クマさんのバイク専科

そろそろチェーンを洗浄して注油しなくちゃ!

11段のレコードチェーンは交換して1ヶ月半くらいですが、チェーンを洗浄して注油したのはいつだったかな〜。きっとチェーンの動きは重くなっていることでしょう。もうそろそろマジカルミステリーツアーで800km以上走っているはず。チェーンの表面に真っ黒な油汚れがつき始めていて、車からのバイクの積み下ろしでバイクウエアを汚してしまいました。チェーンはスプロケットの歯先にかかる部分と、変速機の上下のプーリーとからむ部分で曲がるので、チェーンの動きが重いとかなりの抵抗になります。ワコーズのメカニックの話では10ワット近くロスするそうです、脚で感じる差ですね。

 

だから、徹底して油汚れを落とすことからチェーンへの注油の作業が始まります。ケミカルで油汚れを落とす時に車輪が汚れないよう、バイクから前後輪を外し、リヤエンドに取り付けるチェーンを張るプーリーをセットします。これでクランクを回してチェーンを動かしながらケミカルをスプレーして油汚れを溶かして洗い流すことができます。ブレーキパーツクリーナーは多めに使いますが作業そのものはスピーディーで手軽に作業できます。後輪のフリーのスプロケットも油汚れが付いているので、ワコーズのブレーキパーツクリーナーやBC-8というケミカルを吹きかけて油汚れを溶かし、もう一度スプレーして洗い流します。汚れが飛び散ってタイヤやリムに付かないように、スプロケットの周りをウエスで囲んで作業します。

 

クランクをゆっくり回してウエスでドライブするチェーンをふいてみて、汚れがつかなくなるまでブレーキパーツクリーナーを何度かスプレーして、チェーンのアウターリンクとインナーリンク、リンクとリンクピンなど、中に潜んでいる油汚れを徹底して落として洗浄は終了です。ホコリ、砂、土、チェーンやスプロケットのスチールや、チェーンリングのアルミの粉、油が混ざったペースト状のものがチェーンの油汚れです。どう考えてもチェーンに付着していればいいわけはなく、チェーンの動きの抵抗になるばかりでなく、チェーンやスプロケットやチェーンリングを消耗させます。

 

まず、この研磨剤のような油汚れを徹底的に落とすことが肝心です。でも注意しなければいけないのは、ブレーキパーツクリーナーの洗浄力の強力さです。リヤ変速機のプーリーブッシュ、フロント変速機のパンタグラフ部分の油も洗い流してしまうこともあります。チェーンディグリーザーのような洗浄専用のケミカルも利用すると油汚れ落としに効果的なようです。その場合もチェーンやスプロケットだけでなく、パーツの摺動部や回転部のオイルやグリスを洗い流すことがあるので、洗浄後の潤滑を確保するために、注油のポイントをしっかり把握しておく必要があります。

 

チェーンの油汚れ落としにはいくつかの方法があります。チェーンディグリーザーなどの洗浄液を入れた器具にチェーンを通して、ブラッシングする器具を使った洗浄方法。チェーンディグリーザーを吹きかけて水で洗い落とす方法。油汚れに強いバスマジックリンなどの洗剤をチェーンにスプレーして揉んでから水で洗い流すなどの方法です。洗浄した液をふき取って乾いてから注油するのが基本的なやり方ですが、水による洗浄でサビを心配な人は、金属表面に付いている水とオイルが入れ替わる、水置換性のある、ワコーズのメンテルーブやラスペネをスプレーしておけば、サビを防ぎ、潤滑も確保できます。雨の中を走ったり、水洗いした時にスプレーしておくと有効です。

 

ブレーキパーツクリーナーや水などの洗浄液が乾いてからの注油なら、ボクはホルメンコーレのルーべエクストリームをチェーンに垂らして、チェーンを1分間くらいドライブして、チェーン、スプロケット、チェーンリング、プーリーの回転部などのきれいになった金属表面に、潤滑樹脂の混ざったオイルをなじませて、金属表面に樹脂をコーティングして抵抗を減らしています。ルーべエクストリームの潤滑樹脂の金属表面をおおうナノコーティングによる潤滑は、オイルが残るセミウエット状態でキープされて抵抗が小さくなるだけでなく、チェーンのドライブ音も低下します。ドライコンディションを走った経験では、潤滑状態は800kmくらいまで有効で、メンテルーブより1、5倍から2倍潤滑状態が継続します。

 

置いておいたルーべエクストリームは、容器の中で白い潤滑樹脂とオイルが分離していて、よく振って乳白色の粘度の高い液体状にしてからチェーンに1滴ずつ垂らす感じで塗りつけます。容器のノズルが詰まりやすいので、太い部分でカットしておくか、ノズルの穴を千枚通しの先端などで広げて使っています。通常はショップで手に入りやすいブレーキパーツクリーナーで油汚れをい洗浄して、金属表面をクリーニングしてから塗っていますが、ホルメンコーレの純正のクリーナーも用意されていて効果滴です。潤滑樹脂を金属表面にくまなく広げてコーティングして潤滑面を構成するかが、この潤滑剤のポイントです。

 

チェーンを洗浄して注油するとチェーンの抵抗が減ったことを体感できます。変速もスムーズになる気がします。注油は必ずチェーンを洗浄してからにしてください。そして、リムやタイヤやブレーキパッド、ディスクローターやブレーキパッドにオイルがつかないように注油しましょう。もし油が付いてしまったら、リムやタイヤやブレーキパッドはブレーキパーツクリーナをたっぷり染み込ませて油をふき取ります。ディスクローターもブレーキパーツクリーナーを染み込ませたウエスでふき取ります。ディスクブレーキのパッドは、分解してブレーキパーツクリーナーで洗い流します。影響が残る場合はブレーキパッド交換となりますから作業は注意してください。ではでは。