クマさんのバイク専科

タイヤの空気圧の設定が気になります!

お気に入りタイヤはチューブラー、しなやかさで定評がある、ヴェロフレックスの23mmのクリテリウムです。重さは250gと決戦タイヤとしては普通な感じ、180gとか220gというトレッドゴムが薄く、耐貫通パンクベルトなどが省かれている軽量なモデルもあります。軽量な決戦チューブラータイヤは、サーキット走行やタイムトライアルなどには加速が軽く急減速や段差のないスムーズなコースでのレースには最適でも、一般道のマスドスタートやトレーニング、ロングライドで日常的に使うには、少しパンクのリスクが高くなります。

 

やっぱりショック吸収性、グリップ力、転がり抵抗、耐貫通パンク性能、耐久性など、クリテリウムやビットリアの決戦モデルがロングライドのライダーには最適なバランスのタイヤです。23mmのクリテリウムをずっと使っていましたが、25mmのタイヤをプロが採用するようになり、それが流れになろうとしています。25mmのルーベも手に入れてしばらく使ってみました。コーナーや直線でのグリップ力や、エアボリューム増によるクッション性のキャパシティが大きくなります。でも非力なライダーには280gは、1本でたった30gの差だけど、踏み出しが重すぎるんですよね。

 

23mmのクリテリウムも25mmのルーベもメーカー推奨空気圧は8気圧から10気圧の範囲ですが、この空気圧の設定は体重80kgのライダーが想定されています。だから体重の軽いライダーは7気圧とか7、5気圧の設定もありです。体重75kgのクマジジイの場合は、普段のマジカルミステリーツアーは、下限の8気圧に前後のタイヤを設定していました。前輪はジョバン二のアマンダオリジナル設計の20mm×20mm断面のモデルを36本のエアロスポークで組んだ、振動減衰性の優れたモノを採用しています。後輪はホイール剛性を抑えて、リムが軽くて踏み出しが軽く、踏み込んだ時の脚へのダメージを抑えることを配慮して、カンパニョーロのハイペロンを採用しています。

 

後輪はパワーロスのないエアロホイールのボーラ50mmも考えていたのですが、佐渡ロングライドは踏み込む脚の筋肉への反力によるダメージが少ない、ロープロファイルリムホイールのハイペロンで走ろうと思っています。8気圧に設定して100kmを越えて走ると、路面からの振動をかなり伝えてきてストレスになると感じていたので、前後とも7、5気圧を試しました。かなり乗り味がマイルドになりましたが、上り坂で上下方向へのタイヤへが変形するパワーロスを感じました。微妙だな〜、一般道のロングライドではフロント7、5気圧、リヤ7、75気圧の設定がいいみたいです。

 

スムーズな路面で、しかもタイヤへの食いつきのいいミューの高いサーキットの走行なら、前後9気圧の設定でも快適に走れます。23mmタイヤで十分な性能だと思うんですけど。グリップ力も増して、ショック吸収性も高まる25mmのタイヤが流行っているけど、ライダーが1時間継続的に発揮できるパワーが200ワットから350ワットと限られていて、巡航速度も25kmから40km以下と低いライダーが、果たしてトータルで30g重いタイヤで楽に効率良く走れているのかな。

 

まだまだロードバイクで主流のクリンチャータイヤの場合でも空気圧の設定は重要で、チューブラータイヤが0、5気圧くらいで乗り味がはっきり変化するのに対して、クリンチャータイヤは0、2気圧から0、3気圧くらいで乗り味が変化すると思います。朝、ライドの前に必ず空気を入れます。空気を入れる時には、使い慣れたフロアポンプでポンピングして、いつもの空気圧メーターで、0、2気圧から0、3気圧単位で、きっちりと空気圧を設定してスタートすることが、いつものグリップ感やショック吸収性、ハンドリングやブレーキ性能を発揮するために重要です。

 

フロアポンプのアナログの空気圧メーターの単位が0、5気圧単位の場合は、針が0、5気圧の範囲の真ん中よりやや右よりになると0、3気圧、真ん中よりやや左にあると0、2気圧という調整方法で設定するといいと思います。クリンチャータイヤのライダーは23Cでも25Cでも、空気圧のわずかな違いで乗り味の変化が大きいので、設定がデリケートですよ。

 

空気圧の設定を気にするライダーは、空気圧メーターを用意して、空気圧メーター付きのフロアポンプで少し高めに空気圧を設定した後、フレンチバルブに空気圧メーターを取り付けて、コアをプッシュする機構を作動して内圧を測って確認して、空気を逃がすポップオフバルブを押して空気を逃がして、最適な空気圧に設定して走っています。

 

プロチームでは10気圧以上に設定できる高圧対応のコンプレッサーの先端に、精密な空気圧メーター付きのフレンチバルブ用のアダプターを取り付けて、フレンチバルブにセットして、トリガーを引いて空気を注入して、ポップオフバルブで微調整して、選手一人一人の設定の指定されたカルテの数値に合わせた、最適な空気圧にしてレースへ送り出しています。

 

最適な空気圧を見つける方法は、チューブラータイヤなら0、5気圧単位で、クリンチャータイヤなら0、2気圧単位で前後タイヤの空気圧を変化させて、上り下り、コーナー、荒れた路面、スムーズな路面のコースを走って、走行感を確認します。上り坂では後輪荷重になって、しかも駆動トルクが後輪タイヤにかかりますから、クランクを踏み込むとタイヤが上下方向に大きく変形してパワーロスしているなと感じたら、最小単位で後輪タイヤの空気圧を上げて、同じ坂を上って変形が少なくなったことを確認します。

 

90度曲がるコーナーを時速30kmくらいでクリアして、バイクを倒し込んでリーンウィズで走っているときに、サドルの中心に座って、外側のクランクを下げて、ペダルを軽く踏みつけるように外足加重をしてみます。バイクが傾いている状態でタイヤのサイドの変形する、ぐにゃっとした感じがあったら、後輪タイヤの空気圧を最小単位で上げて、コーナーを同じスピードで走って、タイヤの変形を感じなくなったか確認します。しなやかなチューブラータイヤで発生しがちな腰砕けの現象です。

 

チューブラータイヤはタイヤサイドがしなやかに変形して、路面へのタイヤの追従性で接地面積を確保してグリップ力を稼ぐ構造のタイヤです。クリンチャータイヤはタイヤの硬さとチューブの硬さと空気圧で、タイヤの断面を変形させにくくして、トレッドゴムを路面に強く押し付けてグリップ力を稼ぐ構造のタイヤです。タイヤはサイドが変形すると、トレッドゴムを路面へ押し付ける力を失って、急激にグリップ力が低下してしまいます。チューブラータイヤもクリンチャータイヤも、そしてチューブレスタイヤも空気圧の調整で、グリップ力やショック吸収性などの乗り味が変化します。

 

走り出す前に必ず使い慣れたフロアポンプで空気圧を調整することをお忘れなく。フロアポンプは長く使えるものがお薦めです。SKS のレンコンプレッサーは10年とか20年使える耐久性があります。ヒラメのホースヘッドを取り付けて愛用しています。つくばのライドに参加しているライダーでも、朝走り出す前に空気圧をチェックすると、一人や二人、最適な空気圧にできていないライダーがいます。ハンドリングも重くなるし、走りも重くなり、そしてグリップ力も低下しますし、リム打パンクの発生の可能性も高まります。ではでは。