クマさんのバイク専科

モリリン・メカニックのための工具選び!

基本的にショップの中でスポーツバイクを組み立てたり分解したり、調整するのに必要な工具は、ケーブルカッターやフリーロックリング工具など、自転車パーツ専用の工具もありますが、一般工具はトルクレンチやアーレンキーやスパナなどが必要です。
同じ工具でも使いやすいものと使いにくいもの、握っただけで信頼感が伝わってくるものが確かにあります。


モリリンさんがメカニックの作業をとりあえずスタートするための、スターターキットを集めています。
この機会に自分の工具箱の中を確認して最低限必要な工具をリストアップして、ついでに自分の工具の使いやすさも見直すことにしました。
メカニックの修業中にコツコツ工具を手に入れて行く事も勉強になります。
自分で選んだ工具だから大切にもするでしょう。
でも、とりあえず使いやすいものをクマジジイの経験をベースに用意して、バイク組みのルーティーンを知ってもらうために、クロスバイクやロードバイクの箱組みの作業をスタートしてもらいます。


7分組みや8分組みされている箱組みの組み立て作業を勉強して行く中で、確実に作業できる工具のポイントを感じ取ってもらい、ゆくゆくはモリリン・メカニック自身で使いやすいもの、信頼できるものを選んで行くという手順で、マイ工具を揃えるプロセスがいいと思います。
いい工具はいいメカニックを育ててくれる面もありますから。
まずはメーカー推奨のトルクでネジを締める作業をたくさん体験することです。
自分のネジを締める感覚と、トルクレンチでトルク設定してネジを締めた感覚との違いを、実際の作業を行いながら埋めて行くことです。


スポーツバイクつくばマツナガの工具置き場には、ベータの4から20ニュートンと、20から50ニュートンのトルクレンチがありますし、スイスのPBのアーレンキーやトルクスのビットがありますから、まずこれでトルクを設定してネジを締めて、もう一度アーレンキーなどで締めて、トルクスレンチで確認するという手順で、感覚とのギャップを埋めることです。
ハンガーカップ、フリーのスプロケットのロックリングなど、こういう締め付けトルクをコントロールする作業は、力をコントロールするので、実は力を入れたり、寸止めしたりで凄く疲れる作業でばらつきも起こりやすいポイントです。


ロックリング工具はシマノがソケットタイプを用意しています。
しかしカンパニョーロはソケットタイプがないので、24mm六角のソケットにカンパのロックリング工具を接着して、トルクレンチで使えるカンパニョーロ用の専用工具を作って用意しておきます。
大きな力で締めるところも、小さな力で締めるところも、パーツをこわさないためにもトルクのコントロールは基本中の基本です。
だいたいのパーツの締め付けトルクは頭に入れておくようにします。
だんだんネジを見れば最適トルクが解るようになります。


葛西や板橋のワールドインポートツールズで販売しているような、日本、ドイツ、イタリア、フランス、台湾などの有名なブランド物の中には、高価だけど精度が高く丈夫で使いやすい工具があります。
見ていても持つ喜びがあり、ほれぼれするようなものが確かにあります。
クマジジイはアーレンキーだけで、PBのボールポイント、先端が短く狭いところで作業しやすいボールポイント、ウエルゴの丸棒から削り出しのボールポイント、ベータのグリップ付きのアーレンキー、藤原の大きなT ハンドルグリップ付きのボールポイント、束になったスタビレーのホールディングタイプのアーレンキーを収納してつかい分けています。
将来は作業スピードを高めるために、ラチェットレンチの導入も考えたいですね。


だけど、ブランドものの工具でなくても、ホームセンターの工具売り場にも使いやすい工具があります。
そういう製品をみつけたときの方が、何だか宝物を探し当てたようで、かなり嬉しいですね。
そんな製品の中に兵庫県の藤原産業株式会社製のTハンドル,T型ボールポイントレンチです。イタリアのベータのコーポレーションカラーのオレンジ色の大きな樹脂製グリップが付いたアーレンキーで、2mm、2.5mm、3mm、4mm、5mm、6mm、8mmサイズがあります。
モリリンさんのキットにはこれを全サイズ入れました。


藤原のT ハンドルは5mmのサイズを2本手に入れます、
それは、1本は普通にそのまま使いますが、もう1本はボールポイントをグラインダーで削って六角レンチに改造してしまいます。
Tハンドルでしっかり締めると作業効率が上がる時に使うための加工です。
デュアルコントロールレバーなどのブラケット固定ボルトへ差し込んで本締めすると便利です。


その他に、アーレンキー(六角レンチ)を数種類用意しています。
L字型の長い方の先端がボールポイントのアーレンキー、ヘッドの角度が100度くらいの先端が短い狭い場所で使イやすいボールポイントのアーレンキー、ステンレス製の丸棒から削り出したウェルゴのアーレンキーです。
ハンドルの先端の短い方が六角のレンチで、長い方の先端はボールポイントになっていて、ネジのヘッドへ斜めに差し込んでもネジを回せます。
約25度傾けても差し込めて、そのままの状態で仮締めが可能になっています。
狭い場所とか回しにくい場所で使いやすい工具です。
アーレンキーのサイズは2mm、2.5mm、3mm、4mm、5mm、6mm、8mm、10mmのセットです。
シマノの左クランクのキャップを締める工具、ケーブルカッター、チェーン工具3種類、フリーロックリング工具2種がそろえば基本キットは完成です。ではでは。