クマさんのバイク専科

Nディレクター久ぶりに一緒に走りましょう!

 

忌野清志郎さんの10日間の東北のライドをドキュメンタリー風に追いかけた、不思議なテレビ番組を企画制作したNディレクター、最初のロードバイクはデローザのカーボンバイクでした。新葛飾橋をスタートして、奥の細道の番組の冒頭にロードバイクの転倒シーンが登場しますが、その人がデローザに乗ったN さんです。番組のタイトルはツールド奥の細道だったかな〜、俳人(忍者・スパイの噂もある)の松尾芭蕉が東北地方を放浪旅した道筋をたどると言うものでした。「忍者」とか、清志郎さんが好きそうなワードです。旅の途中で、清志郎さんが50歳でロードバイクを始めたきっかけになった人を訪問するシーンも登場します。

 

それは、ある小さな新聞記事を読んだことがきっかけでした。老人のマタギが東北電力に務めていた息子が、送電線の点検中になだれにあって遭難したのを、雪山に捜索に行って息子さんを救い出してきたと言うものでした。50歳になっても体力を維持して、息子がいざと言う時に救いに行ける、自分もそうでありたいと思ったそうです。そこでロードバイクをオーダーして、体力を付けようと走り始めたら、自分の力でどんどん前に進んで、どこまでも行けてしまいそうで、それが面白かったそうです。

 

それでロードバイクにはまってしまったのです。きれいな景色の中を走りたいというより、自分の力で走ることが楽しいので、クルマが多い街道でも走ることが楽しいと言っていました。スチールやカーボンの何台かのロードバイクを乗り継いで、体へのダメージがないしなやかで軽く、どこまでも快適に走り続けられるフレームが欲しいと思ったそうで、フレームビルダーの松永一治氏が作るカーボン&クロモリラグの接着フレームのオーダーにたどり付きます。7本カーボンフレームと、タイムのカーボンフロントフォークとの組み合せで、カンパニョーロのレコードコンポで、清志郎さんのオレンジ1号は組まれています。

 

ちなみに松永店長と森みちこさんも、この番組の日光へ向かって清志郎さんと走るシーンに登場しています。ボクはこの番組の裏方として、ルーフキャリヤを取り付けたサポートカーを運転して、清志郎さんの体調の管理とバイクの調整をお手伝いさせてもらいました。そうそう、ザーザー降りの雨の朝、集合時間なのに清志郎さんが浴衣姿でロビーを通り、温泉へ入りに行ってしまいました。日程を心配したスタート準備の整った撮影スタッフがロビーで困っていました。温泉好きの清志郎さんの「雨の中を走るのは嫌だよ」と言うアピールだったようです。コンビニに行って透明の下敷きを買ってきて、泥よけを作ってサドルの後ろにネジ止めしたり、ダウンチューブの下側へ両面粘着テープでプロジェクトMへ張り付けました。

 

温泉に入っている清志郎さんに話に行きました。「雨の中走りますよ」と伝えに行くと、清志郎さんから出た走る条件は、なんとボクが雨の中を一緒に走ることでした。急いで着替えてバイクを用意して、アソスのレインケープを羽織って走り出しました。こういう日でもいざ走り出してしまえば、けっこう面白いものです。N ディレクターは年末31日に放送される、国民的歌合戦のディレクターでもありました。清志郎さんがつくばに走りにくる時は、よく一緒に走っていましたし、つくばや黒姫高原合宿にも走りに来ていました。いつの間にか剛性の高いプロジェクトMをオーダーして乗っていました。

 

その後、九州の放送局に転勤したりして、ピストバイクやドゥカティにもはまり、しばらく一緒には走らなくなっていました。そこへ突然の電話である情報を伝えてくれました。その情報の解禁日は30日なのでその時にお伝えしますので楽しみにしておいてください。そんなNさんと24日に走ることになりました。プロジェクトMも手入れして乗れるようにしないといけない状態だそうです。

 

その日に乗れそうもなければ、ピナレロのスラムレッドの電動&ワイヤレスのeタップ装備のものを貸し出します。変速操作に慣れが必要ですが、そう言うのもゆっくり走るライドだから楽しめると思いますよ。できれば、土曜日はつくばのホテルに泊まって、美味しい物を食べて、日曜日のサンデーライドミーティングは集合時間が早いですけど、それも走って、夕方に帰りましょう。行きは朝8時にプロジェクトMNさんをピックアップに行きます。久し振りに一緒に走るの楽しみだな〜。ではでは。