クマさんのバイク専科

ついにメンテ本の最終打ち合わせが始まった!

今日はサイスポのケンタくんと年内発売予定のムック本の打ち合わせです。前回発売したメンテ本はすでに売り切れてアマゾンでプレミア付きの価格設定で売られています。新型9100系デュラエースが発売され、スラムのワイヤレス&電動メカも発売されました。FSAの電動メカとか、新型のアルテグラ発売間近というウワサも上がっています。新型デュラエースのメカニカルとDi2 が、今後のシマノの新型コンポーネントの取り扱いのスタンダードになるはずです。しばらくは旧デュラエース、現行アルテグラ、105の取り扱い方も大事ですけどね。

 

そして、ワイヤレス&電動メカのスラムレッドのeタップも含めたバージョンのメンテ本が企画されて編集作業が進行しています。カンパニョーロにはポテンザが加わりましたが、大きな変化はありません。シマノなどのディスクブレーキの取り扱い、スルーアクスルのフレームをどうすればいいのかも考えなくては。ホイールの着脱もかなりクイックと変わっていますから。これから2ヶ月、新製品をピックアップ、何を何ページやるか決めて台割りを作り、撮影用品の手配に始まって、スタジオ撮影に入って、写真の切り出し、ラフレイアウト、約一ヶ月の原稿書き、校正となり、10月発売になるはずです。

 

やっと、毎週末に走っている自分のバイクを整備する時間ができました。タイムのVXRSは、アブソリュートブラックの楕円のインナーギヤを、9000系デュラエースの167、5mmのクランクに取り付けて、アウターギヤ真円のデュラエース50T×アブソリュートの楕円の34Tの組み合わせで、カンパニョーロのメカニカルの変速システムで使ってみて、フロントのインデックス変速のチェーン移りの性能が低下したのを感じました。

 

真円ギヤで問題なく変速していた、フロント変速機の外側チェーンケージの下端とアウターギヤの歯先との2mmの間隔と、外側チェーンケージがアウターギヤを平行になる向きの設定で、インナーギヤからアウターギヤへのインデックス変速は上手くチェーンが移りませんでした。ローギヤよりのスプロケットでチェーンを斜めにドライブしている状態で、アウターギヤ変速するとチェーンが歯先へ移りきれないで、ガリガリとチェーンがスリップして、インナーギヤの内側に落ちてしまうアクシデントが高い頻度で起こりました。

 

チェーンが斜めになり、ローギヤ側へ引っ張られているので、インナーギヤの内側へチェーン落ちしやすいのです。心配していた、ローギヤでドライブしていて、アウターギヤからインナーギヤへインデックス変速するより、アウターギヤへの変速の方がチェーン落ちの可能性は高い状態になりました。このようなアウターギヤへの変速で、インナーギヤ内側へのチェーン落ちの現象は、カンパニョーロの5アームクランク時代の代々の歯先やスパイクピンの位置などを、コンピュータ設計いた、チェーンの移るルートを設定したチェーンリングで起こりやすかったのです。

 

カンパニョーロの5アームクランク時代の10段や11段対応の、フロントのインデックス変速のスムーズさは、シマノと比較すると課題でした。毎年のように歯先やアウターギヤの裏側のスロープの設計が変更されていましたが、決定的な改善はできていませんでした。デリケートにフロント変速機を調整しないと、アウターギヤ側への変速の時にチェーンが歯先でスリップして、内側にチェーン落ちしやすい傾向がありました。対策としては変速の瞬間に踏み込む脚を緩め、左の変速レバーも押したままの状態で、チェーン落ちを気にしながらフロントは変速していました。剛性アップした4アームクランクになってだいぶ改善されています。

 

メカニカルのフロント変速機は、電動メカより剛性が低いので、チェーンを押すと変形する傾向があります。フロント変速機の外側チェーンケージの向きを、アウターギヤとほぼ平行に設定して、アウターギヤへ変速する時にチェーンと接触して、チェーンを押し上げてスパイクピンへ引っかける、内側のチェーンケージの向きを微妙に調整します。チェーンケージの向きの調整と一緒に重要なのが、フロント変速機の高さです。取り付け位置を上下させて、アウターギヤの歯先と外側チェーンケージの下端との距離を、ぎりぎりに近い1mmに設定にしました。この間隔は3mm以下の設定がいいようですが、近過ぎてもフロント変速機に無理がかかるようですが、色々やってみてこうなりました。

 

メカニカルでは整備台の上で変速させて、実際に緩い上り坂を走って、低回転の高トルクの状態や、クルクル回して内外へ変速して、チェーン移りのスムーズさやチェーン落ちなどを確認して、整備台で起こらないことが実走で発生するトラブルのギャップを解消する調整をして、フロント変速の調整を終わります。シマノのDi 2のデュラエースもアルテグラも、カンパニョーロのEPSも、スラムのe タップも、内外への変速は剛性の高フロント変速機で、しかもモーターで強制的にチェーンを押して変速するので、多少のギヤの歯先の設計や剛性の低さもものともせず、メカニカルとスムーズさは比較のしようもありません。電動変速機の実力を見せつけられることになりました。ではでは。