クマさんのバイク専科

NHKのディレクターさんは流れを読み間違えている

ニュース番組の中で、けっこう尺の長い特集で中年層からのスポーツへの取り組みにスポットを当てた番組を放送していました。
トライアスロンやロードバイクでのライドが映像としてフューチャーされていたので、気になって見ていました。
高校や大学を出て、そこでスポーツ経験のあった人も無かった人も、身近なスポーツを探して取り組んでいるというのです。


それも、社会に出て8年とか18年経過して、健康も気になるし、まったくスポーツから遠ざかってしまって、
体の健康のためもあるし、会社のような限られた社会生活だけでなく、
スポーツを通じて知り合った仲間とのコミュニケーションなど、精神的な健康も求めて、運動に取り組もうという、
30歳から40歳で、エンジョイライフとしてスポーツへ取り組んでいる人が、
爆発的に増えているという世の中の流れを紹介するものでした。


そんなチャレンジの1つとして、トライアスロンが取り上げられていました。
スポットライトを当てていたのは、多分、エイジクラスの世界選手権大会に日本代表として活躍している
サラリーマンだったと思います。そのサラリーマンは会社での出世を望んでいたし自信もあったようです。
しかし、思惑が外れて出世コースを外れ、生き甲斐を探して、取り組んだトレーニングは結果として表れて裏切らない、
トライアスロンへのチャレンジだったようです。


その人は真剣にトレーニングして結果を求める、それはそれでいいと思います。
トレーニングにまじめに取り組んで苦手のスイムを克服して、食べるものもガソリンと思い、
そして筋肉を作るものとして食べて、ジムに通ってトレーニングしたり、ストイックに生活しているという。
その人が楽しむ方法なんだからそれに文句はない。だけど、ここで取り上げている特集の、
30代や40代でスポーツに取り組んでいるひとを紹介する場合、シリアスに取り組む彼が典型的な人なのでしょうか。


世の中のスポーツに接していたい、何か楽しみをみつけたい人達が、みんなストイックにエイジクラスであろうと、
目標を持って取り組む必要があるんだろうか。
日本人は生真面目だから、いざスポーツに取り組むというと自己記録の更新に挑戦とか、強くならなくちゃとか、
速くならなくちゃとか、誰かに勝たなくちゃと思い込んでしまいがちです。
目を三角にして取り組むとか、スポーツを一緒にしている仲間内に負けたくないとか思いがちでではないでしょうか。


中年以降のスポーツは、競技性なんかどうでもいい人がいていいと思うんだ。
その方が気楽に楽しく継続できるからね。誰かに負けちゃったからモチベーションが下がって、
せっかく取り組み始めたライフスポーツを止めるなんてもったいないと思いませんか。
勝ち負けとか、速いとかじゃないんだな。
自分の好みや体格やパワーや乗り方にあったバイクを手に入れて、カッコいいスポーツバイクを眺めていたっていいし、
楽しいから走る、それだけで充分に取り組む意味があるんじゃないかな。


体力が落ちても、トレーニングしていなくても、楽しくスポーツを楽しむフォーマットがあっておかしくないはず。
機材を使うサイクリングやトライアスロンは、トップ選手と同じような機材を揃えて、
のんびり自分のペースで走って楽しむ、それでいいんだと思います。
エイジクラスで頑張るのもいいけど、もっとおおらかにリミットタイムぎりぎりで完走するような、
エンジョイトライアスロンを楽しんだっていいんだし、マイペースで走るロングライドを楽しんだっていいと思います。


NHKのディレクターさん、中年層からのエンジョイスポーツというのは目の付けどころが良かったけど、
トライアスロンにしろ、スポーツサイクリングにしろ、これから定着したり取り組む人が増えるのは、
目を三角にしてロードレースやヒルクライムやトライアスロンにチャレンジする人達ではないと思うな。
元気なうちは目を三角にして取り組んでもいいけど、



これからは、年齢を重ねても楽しめる、ハードヒットの無いラグビー、ソフトなボールがゆっくり動くバレーボールやサッカー、
ホールまでの距離の短いゴルフ、スポーツサイクリング、スロージョギングなど、
自分の体力や気持ちにマッチした、エンジョイスポーツだと思うんだけどな。
自己記録更新でも、誰かを相手の競争でもないと思うな。
もっとゆるゆるのスポーツシーンが展開されると思うな。ではでは。