クマさんのバイク専科

レアルと鹿島アントラーズとの差は大きいな〜!

リアルタイムでクラブワールドカップの試合の放映を担当するテレビ局は、もしかしたら明日の深夜の試合は、鹿島アントラーズがレアルマドリードにリベンジするかも的な煽り方で、番宣を繰り返していました。心の中ではまさかとか、どこまで対応できるのかなという期待もありました。サッカーはやってみないとわからないからな、ということで、深夜に体力的にきついけど、紅茶を飲んでライブで試合を見ることにしました。

 

ティバッグ4個を煮出した紅茶にミルクをたっぷり注いだのを飲んで目を覚まし、テレビをつけると、レアルは絶不調なのか、直前までの厳しい試合スケジュールのせいなのか、鹿島アントラーズを舐めているのか、クラブW杯の試合の立ち上がり、スロースターターで知られていますが、白い巨人と言われるレアルの動きが精彩を欠いていました。前半、好調なはずの鹿島アントラーズは、レアルがボールを奪いに来ないので、フリーな瞬間がいくつもありましたが、それでも攻めあぐねていました。

 

外から見ていると緩慢な動きに見えるレアルの選手たちでしたが、ピッチ上で向かい合うと特別な威圧感があって、同じピッチで向かい合った鹿島アントラーズの選手たちは、蛇に睨まれたカエルのような、魔法にかけられてしまっていたのでしょうか、そうとしか思えない切れ味のない、ゴールを決めるという気迫が微塵もない両チームのスタートでした。解説の岡ちゃんもこの目の前の展開に憤っていたし、解説の城も歯切れの悪いコメントをしていました。鹿島のスーパーバイザーに復帰したジーコさんも、攻めの姿勢を見せない鹿島のスターティングメンバーの姿に、スタンドで手を上げて憤慨していました。

 

25分を過ぎたあたりからレアルのパススピードや質が変化してきました。始まったと思いました。動きのスピードもギヤが明らかに上がりました。まさか、それまでがピッチ上でウオーミングアップでもしていたような感じでした。岡ちゃんは、ここまで無失点でそこそこ攻めていて、平穏に試合をできていたから大丈夫という鹿島アントラーズは、レアルの死んだふり作戦のペースにはまっていると鋭い解説をしています。前半の終了間際にレアルが1点、後半は開始早々に2点、全てはマークしていた一人の選手にやられました。

 

ハットトリックとなる選手を、ピッチ上の司令塔のベンゼマ選手がバイタルエリアへ上がらせて、怪我からあ復帰したばかりだけど、調子がよくて決められる選手へボールを徹底的に供給することを実行し始めました。それがレアルの立て直しを請け負った監督とベンゼマ選手のこの試合を勝つための選択肢でした。どんどんパスのスピードや精度が上がり、鹿島のディフェンダーを軽々と振り切って、枠に危険なボールが飛んでいき、ネットを揺らして当然の結果が出たわけです。

 

1点目が入ってからの11分間での3対0、2点目が入るまではよく堪えていましたが、2点目が入ってがっくりきたのか、キーパーへの曖昧なバックパスをすかさずインターセプトされての3点目、これでこの試合の実質的なジエンド、これがスペインのトップチームの実力でした。後半に鹿島アントラーズは1点返しましたが、まだ2点差、試合運びを心得ているレアルが無理をして攻める必要がないと意思統一すれば、安全あエリアで正確なパスのボール回しで時間を消費し始めたら、どう突っかかってもボールを奪えるものではありません。もし奪えて、前がかりで攻め上がれば鹿島のディフェンスのバランスが崩れます。

 

レアルはカウンターの罠を仕掛けて、攻め上がってきた鹿島のボールをパスカットして、カウンターアタックを仕掛けて大量点をとると思いましたが、守備の崩れを心配してか、鋭いアタックを全く仕掛けません。じわじわと上がってくることもなく、外周りでパス回しで鹿島アントラーズの攻める時間をガリガリと削り落として、決勝戦への道を確実なものにして、ヨーロッパ王者としては当然とも言える実力通りの勝利を獲得していました。

 

鹿島アントラーズの選手の年俸をかき集めても、レアルの2選手にかなわないほどの差があるアジアチャンピオンと、ヨーロッパチャンピオンチームの対戦でしたが、クラブチームとしての力の差も年俸の差と同じように開いていました。鹿島アントラーズの選手はアジアのクラブチームの戦いを確かに制しました。戦前、クラブW杯を優勝することが目標と言ってい流選手もいましたが、どこまで本音だったんでしょう。レアルとの試合を前に、勇気を振り絞るための景気付けだったのでしょうか。でも現実は完敗です。

 

どうすればこの差が埋まるのか、逆転できるのでしょうか。ジダンが監督を勇退して、次の監督は4ヶ月で解任、今の監督で最近のレアルはスペインリーグで9勝2敗で面目を保っています。でも、この各国のスーパスターをかき集めたようなチームに勝てるチームが、スペインリーグには2つもあるのです。クラブチームの地域代表で争うクラブチームW杯の存在意義にも、この地域によるレベルの差は関わることです。

 

世界180カ国に配信されているメジャーなスポーツコンテンツですが、クラブチームにとってこの大会がどれほどの価値なのか考えさせられます。各国の国内リーグの試合スケジュールや、地域のチャンピオンズリーグのスケジュールで過密になっているはずです。どちらのリーグもステイタスが確立されていて、ファン獲得にも、資金調達のためにもクラブチームにとっては重要です。試合数をこなすために、1軍を2セット持つと言われるビッグクラブでも、クラブチームW杯へ向けてリコンディショニングできないで参加しているとしか思えません。

 

地域のチャンピオンだけが出場できる今の大会でいいのか、地域のサッカーのレベルに対応して、本当に強いクラブチームが複数ピックアップされる地区が設定され、コンディション的にもゆとりを持たせて、真のクラブチームのチャンピオンが決まるというのが見たいな〜。このサッカーの大会を見ていて、宇都宮で開催されているジャパンカップもシーズン最終盤のロードレースで、というよりヨーロッパをメインに走っている選手はすでにスイッチを切っている時期で、コンディションを合わせて来日している選手は何人いるのだろう。

 

日本人選手や日本のチームが地元開催というのでコンディションを整えて、レース後半には逃がせてもらって、先頭グループを走って日本のファンを沸かせるし、プロのロードレースらしく、予定通りにフィニッシュ前にトップ集団が吸収されて、手前のストレートの平坦コースまで日本人選手が生き残り、上り坂のフィニッシュのスプリントで上位に入ったりはするけど、ここそばらく優勝という結果を出せていないのはどういうことなのだろう。

 

参加しているプロチームの選定基準はどうなっているのだろう。ヨーロッパのプロチームと契約していて、チームが招待されていない日本人選手は、日本のプロナショナルチームみたいな資格で参戦している場合もあります。でも、所属チームを呼べば少しはサポートしてもらえて、今年は骨折2回とついていなかったけど、今一番日本人で走れているメリダ所属の選手が何かを起こしてくれるかもしれません。地元開催の2020年のオリンピックまで頑張って欲しいな。ではでは。