クマさんのバイク専科

ワコーズの新型のチェーンルーブリキッド・エクストリーム

和光ケミカルのブランドがワコーズ、最近はクルマやモーターサイクルのオイルやグリスやコンパウンドやクリーナーなどのモーター系のケミカルだけでなく、自転車事業部を作って、サイクルショップのメカニックやユーザー向きの、ロードバイクやMTBのケミカルも力を入れています。雨や洗車で金属パーツの表面に付いた水と置き換わり金属の表面を錆びさせないし、潤滑もするという、水置換性(みずちかんせい)のラスペネやメンテルーブは、自転車用のオイルに最適なマルチパーパスタイプでどこにでも使えて重宝します。

 

ラスペネは、ややさらっとした浸透性を重視のタイプ。メンテルーブはやや粘度があってベアリングとボールレースに圧力がかかっても、油膜切れしにくさで定評があります。やや機能が重複するけどチェーンルーブというのもあります。いずれもチェーンに最適なオイルで、チェーンの油汚れをブレーキパーツクリーナーやディグリーザーで洗浄後に注油すると効果的です。チェーンを油汚れに強い洗剤と水で洗った直後の水の乾かない状態で、ラスペネやメンテルーブをスプレーすれば、金属表面の水とオイルが置き換わり効果的です。

 

チェーンの洗浄には、ブレーキパーツクリーナー、BC-8、エアフィルタークリーナー、ディグリーザー、チェーンクリーナーなどが効果的に油汚れを落とせます。ディグリーザーやエアフィルタークリーナーを入れたチェーン洗浄器具でブラッシングすると、チェーンのリンクピンやリンクの中の油やアルミ粉や鉄粉などの汚れをキレイに落とせます。和光ケミカルは、さらなる展開も別ブランドで進行中で、すでに発表している紫外線カットクリームでもお分かりのように、化粧品の分野にも進出する意向のようです。フジフィルムがカメラのデジタル化で、主力商品だったフィルムを失い、ケミカル技術を生かして異業種への参入で成功しています。

 

和光ケミカルは、オイル、フールド、クリーナー、グリス、ペーストなど、使用目的に細かく対応するケミカル類のラインナップが充実しています。国内のクルマやバイク関連の工場のシェアや、サイクルショップでのケミカルのシェアも、バンセールス方式で供給する体制で確保しています。バンセールスは和光ケミカルのスタッフが直接現場に製品を届け、現場のスタッフの要望や評価の声を聞き、製品作り、開発のきっかけとしてフィードバックすることで知られています。ショップで容量が大き過ぎてユーザーレベルに売りにくいという要望に、容器のサイズまでオーダーに応えてくれることもあります。

 

茂木のエンデューロの会場にもブースを出して、水やシャンプーによる洗車ではなく、ケミカルによる洗車と注油をサービスしてアピールしていました。その中にチェーンオイルの新製品が紹介されていました。水で洗車したり、雨にあったバイク、汚れを落としたチェーンには、水置換性のあるメンテルーブかラスペネをスプレーします。水置換性とは、スプレーすると、金属の表面に付いた水と入れ替わり、サビを防いだり、潤滑性能を発揮するオイルです。

 

金属の表面に少し粘りのあるメンテルーブ、または浸透性の優れたサラサラのラスペネが付き、そこへ新製品のチェーンルーブリキッド・エクストリームを、リンクやプレートのこすれ合う部分へ、1リンクに2滴ずつ垂らしてから、チェーンをドライブしてリンクやピンやプレートに馴染ませます。水が付いているチェーンにチェーンルーブリキッド・エクストリームを直接塗ると、水にはじかれてしまって金属の表面にコーティングできなくなります。水が乾いていること、または水置換性のオイルをベースにスプレーすることが、効果を発揮するポイントになります。

 

後輪を外し、エンドへ止めるプーリーを取り付けて、チェーンをプーリーにかけてブレーキパーツクリーナーやBC-8などをスプレーしながら、チェーンをドライブさせて、リンクやピン、アウタープレートやインナープレートの中の油汚れをできるだけ落とします。エクストリームは透明なトロッとした粘りのあるオイルで、目に見える粒子は入っていませんが、パッケージを30秒ほど振ってから、オイラーの先端から垂らしてチェーンへ塗り、チェーンをドライブさせてリンクやリンクピンの奥まで馴染ませるように指示されています。

 

チェーンを1分から2分ドライブさせて、中にまで浸透させて馴染ませてから、はみ出したオイルはウエスでふき取り、オイルを塗ってから6時間放置してから使うことが推奨されています。ライドの前日にエクストリームを塗ることになります。指先にエクストリームの透明のオイルを塗って感触を確かめると、ワコーズの船外機用オイルに採用されている、水に触れると粘着度が増すポリマーが添加されている感じです。これが雨で流されにくい、極限のライドに最適というキャッチフレーズになっているのでしょう。

 

マットコンディション、砂、雨などでも流れにくく潤滑性能をキープできるというオイルです。ドライコンディションでは、ポリマー配合のセミウエットタイプのオイルのせいで粘りがあって、ややホコリをひろいやすいようです。潤滑の持続性はまだテストしていませんが長そうです。チェーンルーブリキッド・エクストリームは、継続的に注ぎ足し注油することを避けるように指示があります。ポリマーが配合されていて、これが劣化してくると、チェーンの動きが重くなる可能性があるからです。必ず油汚れを洗浄してから注油するようにします。

 

フィニッシュラインのルブリカントの中のグリーンラベルのオイラーのパッケージのクロスカントリーです。チェーンをクリーニングしてから、チェーンに塗ってからチェーンをドライブさせて馴染ませるのは同じです。水に触れると粘度が高まるポリマー入りのクロスカントリーオイルが、チェーンルーブリキッド・えくすとりーむに特性が似ています。ウエットタイプのオイルでMTBのクロスカントリー、雨の予想されるロードレースやロングライド向きのオイルです。

 

オールラウンドなオイルは、スキーワックスや撥水スプレーメーカーのスイスのホルメンコーレのバイク用オイルも高性能です。ベースオイルに含まれた白い粒子をチェーンのリンクやリンクピン、プレートの摺動部分の金属表面にナノコーティングして、摩擦抵抗を驚異的に減らすセミウエットオイルです。ホルメンコーレのルーベエクストリームはチェーンルーブリキッド・エクストリームとは性質が違います。専用のスポーツクリーナーかワコーズのBC-8などでチェーンを洗浄して、クリーナーが乾いてから塗ります。

 

ルーベエクストリームの容器を20秒か30秒振って、白い粒子をベースオイルに混ぜてから、チェーンの1コマ1コマに塗ります。1分から2分チェーンをドライブして、チェーンの中にまで馴染ませて、白い粒子が金属表面にびっしり並ぶようにナノコーティングされて摩擦を減らします。チェーンのドライブ音がはっきり静かになり、チェーンの動きがスムーズになります。潤滑の持続性は600kmから800kmで洗浄してから再注油します。ドライコンディションでも摩擦が小さく、1日雨の中を走っても潤滑します。ではでは。