこう難航しているみたいです。一部未解決なまま見切り発車するという噂も聞こえてきます。

 

イギリスに設立されてEU圏に車を供給していたトヨタの工場は、2018年以降もカローラのステーションワゴンスポーツを生産して、EU圏や日本に供給するそうです。ホンダもシビックを生産していますね。EU離脱後の貿易の条件の変化が確定すれば、いよいよ、日本の自動車メーカーのイギリス工場の存在価値も問われることになります。イギリスはEU加盟後も、もともと共通通貨のユーロでなく、誇り高いポンドで経済を運営していたので、経済が堅実なドイツやフランス主導のEU議会の方向性や規制に嫌気がさしたのでしょうか。イギリスは金融の拠点として好調で、EUを離脱してもやっていけると踏んでいるのでしょう。

 

EU圏にも自動車産業はあって、フィアットグループ、BMWグループ、ベンツグループ、ボルボ、サーブビゲン、ラダグループ、ルノー、シトロエン、プジョーなどのフランスのグループもあり、自国産業を守るために関税だけでなく、極端な輸入量制限をかけている国もありました。その制限をかいくぐる方策の1つがEU 圏での生産工場の設立と、現地雇用とEU圏での部品調達割合でした。日本の自動車メーカーは生産拠点をイギリスに置いて、EU圏への出荷数量を規制する輸出制限をクリアしたり、製品への関税を有利にするために、EU圏内に製造拠点を設けていました。

 

イギリスのトヨタにはデベロップ&リサーチ能力がある部門が作られて、EU圏でのニーズを吸い上げて車作りに反映されています。ヨーロッパチューンドサスペンションと呼ばれる独特の足回りの構築、エンジンやモーターの形式、排気量やターボチャージャの有無、パワーの設定、駆動方式、内装のグレード、乗車人数や荷室や車体の大きさや高さなどのパッケージングをヨーロッパで行い、トヨタのカローラの遺伝子が加わったスポーツモデルの生産が行われることになりました。車格はともかく、パッケージングで言えばアウディ、メルセデス、BMW、ワーゲン、フィアット、アルファロメオなどのステーションワゴンと同じです。そうです、日本に輸入されているステーションワゴンは、300万円から600万円の、それらのメーカーのゴージャスな上級モデルばかりで、タクシーに導入されるモデルのクラスとか、廉価版のシンプルモデルやディーゼル車は正規ルートではほとんど輸入されていません。

 

カローラスポーツの価格は150万円から300万円止まりで、トヨタの衝突回避ブレーキシステム、ドライバー支援システム、ハイブリッド化などが盛り込まれて、EU圏の人々にとって手の届く車でドライバーフレンドリーでインパクトのあるもので、生活に密着したモデルになって生き残りを図ると思います。1車種で年間10万台の販売を目標に設立された工場です。EU圏のニーズをピックアップして、ユーロ圏向けの車を開発設計して来たトヨタのヨーロッパチームと、生産工場をイギリスの車産業の中心地で運営してきたわけです。そこで開発設計されて10年以上量産されたのがアヴェンシスです。カルディナワゴンのパッケージングの流れを汲むのがアヴェンシスのステーションワゴンです。

 

日本の5ナンバーに相当するサイズで、イギリスからの逆輸入車として、セダンとステーションワゴンの基本2モデルで輸入され、日本での登録はトヨタではなく、TMUK(トヨタマニファクチャリングユナイテッドキングダム)で逆輸入車なので3ナンバーとなります。初代のアヴェンシスのワゴンの2000CCのフルタイム4WDをヨーロッパでレンタカーとして乗って、足回りの良さと静粛性に感激して、日本で中期型を手に入れて24万キロ乗ってエンジンノイズが増して廃車になりました。現在は初代アヴェンシスワゴンの後期型で6万500km乗っています。

 

ユーロ向けのアヴェンシスでは、2000CCの直噴のガソリン、2400CCのプレミアムガソリン、ディーゼルターボエンジンのパワーユニットが設定されていて、ユーロ出荷分のアヴェンシスの半分が燃費のいいディーゼル仕様だったようです。大陸を車でロングドライブするヨーロッパらしいな〜。4WDの設定は2000CCのみで、2代目のアヴェンシスまで設定されていました。2000CCでは車重の割に非力でアンダーパワーを感じていたので、2400CCプレミアムガソリン仕様にも試乗しましたが、前後ディスクブブレーキでもチープだし、やはり雨や雪のフィールドを走るには4WDが必要と感じて購入を断念しました。

 

3代目もエアバッグ装備など、ユーロの安全基準を高評価でクリアして、ワゴンのデザインはそこそこ踏襲されましたが、支援ブレーキやパドルシフト、ラグジュアリーなシートや内装などが施され、FF仕様のみでリリースされて、アヴェンシスのイギリスでの生産は2018年で停止しました。2代目までのアヴェンシス、逆輸入バージョンはサスペンションの設定が、日本向けにアレンジされてマイルドになっていたそうです。3代目のアヴェンシスはいろいろな事情で、モデルが整理されて、ヨーロッパチューンドサスペンションがそのままに輸入されているそうなので、ヨーロッパで乗ったそのままの感覚を日本で味わえることになります。FF車でもいいから次は3代目のアヴェンシスに乗ってみたくなりました。

 

カローラスプリンターカリブ、マーク2ワゴン、カルディナワゴンなどが使い勝手がいいと選んで乗り継いでいます、パッケージ的に後継車とも言えるアヴェンシスを2台乗り継いでいるわけです。2年から4年いまのに乗って廃車になったら、絶滅寸前の程度のいい3代目アヴェンシスを探してみようかな。でも、トヨタの定番モデルのカローラに設定されているイギリス生産のスポーツワゴンも気になります。アイサイト装備とか人気のスバルのステーションワゴンに興味がわかないのは何故なんだろう。不正を指摘されてリコールして以降も、不正を続けていたというスバルのコンプライアンス問題もちょっと影響していると思います。

 

レガシイはパッケージ的には問題はありません。いろいろなグレードのモデルを試乗もしました。高級乗用車のような静粛で段差をマイルドにするというようなことは求めていないけど、フルタイム4駆で車重があってもバタバタしている挙動が嫌で、それほど足回りの良さは進化していない感じがしたからかな。ホンダやマツダのFF車の方が、遮音性が追求されていて、格段に乗り味は進化していると感じています。乗用車に比べると乗り味が硬くて疲れを感じるけど、1日に1000kmを越えるドライブはもうしないので、室内空間が大きく、屋根の高い、七人乗りのエスティマも2台乗り継いだ経験から、いいかなと思っています。車の中の後部シートをフルフラット化して体を休めることができるし、機材を室内に収納できますからね。ハイブリッド車より、2400CCか3000CCのガソリン車がいいな。

 

5ナンバーサイズの荷室もそこそこ確保されたステーションワゴンは大抵5人乗りで、日本では絶滅危惧種になっています。フルタイム4WDのアーバンSUVが人気で、ファミリーカーとしては七人乗りのスライドドアのワゴンやワンボックスが注目されています。自転車乗りのクルマ選びはバイクの収納を考えて選ぶでしょう。ワーゲンパサートやBMWやメルセデスのステーションワゴンもあるけど、輸入車も国産車も整備している自動車整備工場のメカニックの話しを聞くと、10万kmとか20万kmなど長く乗りたいなら、やっぱりトヨタと日産などの日本車の作りがいいよ、という言葉を信じています。

 

ルノー、プジョー、シトロエン、ランチア、ファット、メルセデス、アウディ、ワーゲン、ボルボなどに乗っていましたが、初期性能はとてもいい車もあったけど、乗り潰すつもりで乗っていると、5万kmから7万kmくらい以降で思い当たることがいっぱいありました。日本車は何台も20万km以上走って廃車している経験から、なるほどと思っています。日本車のステーションワゴンは設定が少なくなって選択肢が狭なくなっています。ステーションワゴンはルーフキャリヤへのバイクの積載も楽で、そこそこのサポート機材を荷室に積めて、狭い山道のバイクのチェイスにも最適です。仕事車とはいえ、車選びの基準はライドのサポートのことしか考えていないな〜。ではでは。