クマさんのバイク専科

フロントのチェーン落ちませんか?:パート1

長い上り坂にかかって、クランクの踏み味が軽くなるように、リヤをローギヤ側へ1段1段と変速して、一番大きいローギヤまで変速してしまい、それでもクラ ンクを踏み込む脚が重くなって、もっと軽いギヤ比にしたいと、ローギヤのままの状態で、急遽アウターギヤからインナーギヤに変速するときに起きやすいの が、インナーギヤの内側へのチェーン落ちのアクシデントです。
チェーン落ちの原因はいっぱいあります。



チェーンウオッ チャーをフレームやフロントメカの直付け台座へ取り付けてチェーン落ちを防ぐ方法もありますが、これで防げることもありますが、クランクを踏み込んで、 チェーンウオッチャーが変形して中へ落ち込んでしまうこともあります。
そうなると大変です、引き上げようにもそのままでは取り出せないこともあります。
ネ ジを緩めてチェーンウオッチャーを動かして取り出すことになります。



素朴な疑問として田代選手にアウター×ローギヤを 使うことがあるか聞いたことがあります。
ぎりぎりの走りをするレース中にはチェーンが斜めになって嫌だけど使うそうです。
トレーニングのときはゆとりがあ るのでインナーギヤへ変速して最適なギヤ比を選んで走るそうです。
アウター×ローギヤの状態でいきなりインナーギヤへ変速する場合は、クランクを踏む力を わずかに緩めてチェーンの張りを緩めて、なるべく内側へチェーンが引っ張られていない状態で変速して、チェーン落ちを防ぐそうです。
上り坂の時間がかかり がちなフロント変速をスムーズに行い、チェーン落ちのトラブルを起こさないコツだそうです。


チェーンケージの剛性不足 のこともあります、高級や中級グレードのフロントディレラーのチェーンケージは剛性が高く作られていて、チェーンを押す時の変形量を抑えています。
しか し、入門用コンポーネントのチェーンケージの中には、チェーンを横方向へ押して変速する時にチェーンケージの変形が大きく、しかも、クランクのアームや チェーンリングの剛性不足で変形する事も重なって、チェーンが思わぬ位置に誘導されて落下してしまうことがあります。


チェー ンゲージの高さ調整が原因のこともあります。
外側のチェーンケージの下端とアウターチェーンリングの歯先との間隔を1〜3mmの範 囲に調整されているか確認します。
離れ過ぎているとチェーンを落下させてしまうリスクが増します。
次の要素もチェーンケージの調整ですが、取り付ける向き がマニュアル通りになっていないと、チェーンを内側へ押し過ぎて、インナーギヤの内側へチェーンを落下させてしまうことがあります。


さ らにチェーンケージの調整の1つで、内側へのチェーンケージの動き、L側のストローク調整ボルトのねじ込み量が適切でなく、チェーンケージが内側へオー バーストロークすると、チェーンがインナーギヤの内側へ落下する可能性があります。
フロントディレラーの直付け台座の変形が原因の場合もあります。
変速し ているときに台座が変形して、チェーンケージが余計に内側へ動いてしまい、チェーンがインナーギヤの内側へ落下することがあります。直付け台座を削り取っ てバンド止め台座にして解消することもあります。


変速テクニック的にもチェーン落下を防止できます。
アウターギヤで 走っていて、上り坂にかかったとき、ローギヤ側へ変速して行って、ローギヤまで変速して、いきなりインナーギヤへ変速すると、ローギヤ側へチェーンが引っ 張られているので、インナーギヤの歯先をチェーンが通り越して落下する可能性が高いのです。


インナーギヤへ変速する前 に、少し重くてもチェーン落ちして止まるよりましなので、リヤを2段くらい重いギヤに変速して、チェーンが内側へ引っ張られるのを緩めてから、インナーギ ヤへ変速するとチェーン落ちを防げます。
もしくはアウターギヤ×ローギヤのままバイクを真っ直ぐに立てて走りながら、クランクを踏み込む力を一瞬緩めて、 その瞬間にそっとインナーギヤへ変速すると、チェーンが内側へ引っ張られる力も緩んで、落下のリスクを軽減できます。
パート2へ続く、ではでは。