クマさんのバイク専科

170mmクランクの長さが気になる!パート1

郵便局の配達の人が使っていた自転車があります。一般的に170mmなのですが、そのバイクのクランクは175mmで、フロントシングルギヤ、後輪シングルフリーがセットされ、44×17Tなど、ギヤ比は軽めが設定されています。外装も内装も変速機の装備はありません。もちろんこの自転車で丘などの上り坂も走ります。

 

ギヤ比は軽めなのですが、平坦コースで時速15kmから時速20kmで想定されています。上り坂は6%くらいが上りの乗って上れる限界に想定されています。郵便局仕様のバイクのクランクは長さは、昔から175mmの長いモデルになっています。上り坂を配慮した長さです。

 

平地のケイデンスはどのくらいを想定しているのか、心拍数が急上昇してドキドキしたり、呼吸数が上昇してハアハア苦しく感じて、心肺機能的な負荷がかからないように、毎分55回転から70回転の設定ではないでしょうか。人間の歩く速度が5kmから6kmですから、郵便自転車なら、だいたい3倍から4倍の速度で移動できます。

 

徒歩の郵便配達より広いエリアをカバーすることができます。緩い上り坂は長めのクランクを踏み込んでペダリングして上ります。サドルに腰を付けたシッティングで踏む力が足りなくなれば、長いクランクのテコの原理を生かして、体重を1踏み1踏みにかけるダンシングで上ります。毎分55回転から70回転のスポーツバイクより低いケイデンスで、短時間だから低回転の高出力で走れるのです。

 

いつからだったかカンパニョーロのクランクから167、5mmのくランクが無くなりました。それまでは180mmから165mmまで2、5mm刻みで用意されていました。シマノはデュラエースのみ、2、5mm刻みのラインナップを守っています。昔はロードもピストも乗っていましたが、ロードは170mmか167、5mmで、1000m、400m速度競争、4000m速度競争、ポイントレースなどを走ったピストは165mmでした。

 

ツーリングを始めた頃のクランクの長さは、170mmに始まり、172、5mm、最長はTAのスリーアームで175mmまで使っていました。自転車競技から入ったのではないので、クランクを回すというイメージはなく、ラグビーの8時間練習と筋トレで鍛えた体で、踏み踏みのペダリングをしていたと思います。信州の峠道を1日に16時間、300kmオーバーとか走っていました。

 

26歳のときに高校3年生の時の1000mのタイムにチャレンジしようと、かなり筋トレと耐乳酸トレーニングをしてトライしました。ピストは165mmが基本で、トップコンディションの時に167、5mmと170mmを使ってみましたが、1000mタイムトライアルのベストタイムは165mmクランクで出ました。

 

やっぱり短いクランクは回転しやすさが抜群で、イメージ通りに踏む位置がやってきて、当時サンツアーの選手だった山崎さんにアドバイスを受けて、48×15Tの軽めのギヤ比で、最高ケイデンスは130回転を越えていた記憶があり、西武園競輪場で1分10秒を切り、短いクランクは短時間でパワーを発揮するピスト競技でスピードとパワーの源という感じでした。

 

165mm、167、5mm、170mmのカンパニョーロのピストクランクを用意して、コッタレスクランクを交換して、400mバンクで1000mと4000mを走ってみました。1000mはやはり165mmがベストで、やはりスタンディングスタートでは固定ギヤなので、ダンシングで体重を加えて踏み踏みで最初の20回転くらいでギューンと加速して、トップスピードに乗せてからの回しやすさが圧倒的でした。

 

調子のいい時は、踏み込むという動作を考えることもなく、自然に、「回したー、回りきった」という実感があり。丹下のナンバー2やコロンブスのPLの厚い肉厚のチューブで組まれているのに、後半は脚が疲れてきて動きにくくなって、ペダリングが乱れてきて、ハンガーのウイップを感じながら、少し踏みが入りつつも回しきるとゴールというイメージでした。

 

4000mは、165mm、167、5mm、170mmもほとんど同じタイムでした。しかしペダリングのフィーリングはまるで違っていました。よく回ったー、脚の力を出しきったー、と感じたのはやはり165mmクランクだけでした。クランクが2、5m長くなると、なかなか上死点を越えて踏む位置がこないという感じで、5mmも長くなると、もう踏むタイミングを待ちきれなくて、自分の中ではペダリングがめちゃめちゃと感じながらの走りになって、パワーは出たけど力んでしまって走り終わると超疲れました。

 

クランクが長くなって重いギヤ比を踏めるようになると思いましたが、全くそんな感じはありません。こんなにペダリングのフィーリングが最悪で、上死点や下死点で脚の動きがギクシャクして、踏み踏みになっていたのに、167、5mmも170mmもほぼ同タイムなことの方にむしろ驚きました。

 

カンパニョーロユーザーで、カーボンクランクに170mm以下のクランクが無くなり、後で165mmクランクが登場しますが、ロードでは165mmは短い感じなので、今使っているバイクは全て170mmのクランクをセットしています。バイクを換えたときにペダリングのフィーリングが変わるのは嫌ですから。

 

ところが、昔使っていたカンパニョーロの167、5mmのクランクのセットされたバイクをレストアして走ってみると、ペダリングフィーリングがいい感じなのです。回したり踏んだりがバランスして、ちょうどいい感じです。特に前のライダーやカーペーサードなどへ、ドラフティング走行してクルクル回して走る時にいい感じで付いて行けます。

 

カンパニョーロのカーボン4アームクランクを、変速性能が向上して気に入っているのですが。170mm以下の長さが発売されません。チェーンホイールだけ旧型のデュラエースの5アームの167、5mmにしようかな。それとも4アームのデュラエースの167、5mmにしようかな。パート2へ続く、ではでは。