クマさんのバイク専科

73度のステムへの交換で楽に真っ直ぐ走れる

スポーツバイクつくばマツナガのステムのコーナーには、73度ヘッドアングル対応の、バイクへ取り付けるとステムの突き出し部分が水平になるステムが展示されています。その他にも68度ヘッドアングル対応の前下がりになるステムもあります。ロードの完成車へ一般的にセットされているステムは、突き出し部分が5度から8度、前上がりになるモデルが採用されています。80度以上の突き出し部分が前上がりになるステムを採用すると、ハンドリングが軽くなります。ステムが90mm以上なら、軽いハンドリングもそれほど気になりません。

 

しかし、80mm・70mm・60mm・50mmと短くなると、ハンドルやブラケットを握って、自分で直進性を保つために支える感が発生して、そのバイクのハンドリングの軽さがより印象的になります。ホリゾンタル換算で500mmを切る小さいサイズのフレームは、ヘッドアングルが72、5度から72度、フロントフォークのオフセットが43mmから45mmくらいの設計が一般的で、しかも、グリップ位置を近くするためにトップチューブが短く設計されています。

 

当然ハンガーの中心から前輪のハブ軸までの距離、フロントセンターも短くなっています。さらに、前輪のハブ軸から後輪のハブ軸までの距離のホイールベースも短くなり、バイクのハンドリングの挙動は軽めでクイックになりがちです。ヘッドアングルが72、5度というフレームの設計は、ホリゾンタル(水平)換算で510mm以下のフレームのヘッドアングルに広く採用されています。72、5度や72度のヘッドアングルになると、真っ直ぐに走っていると気付きにくいのですが、直角カーブや、切り返しのある複合カーブを曲がる時に、ハンドルを切り始めると、軽く切れ込んで行く傾向になります。

 

ボクも身長が173cmでホリゾンタル換算でフレームサイズが515mmから520mmと小さく、バイクの安定性に関わるヘッドアングル、フォークオフセット、トレイル、フロントセンター、ホイールベースなど、フレームの設計寸法の関係で、バイクの乗り味はクイックなハンドリングになりがちです。もう少し直進安定性が強い方が楽に走れると感じています。ブレーキレバーのブラケットに手を添えただけで真っ直ぐ走ってくれる、バイク任せで真っ直ぐ走れる感じのハンドリングが好みです。

 

軽過ぎるハンドリングのバイクは、常に手を添えて真っ直ぐに走るようにコントロールするような感じになります。だけど最初からそんなフィーリングだから疑うことなく走っている例が多いのです。だから色々試してみないと分からないものです。フロントホイールのタイヤの空気圧を8気圧から7、5気圧とか低く設定したり、タイヤを25Cにサイズアップしてトレイル寸法を増して直進安定性を強くしてハンドリングを重くするなど、色々安定するように工夫してみました。

 

もっとも効果的だったのがライズが73度対応、または 68度のステムへの交換でした。まず、73度ヘッドアングルのステムを製造しているブランドを探しました。リッチーロジック、3T、ディズナ、BBB、TNIがありました。スモールライダーに必要な突き出し寸法の短いモデルも用意しているブランドがありますから、行きつけのショップで相談してみてください。

 

一般的に採用されている前上がりのステムを止めて、73度ヘッドアングル対応ステムを採用しました。ステムのコラムと突き出し部分の接合点より、ブラケットを握る位置が低い方が、ハンドリングが自然に重くなって安定するのです。ロングライドやツーリングを好む一般的なライダーの場合は、ブラケットに手を添えるだけで、楽に真っ直ぐ走りたいなら、73度ヘッドアングル対応ステムへ交換しましょう。

 

数社のハンドルやステムのメーカーが、73度ヘッドアングル対応のステムを作っています。一般的には10mm刻みで突き出し寸法が設定され、130mmから50mmくらいが用意されています。製造はされていても日本に入荷していない突き出し寸法のサイズもあるようです。73度ヘッドアングル対応のステムは、採用するとヘッドアングルが72、5度から73度くらいのフレームにセットすると、突き出し部分がほぼ水平になるステムです。より直進安定性が増す68度ステムの場合は、取り付けると突き出し部分がやや前下がりになり、ハンドリングが軽くなりがちな、短いステム採用のライダーに最適です。

 

ロードレースで集団の中で素早く動いて、ドラフティング走行したり、上り坂でダンシングで走るには、ハンドリングの軽さも必要でしょうが、ロングライドやツーリング、ロングのトライアスロンでは、クイックなハンドリングより、手を添えるだけで真っ直ぐ走れるバイクの方がマッチすると思うのです。ハンドリングが軽過ぎる、もっと楽に真っ直ぐ走りたいと感じているライダーは73度ヤ68度の対応ステムの採用を検討した方がいいです。特にフレームサイズの小さい女性ライダーは、ハンドリングの軽さに気が付かないまま、前上がりのステムを使っていることがあるので、是非、周りの人がアドバイスしてあげてください。

 

アヘッド小物が主流になってからは、突き出し部分の前上がりステムが一般的になっているので、ショップのスタッフも73度ヘッドアングル対応のステムの、ステアリングの安定化への効果を知らない場合もありますし、ステムの展示品として73度モデルを用意していないところもあります。73度ステムの突き出し部分の長さ選びは、前上がりのステムでグリップ位置の遠さに問題がなければ、同じ突き出し寸法の73度か68度のステムを選びます。

 

73度対応のステムに交換すると、ハンドルのクランプ位置がわずかに低くなり、ブレーキ&変速レバーのブラケットやハンドルのグリップ位置もわずかに下がりますから、ステムの下に2mmから5mmのコラムスペーサーを入れれば、前上がりのステムのときと、だいたい同じグリップの高さに設定できます。愛用のバイクのハンドリングの軽さが気になったら、ショップのスタッフに相談してみてください。ではでは。