クマさんのバイク専科

グラベルロードのフォルムにワクワクしちゃう!

オンロードからアップローチして、オフロードまでを走破できるロードバイクグラベルロードが提案されています。ホイール径は700Cで太さは28m mから35mmくらいで、エアボリュームを持たせることでオフロードの走破性やショック吸収性能を高めたものを採用しています。フロントフォークもシートステーもフレームはリジッドです。MTB が流行り始めるずっと前、シクロクロスバイクとオンロードバイクのハイブリッドの「クロスオーバーバイク」という新ジャンルを雑誌で提案したことがあります。当時のオフロードの主流はランドナーとかパスハンターという650Bホイールのフランス車でした。

 

クロスオーバーバイクはオンロードもアプローチで快適に走って、オフロードもこなせるマルチパーパスなバイクです。ラグレスのスチールフレームのスケルトンの設計から始まりました。オフロードの斜面での乗り降りや着地性を重視して、コンパクトなサイズでフレームはトップチューブが低い位置にあるスローピング形状でオーダーしました。フロントセンターを長め、チェーンステーも長めの安定設計で、オフロードでのドロ詰まりを起こしにくい、ホイールとのクリアランスも配慮したスケルトンに決定しました。

 

ホイールはシクロクロス車の快適な走りを取り入れたいと700Cで、30Cから35Cの少し太めの700Cタイヤをセットしたかったのですが、その頃にはそういうクリンチャータイヤのサイズが存在していませんでしたから、オフロードでスムーズに走れ、オンロードをゴツゴツ感なく走れるシクロクロスタイヤのコンチネンタルのTプロフィールを採用しました。700Cの23mmや25mmタイヤも試しましたが、アルミ合金製のクリンチャー対応リムの剛性不足や強度不足が、オフロード走りでポテチになったり、リムの振れが出やすかったりで弱さを露呈しました。

 

石畳を走るパリールーベ用の28mmの太さのチューブラータイヤの採用も考えられたのですが、エアボリュームが大きくショック吸収性はかなり魅力的でしたが、トレッドゴムのパターンがオンロード向きのものばかりで、オフロードでのグリップが今ひとつでしたからTプロフィールへ戻しました。僕はスポーツバイクの入り口が自分で組み上げた650・42Bタイヤのランドナーでした。ニューサイクリングに出てくるような、ルネルスコピーのランドナーやスポルティーフのフォルムはカッコいいと思いましたが、実際にハードに野山を走っているうちに、泥除けが路面や岩に接触したり、ドロ詰まりして邪魔だと外し、タイヤがふかふかで太すぎるしで、オンロードとオフロードを走る中でバイクのフォルムがどんどん実用的に変わりました。途中でアルミ合金製の泥除けを取り外してゴミ箱へ捨てて走ったり、雪山でタイヤとフレームの間に雪や泥が詰まって動けなくなったりを経験して、フレームとタイヤのクリアランスなどは試行錯誤の連続でした。

 

マファックのタンデム用のカンチブレーキ装備の、30mm以上の太いタイヤをセットできる、フロントフォーク、チェーンステーやシートステーとのクリアランスの大きいランドナーのフレームに、650・32mmのウオルバーのスーパーランドナーのホイール装備のフラットバーのバイクで、奥武蔵や信州の林道やオフロードの峠道を探してシクロクロスバイクのように走っていた経験がありました。フラットバーにはバンド止めのパワーシフターを手元シフトレバー的に付けて、ハンドルから手を離さないで変速できました。今考えればリジッドな時代のMTB のような形状でした。

 

どんどん進化していく前後サスのCXMTB は、そういう意味ではオフロード走りの理想形でしたが、家から走り出したいので舗装路でのアプローチで走行感の重さが気になりました。キャノンデールのバッドボーイのタイヤをマルチパーパスタイヤに変えて、ハンドルをドロップハンドルに載せ替えてオン&オフ専用車にした時期もありました。リッチーのシクロクロスモデルをベースにオン&オフバイクへ仕立てたこともあります。最近のロードバイクショップを見ると、シクロクロスやマウンテンのフリーライドに注力しているショップに登場しているのがグラベルロードです。オフロード走りが大好きな僕としては大変魅力的なスペックを持つバイクです。

 

700Cの28mmから35mmの軽量で太いタイヤ、天候でブレーキングの変化が少ない油圧のディスクブレーキ、超ワイド化に対応して変速システム、タイヤクリアランスが大きい軽量なカーボンフレーム、リジッドのカーボンフォークなどの仕様で、オン&オフを快適に走る新ジャンルのバイクです。サドルバッグやフロントバッグ装備、強力な充電式のLEDライト装備で夜間走行にも対応できるマルチパーパスのニッチなライドをできる、旅するスポーツバイクです。余分なものを切り捨てた潔さが魅力的です。ただし、グラベルロードが流行るかと言えば、日本のオン&オフのフィールドの状況を考えると、生き残るのが難しいジャンルだなと思います。アーバンユースは別にして、CX、フリーライド系のMTBの生き残りにしても、日本のフィールドの状況は環境保護やハイカーやトレイルランとの住み分けが必要で、かなり限定的ですから復活はあるのかな?。ではでは.