クマさんのバイク専科

プロチームのバイクは電動メカ以外みかけなくなりました!

コンポーネントパーツメーカーは、メカニカルと電動の2ラインナップで製造しています。これに、ブレーキはメカニカルのデュアルピボットブレーキ、フレームやフォークに2穴の台座に取り付けるダイレクトマウントブレーキ。さらにUCIの機材認定を受けているスマート台座の油圧のディスクブレーキのいずれかの組み合せになります。カーボンフレームはエアロロード化して、空気抵抗の軽減を意識したフレームやフロントフォークのデザインを採用するようになっています。

 

ホイールは23mmの時代から25mmが標準化して、チェーンステーやシートステー、シートチューブ、フロントフォークがタイヤとのクリアランスを大きくしたデザインになっています。ショック吸収性やグリップ力の向上を狙って、タイヤが太くなったのと同時に、リムも24、2mmから28mmなどワイド化しています。軽量化と剛性アップとエアロダイナミクスを配慮したデザインだそうです。それに合わせてフレームのデザインや寸法も変更されています。

 

フラッグシップモデルはシフトケーブルとブレーキケーブル内蔵のフレームデザインになって、電動メカが登場とともに、エレクトリックケーブルの内蔵、充電式のフレーム内やシートチューブ内への内蔵専用電池の内蔵、チェーンステー下などへのマウントなどに対応した設計のカーボンフレームも登場しています。インジケーターの取り付け位置やジャンクション、シフトスイッチの設定、エレクトリックケーブルのルーティーン、専用電池のマウントなど、メカニックのノウハウと言える部分もあります。

 

フラッグシップモデルのもう1つの流れは、もちろんエアロロードが基本ですが、ディスクブレーキ用のスマート台座付きのフレームとフロントフォーク、スルーアクスル用のリヤとフロントのエンド、リヤエンド幅は142mmになります。フロントエンド幅は100mmの新規格採用のエアロロードで、1000gを切って650g台の軽量なカーボンフレームが続々と登場しています。油圧ラインのフレームやフロントフォークへの内蔵なども注目ポイントです。それにしてもジロはワイドレシオのスプロケットを採用しているチームが多くなりました。翌日の走りのダメージにならない回転重視のペダリングで山岳ステージを走る戦略に移行しているのでしょう。

 

もう1つの流れは究極のエアロロードで、スペシャライズドやトレックに代表されるモデルが設定されています。フレームの断面はより扁平率の高いエアロダイナミクスデザインで、ブレーキもフレームのフラッシュサフェース化したオリジナルデザインのブレーキを採用したもの。整流のフィンが作動するものなどが登場しています。そして、さらに究極のエアロダイナミクスを追求したフレームデザインなのが、タイムトライアルやトライアスロンバイクです。ブルフォーンバーとDHバーポジションを前提にしたフレームスケルトンで設計されています。ロードレースよりイージーなコースを450ワットから700ワットのパワーで時速50km以上で走り切るバイクです。

 

トライアスロンの場合は少し事情が違います。長いアップダウンが無くほぼ真っ直ぐなイージーコースで、風の強さが有名なハワイアイアンマンを想定して、TTバイクがトライアスロンバイクというイメージになっています。トップアスリートはハワイの180、5kmのコースを平均時速45kmくらいで走っています。アイアンマンシリーズのコースレイアウトはいろいろあるので、ブルフォーンバーにDHバーのTTバイク向きなコースもありますし、エアロロードにドロップバーにDHバー装備の方がマッチするコース設定もあります。

 

51、5kmのドラフティング走行の許されているトライアスロンは、都市型トライアスロンで標高差が小さい周回コースが採用されますから、多くのコーナーがあって、TTバイクよりエアロロードがマッチします。しかも、ブレーキレバーのブラケットの先端から飛び出さない、短いDHバーの採用が認められていますが、ドラフティング走行のスピードの上げ下げなど集団走行のレベルが上がり、DHバー装備の空気抵抗軽減のメリットが集団の先頭に出た時とか、単独走行になった時だけで、集団走行のハンドリングやスピードコントロールを重視するようになり、使うアスリートが少なくなっています。

 

2015年くらいからプロのトップチームのバイクはケーブルで操るメカニカルの変速システムが消えました。シマノはDi2デュラエース、カンパニョーロはスーパーレコードかレコードのEPS。スラムはスラムレッドのe タップを供給するようになっています。モーターによる強制的でスムーズなインデックス変速が当たり前になっています。変速するのはブレーキレバーと一体になったシフトスイッチだけでなく、シマノやスラムは、ドロップバーの任意の位置にシフトスイッチを設定することができるようになりますし、シマノはスイッチの機能も入れ替えたり、カスタマイズすることも可能です。

 

さらにシマノのDi2デュラエース9100系は、スタンダードなシフトの他に、シンクロとセミシンクロの、プログラム変速モードへの切り替えが可能になっています。旧型のDi2デュラエース9000系、現行のDiアルテグラも専用電池に交換してプログラム変更すればシンクロ変速できるようになります。パワー測定クランクセットもSRM、パイオニア、シマノ、ローターなどが採用されるようになっています。普通にレースバイクにインストールされて、ライダーのパフォーマンスのチェックに使われています。マルチ機能のGPS 組み込みなどのサイクルコンピュータも標準装備になっています。ではでは。