クマさんのバイク専科

海外ライドイベント参加は海外旅行保険へ加入しよう!

事故がなければいいけれど、もしもの場合、海外での医療費は高額になることがあります。日本では3割負担が普通になっていますから驚くほどの金額ではないこともあって、海外の病院での請求額を聞いて愕然とすることがあります。しかも、問い合わせてみると、ライドイベントの主催者が保険に加入していないことが多いし、加入していても補償額が小さくて現実に合っていないことが多いのです。だから、まず海外のライドイベントに参加する時は、空港の出発ロビーにある保険会社の窓口を探して、掛け捨ての海外旅行保険に加入して自己防衛しましょう。

 

これは絶対に加入した方がいいです。なぜなら、海外のサイクルイベントの主催者は、スポーツイベントの保険に加入していない場合が多いこと。イベント主催者が、安全にも配慮しているというアリバイ作り的に加入していても、海外で医療費請求額の現実にかかるお金とかけ離れている場合があります。ツアー会社は自己責任の部分の事故は何も補償してくれません。知り合いの参加者には、空港で海外旅行保険に加入するように言い、1万円の金額に迷っていたようですが、プッシュして必ず加入してもらいます。

 

例えばホノルルセンチュリーライドは、主催者のハワイサイクリングリーグが全くスポーツイベント保険に加入していませんでした。そこで転倒などでケガをして、州立病院へ救急車で運ばれたとしましょう。ハワイ州での救急車は民間が運営しています。サイクルイベントは日曜日ですから、休日出動となり、レスキュー訓練を受けた乗員が乗って、休日特別料金となり、州立病院までの搬送だけで、安くて10万円、高いと30万円ぐらいです。これマジです。

 

病院も日本とシステムが違い、まず日曜日にやっている救急救命のある受け入れ可能な病院探しから始まり、ER的な患者の状況を判断する総合診療科の医師がいて、休日は手術をできる医師、専門医が州立病院でも常駐していないことが多いのです。総合診療医が診察して、緊急で手術が必要な場合は、必要な診断や治療をできる、自宅待機している医師や技師を病院へ呼び集めます。外国人の患者は全ての費用を帰宅時に支払う事になります。

 

レントゲンやCTスキャンやMRIを操作する技師、手術を担当する外科や整形外科の医師、麻酔医、頭を打っていれば脳外科の医師、縫合などの後処理をする医師、手術後の処理をする専門の医師などが招集されます。手術中に輸血の可能性がある場合のリスクの承諾書、手術のリスクに関する承諾書、麻酔に関する承諾書、医師を訴えないみたいな証書にサインさせられます。当然、休日出勤手当が通常の手術看護料に加算されます。

 

血液検査、多分HIVの緊急検査もあって、手術代が7針の縫合で30万円、その他の検査や診断で30万円、後処理の包帯や消炎鎮痛剤の投薬などで5万円、そんな実例に立ち会いました。支払いカウンターで目の前に置かれた請求書の金額は、もちろんUSドルで、ずいぶんな桁数でした。日本円に換算すると約100万円近くで、国民皆保険制度がある日本とはまるで違った驚きの請求額になります。

 

とりあえず、海外旅行保険の手帳のようなサイズの証書が手元にあれば、それを見せれば病院のカウンターでの支払いは必要なくなりますが、あいにく患者はホテルの部屋に置いていました。その場では患者は小学のキャッシュしか持っていなかったので、ボクのクレジットカードでの支払いになりました。日本に帰ってから海外旅行保険の会社に事故の内容を通知して、請求書と病院の領収書やクレジットカードの支払い証書を提出して、1ヶ月ほどで全額を振り込んでもらい費用を補償してもらいました。

 

海外旅行保険に加入していなければ、全額自前で支払うことになります。1週間の旅行で約1万円くらい、絶対に加入した方がいいです。この保険は事故の他にも、盗難や相手をケガさせた場合、機材を破損した場合などの補償も充実しているので、パフォーマンスの高い保険です。海外ライドイベントはこういうリスクがあることを承知して自己防衛しましょう。ツアーを主催する会社は、こういうネガティブなことを説明会では、さらりと触れるか、なかなか説明してくれません、後悔しないために個人で絶対に加入してください。

 

海外でロードレースに参加しているプロ選手の場合は、保険会社との話し合いで、保険適用の対象国、高いリスクを配慮した年間の掛け金が設定されて、高額な掛け捨ての個人の海外スポーツ保険契約となります。チームとしての契約はできませんでした。日本人スタッフは長期の海外旅行保険に加入しました。まだ日本の保険会社はハイリスクの保険契約を受けてくれるのかな。その内容は海外での病気、事故でのケガの医療費、後遺障害の補償、死亡時の一時金、重大事故の場合の緊急搬送のためのドクターヘリの料金まで設定されていました。国によって医療費の支払いの状況は違いますが、請求額が高額になった時に後悔しないよう、補償内容に納得できる保険へ加入しましょう。ではでは。