モータサイクルやスポーツバイクのブチルチューブを再生して、バッグの素材にしているメーカーがアメリカのボウルダーにあります。ブランド名はグリーングル。ボウルダーは大学キャンパスなどの研究施設を中心に開かれた広大な人工都市で、つくば市の学園都市の基本構造にも多大な影響を与えている学園都市です。ボウルダーの標高が１７００mの中低層トレーニングを行える場所として、日本陸連のトレーニング拠点としても認定されています。
日本人トライアスリートの聖地とも言われる場所です。ハワイアイアンマントライアスロン世界選手権でマーク・アレンと激闘を演じた、ハワイを５勝しているデェイブ・スコットがトレーニング拠点にしていたことでも知られています。デェイブ・スコットの姉がボウルダーでスイムコーチをしているプールがあり、デェイブ・スコットがトライアスロンアカデミーのヘッドコーチになって、トレーニングセッションが開催されていました。
日本のトライアスロンの草創期に活躍した、宮塚英也選手、中山俊行選手、山根英紀選手（上田藍選手のコーチ）、現アスロニア代表の白戸太朗選手などが、このトライアスロンアカデミーにほぼ同時に入り、選手コースでトレーニングしていた歴史があります。それが日本のロングやオリンピックディスタンスのトップトライアスリートの原点になっています。
宮塚英也選手は後に、３、8kmスイム、１８０、５kmバイク、４２kmランのハワイ・アイアンマントライアスロンの世界選手権のプロカテゴリーで、１０位以内に2回はいる快挙を成し遂げています。この記録は、まだ日本人に破られていません。もちろん日本のロングの最高峰の宮古島トライアスロンで複数回優勝しています。ロングのスペシャリストとして、パワーやスタミナに優る、当時の外国人トップアスリートと対等にやり合っていました。
腰踏みペダリングの提唱とか、高いケイデンスを保ったペダリングを実践するなどの独自の理論を一般アスリートに指導したり、日本人アスリートにマッチした、２６インチホイールのトライアスロンバイクの開発なども、DHバーと２６インチホイールの組み合わせで、ロングディスタンス向きの、独自のスケルトンの設計などを採用したカーボン＆スチールラグ接着フレームのバイクを愛用していました。
剣道出身で大学では自転車競技部にも所属した中山俊行選手も、５１、５kmのオリンピック実施距離の国内最高峰のNTTトライアスロンシリーズを転戦して、チームNTTのエースとして活躍。シリーズチャンピオンを１０年続け日本の５１、５kmトライアスロンを牽引する選手でした。５１、５kmのITUワールドカップ、アジア選手権、５１、５kmのITU世界選手権でも日本人トップをキープ、ロングでも宮古島のトライアスロンで優勝するなど、オールラウンドな活躍をしています。
彼らプロトライアスリートのシリアスなトライアスロンへのチャレンジの原点とも言えるボウルダーは、有森裕子や高橋尚子選手などオリンピックで活躍したマラソン選手のトレーニング拠点になりました。ボウルダーの広大な盆地の土手の上の道を毎日６０km走るトレーニングを実施していたそうで、当時はセキスイやリクルートに所属していた、金哲彦コーチの指導で走っていた姿を何度か目撃しています。
ボウルダーには、マラソン選手のトレーニングパートナーにもなっていた、日本人トライアスリートの高橋氏が合宿所を運営していて、そこを有森選手の所属したリクルートランニングチームや、高橋選手が所属した積水化学ランニングチームが借りて、オリンピックへ向けてのトレーニング拠点にしていました。どちらのチームも、いまは佐倉ランニングクラブを運営する、あのヒゲの監督が率いていたことで有名ですね。
そのエンデュランススポーツのメッカのようになっているボウルダーには、足の裏の専門のお医者さんボダイアトリストのラボが存在します。ハードな素材で競技用の補正や足を落ち着かせるインソールを作ってくれます。スポンサードの関係で表には出ていませんが、多くの日本人選手が通っています。ボダイアトリストという医師やトレーナーが集った研究施設はかなり珍しい存在です。ベンチャーで保冷タイプのバイクボトルを作っているポーラーブランドもあります。
そんな中にバイク用バッグなどをリサイクル素材などで作るグリーングルのブランドもあります。時々アウトドアショップで製品を見かけることもありますが、なかなかお気に入りの製品が手に入りません。ブチルチューブを素材にした免許証サイズのサイフは、ジップ・ポーチのSサイズです。大汗をかいても、雨に濡れても、中身が濡れなくていいのです。日本国内で取り扱いがなく、本国のサイトから買うことにしました。これを手に入れたいなト思っていたサイフの在庫がありました。ちょうど1週間で品物が届きました。ではでは。
