クマさんのバイク専科

シマノのデュラエースのシフトアウターケーブルが変わりました

新型のデュラエースは旧作が頑張っていただけに、さらに色々細かく頑張っていますね。9100系のシマノの新型デュラエースのコンポーネント、その最高峰のデュラエースのシフトケーブルで操るメカニカルのリヤ変速システム、リヤ変速機に取り付ける推奨アウターケーブルが変更されました。いままでのシマノもカンパニョーロもスラムも、インデックス変速機には、鋼線を縦に束ねて樹脂で固めたアウターケーブルを、デュアルコントロールレバー側はもちろん、リヤ変速機トチェーンステーの部分にも採用していました。

 

縦方向の伸縮がほとんど発生しないアウターケーブルですが、しなやかさが今ひとつという製品です。シフトケーブルの張りはインデックス変速の同調レスポンスにとって重要な要素です。だけど、いままでのダブルテンションのリヤ変速機のプーリーの動きに関係する、リヤ変速機のパンタブ分の傾きや、プーリーケージの動き、変速時のチェーンの張りの吸収に、アウターケーブルの硬さが少なからず影響していたことも事実です。特に変速レバーを操作して、シフトケーブルにテンションのかかった時に影響が出ます。

 

最新のカーボンフレームのリヤエンドやチェーンステーを見てください。シフトケーブル内蔵やアウターストッパーがエンドに付けられたりして、アウターケーブルが短くなっています。ということは縦よりケーブルの硬さが、リヤ変速機の動きを制限して、より変速レスポンスに影響する可能性が高まります。と言うわけで、新型デュラエースには、螺旋状のしなやかなアウターケーブルが用意されて推奨されています。ただし、チェーンステーのアウターストッパーから、リヤ変速のマイクロアジャスターまでの距離が長く、大きなアールになる設計のフレームやエンドの場合は、従来の縦よりのアウターケーブルの採用が推奨されています。

 

もちろん従来のダブルテンションリヤ変速機の場合は、基本的に従来からの縦よりのアウターケーブルを組み合わせることになります。アウターケーブルが短いフレームの場合は螺旋状のアウターケーブルを試してもいいかもしれませんね。新型のデュラエースのパッケージに同梱されている、リヤ変速機用のアウターケーブルは新型の螺旋タイプで、ライナーチューブ入りのものです。ライナーチューブの抜け止めのホーン加工されている部分が有るので、リヤ変速機側にロゴマークがくるように使用方向が指定されています。長さをカットするときはロゴと反対側から切ります。

 

シマノの開発スタッフは最新のケーブル内蔵のフレームの形状をチェックしたんでしょうね。アウターケーブルの長さが極端に短いものが増えています。アウターケーブルが短くなるほど硬さの影響が、リヤ変速機の動きに影響します。シャドータイプのシングルテンションメカになったからなのか、螺旋状のアウターケーブルがデフォルトになりました。アウターケーブルが短く収縮が小さい設定のフレームなら、旧モデルのダブルテンションのメカでも、この組み合わせがいいのか、試してみたいと思います。

 

新型デュラエースの前後変速機のセットアップ方法がまるで変わりました。いままでのダブルテンションのリヤ変速機トはかなり違います。シングルテンションのシャドータイプになって、ローギヤとアウターギヤにチェーンをかけて2コマ、3リンクピン分のプラスのチェーンの長さの決め方では、トップギヤ側のチェーンの張りが緩くなって厳しくなってますね。いよいよチェーンを斜めにかけるギヤ比での使用は、シマノも推奨範囲外の使用というトーンが強くなりました。

 

今日、新型のメカニカルのデュラエースの前後の変速調整をしましたが、斜めがけのチェーンのドライブでは、インナーギヤとローギヤとのドライブでも斜めにドライブするチェーンに、アウターギヤの内側にあるスパイクピンや、歯先との接触は無くなりましたが、チェーンのドライブ音が大きくなりがちでした。ローギヤ側は基本的にスムースにインデックス変速しましたが、トップギヤよりのドライブでは、B テンションボルトの締め具合で、スプロケットの歯先と上プーリーの歯先の間隔を微調整しないと、インデックス編奥の切れ味が今ひとつになる傾向がありました。詳しくはディーラーズマニュアルで確認してください。ではでは。