クマさんのバイク専科

なんでサドルの前後位置の最適化が大事なのか!?

ダンシングしてきて、スッと腰を下ろした時、ぴたっと腰が収まり、はまった感じ、まったくサドルの上で腰の位置を動かさなくても、脚を踏み込むパワーを発揮できて、しかも、クランクを回しやすい腰の位置を実現できていると、快適なライドを実現できます。それはレーシーな走りでも、ロングライドでも同じくらいサドルの設定の最適化は重要なことです。

 

2日続けて走ってもお尻が痛くならないことを基準にした、サドル選びも2年間で30個以上を試して、1つ1つ前後位置、取り付け角度、高さを微調整して試走して探しましたから、時間もお金もかかって大変でした。30年前に手に入れて使っていたセライタリアのターボマチック2がいいことが分かりましたが、残念ながらすでに生産停止の絶版モデルになっていて、手に入れるのがとても困難で、サイスポのケンタくんがネットオークションで探してくれた、真っ黒なターボマチック2を1個という予備サドルの状態でした。

 

そしてつい先日、ベジタリアンSさんにドイツのショップで探してもらったデッドストックものの、2個の新品のセライタリアのターボマチック2のおかげで、圧迫感の分散も、全体的なクション性もやはり抜群で、しばらくは不安なく走ることができています。ただし、どんなに素性のいい、ぴったりフィットするサドルでも、サドルのポジションが出ていないと不具合は発生するものです。簡単な言葉で言ってしまえばスイートスポットで、座骨や股関節周りの出っ張りは、尿道の触れる部分で、快適なゾーンがサドルによって広いもの、狭いものがあります。

 

サドルにはお尻、座骨や股関節の内側の出っ張り、尿道などに触れてしかも圧力をうまく分散する限られたゾーン、スイートスポットという部分があって、サドルの前後位置や取り付け角度の微調整で、そのフィーリングがまったく変わってしまいます。2年で試した30個以上のサドルは、1つ1つスイートスポットを探して、自分がパワーを出せてクランクを回しやすい腰の位置に、スイートスポットが当たって、サドルがその腰をしっかりサポートしてお尻が痛くならないように、煮詰める段階では、サドルの前後位置をmm単位で微調整します。

 

前もも主体のペダリングでは、座骨は後ろへ傾斜して、圧力はサドルの後ろ側の座骨の触れる部分にかかります。背中を反らせるようなイメージで、骨盤を前傾させて、前もも(大腿四頭筋)、後ろ側のハムストリング、臀筋、腸腰筋、などの広い筋肉群でペダリングする、全体踏みは尿道への圧迫が増します。サドルの後ろよりの座骨と、中央の股関節の内側の出っ張りや、通応から先端の尿道にかかる圧力のバランスを、サドルの取り付け角度で微調整します。ライダーの骨格や筋肉の発達、柔軟性などで、パワーを発揮できる腰の位置、クランクを回しやすい股関節周りの詰まり感がない、腰の位置がライダーによって大きく変化します。体力の変化や、レースやロングライドなど、対応するスピード域によっても腰の位置が変化します。

 

ダンシングを思い浮かべてみてください、サドルから腰を浮かして、腰の位置を前に移動してペダリングして、1踏みに体重をかけて、パワーを増すペダリングのテクニックです。踏み込みのパワーを増すには、サドルの前よりに腰の位置を移動してクランクを踏み込む力を増します。全体踏みペダリングの広い範囲の筋肉を動員するスイッチを入れる、骨盤の前傾した状態になると、脚を踏み出すパワーを支えるために座骨のサドルへの固定力が増して後半の圧力が高まります。

 

同時に尿道への圧迫も増します。踏み込めて回しやすい腰の位置のバランスを探して、サドルの前後位置をmm単位で調整して、速度をキープできて上手く圧力を分散して、お尻に痛みが発生しない取り付け角度の調整が難しいのです。快適な走りを実現するには、サドル選び、ポジションの最適化が重要です。スポーツバイクつくばマツナガの試乗サドルを是非利用してください。ではでは。