クマさんのバイク専科

ライドでポジションが気になるライダーが2人!

数週間前のサンデーライドのグループライドを走るライダーを見ていて、ポジションやフォームが気になるライダーが2人いました。一人は女性ライダーで、いつもの軽快なペダリングができていません。フィッティングしていないバイクでの参加でした。ハンドルやブラケットのグリップ位置を近づけて、楽に感じるようにという意図でしょうか、サドルが前よりに設定されていて、しかもサドルの上の面が水平に設定されていました。背中がブリッジのように曲がって骨盤を後ろに傾けてサドルの前半に荷重が掛かるのを避けて、脚をしっかり踏み込めていない感じで走っていました。

 

ペダリングを見ていても、下死点を足が通過する時に、サドルが低い設定で、膝関節が深く曲がり過ぎていて、太ももの前側の大腿四頭筋にストレスが集中して走っていると思いました。走りながら本人に確認すると、太ももの前側の筋肉ばかり使ってペダリングしている感じだそうです。太ももの前側を主に使ってペダリングしているのには、別の原因もありました。それがサドルの前後位置の設定で、股関節周りへの詰まり感と骨盤の角度の発生で、上死点で一旦足の動きが停滞して、力を余計に使った状態で脚を踏み下ろしている前ももへのストレスの発生です。

 

サドルを後ろへ15mmほど移動して、上死点に足がきて屈曲した時に、股関節周辺に感じた詰まり感による、脚の停滞を解消して、無理な力を使って脚を踏み込まなくてもケイデンスを高く保てるようにしました。さらに問題なのが前もも中心のペダリングで、お尻の痛みの発生により、骨盤の角度を前傾させて、太もも裏側の筋肉や臀筋、腸腰筋など、広い範囲の筋肉を動員してペダリングする、全体踏みペダリングのスイッチが入らない状態でペダリングしていました。

 

サドルを後退させると同時に、取り付け角度を水平からやや前下がりにして、お尻が痛くなる状態から圧迫を解消して、骨盤を前へ傾斜させて、体重を利用して脚を踏み込みやすい状態にしました。しかも、骨盤の前傾をキープできれば、太ももの前側や後ろ側、臀筋や腸腰筋など広い範囲の筋肉を使えるスイッチを入れた状態になり、パワフルな全体踏みペダリングを実現できるように変更しました。

 

試乗してもらうと、上死点を足が通過する時に空間ができた感じで、股関節周りの動かしにくさも解消されて、ケイデンスは自然に上がったし、お尻も痛くなくなったそうです。サドルの高さは、サドルを15mm後ろへ引いたことや、サドルの上の面を前下がりに設定したことを配慮して、あまりに低かったサドルの高さを、5mmほど上げて大腿四頭筋へのストレス集中を解消しました。

 

もうひとりは高校生ライダーでした。右足の内側が平行で、左足はカカトがやたらに内側に入っていて、踏み下ろす脚の膝が大きく開いて、がに股でペダリングしていました。これでは左膝の関節周辺に痛みが発生してしまうと感じました。不自然な動きですから、ショップに帰ってから、クリートの設定を確認させてもらいました。

 

左足はカカトが内側にかなり寄る設定で膝がO脚のように開く設定になっていました。足踏みしてもらうと、左右差は確かにありますが、左側はクリートの取り付け角度は、足の自然な向きにまったく合っていませんでした。右足側はわずかにカカトが内側に入る設定にしました。左足はそれより少しカカトが内側になるように設定して、左右でわずかに違うO脚に合わせて設定しました。股関節幅が狭い骨格なので、クリートの内外の調整は、クランクとバイクシューズの内側が接触しないぎりぎりの、もっとも外寄りに固定しました。

 

前後位置はペダル軸の中心が母指球と小指球戸の間になる、後ろよりの設定にして、踏み込む足を安定させるように設定して、膝から下の筋肉群への負荷を少なく設定しました。お昼ご飯の後のライドで、踏み込む足の安定感や膝から下の筋肉へのストレスの軽減、膝関節への負荷の軽減を体験できたようです。

ではでは。