クマさんのバイク専科

丸棒から削り出しのアーレンキーがいい!

アーレンキーと言うのはどうも自転車業界独特の呼び名らしい。自転車を始めたころは、マイナスネジ、プラスネジ、六角頭のボルトなどが主流だったのですが、アーレンキー式のボルトが増え始めて、とうとうほとんどのボルトはアーレンキー式へ変わり、今では花形の先端の工具、トルクスレンチ式のボルトも採用されるようになっています。ネジの変遷は工具でしっかり締めたり緩めたりできること。マイナスドライバーで回すのではスリップさせやすいとプラスネジに変わりました。

 

40年くらい前の、当時の自転車の常識といえば、マイナスネジ、プラスネジ、そして六角頭のボルトでした。そこにアーレンキー式ボルトが登場して、六角断面の工具を、ボルトのヘッドにあけられた六角形の穴へサイズのあったアーレンキーを差し込んで締め付けます。よりスリップさせにくい確実に着脱できる構造として認められて、自転車パーツはほとんどがアーレンキー式に変わって行きます。

 

 

海外の工具の通信販売の製品カタログを見てもヘキサゴンレンチ、ヘックスセットとかの表示が普通です。ワールドインポートツールズなどの工具屋さんへ行くと、スタッフがヘキサゴンレンチとか六角レンチとか呼んでいます。アーレンキーと言えばスイスのPBが定番的に有名です。

 

素材は粘りがあって強度があるクロームバナジウム鋼が採用されています。表面処理はナシ地のダルブライトメッキで、クロムメッキよりサビに強い特性があります。工具のサイズはmm単位とインチ単位のものがありますが、自転車パーツの場合はmm仕様です。

 

セット売りが基本で自転車の場合は10mm、8mm、6mm、5mm、4mm、3mm、2、5mm、2mmと言うサイズがあればほぼカバーできます。最近フィキシングボルトやクランクを引き抜く工具に14mmが必要なこともあります。

 

PB のアーレンキーはナシ地メッキ処理を含めても、ややマイナス目に作られていて、ネジのヘッドの六角穴へスムーズに差し込めますが、公差が大きいヘッドの穴だと、六角形の工具の角が穴の角を崩してスリップしてしまうこともあるので、穴の奥までアーレンキーを差し込んだことを確認して、さらに工具に力を加えても水平に回すことを心がけます。

 

アーレンキーはサイズごとにグリップする方の長さが違います。推奨トルクを発生させるためにストロークを調整しているわけです。しかし、上限の締め付けトルクを加えると、アーレンキーがしなってしまうことがあります。力が逃げいている感じで嫌なものです。

 

それが嫌な人は、ステンレスやクロムバナジウム鋼の丸棒から、先端をボールポイントとか、六角に高精度で削り出したモデルがあります。丸棒の部分が残っていて、先端だけが六角だったりボールポイントになっています。丸棒なので力を加えてもしなりにくいのです。

 

プロ定番のベータのアーレンキーはオレンジ色の樹脂製のグリップが付いていて、基本はクロムバナジウム鋼の丸棒のメッキ仕上げで、ややマイナス目に仕上げられています。短い方も長い方も先端は六角形状で、14mm、10mm、8mm、6mm、5mm、4mm、3mm、2、5mmがあればいいですね。ではでは。