クマさんのバイク専科

クリートの交換時期を見極めよう!

ビンディングペダルを使っているライダーは、クリートの前後位置、内外、取り付け角度も重要ですが、バイクシューズのソールにボルトで固定されているクリートの消耗を確認してください。キャッチ&リリースがスムーズにいかなくなったり、突然足が外れたり、外れにくくなることもあります。クリートが消耗していて交換時期かもしれません。クリートの滑り止めなど、一部が変形してペダルのキャッチシステムに入りにくくなっている場合もあります。変形している部分を、はさみやカッターナイフなどで切って成型するとスムーズになる場合もあります。

 

シマノのSPD-SLロード用のビンディングペダルを使っています。足をペダルにセットしてからも動かせる(フローティング)の可動範囲が大きい、黄色いクリートの滑り止めの樹脂がすり減って、黒いベースの樹脂がむき出しになっています。キャッチ&リリースが少し鈍くなっています。クリートの交換時期になっているのに、交換作業をためらっていました。それは、クマジジイの場合、左足のクリートの取り付け角度の調整があまりに微妙だからです。

 

ホワイトの修正ペンで、クリートの周囲をぐるりと線を引いて印を付けているのですが、白線を目印に交換して取り付けても、クリートの位置を元の位置に戻せるか自信がなかったから、交換作業に手を付けられずに2週間過ごしていました。右脚のクリートの位置は、踏み込む足の角度に合わせて取り付け角度を調整すればまったく問題がありません。問題は左脚です、脚を踏み込む時の足の自然な向きに合わせて、クリートの取り付け角度を調整するのがクマジジイが行う普通の設定の方法です。

 

クマジジイの左足は、自然な足の向きに合わせると、しばらくはいいのですが、踏み込むペダリングをすると、無意識に膝が内外に動いて踏み下ろしていて、膝周りにストレスが発生して痛みや違和感が発生することがあるのです。カカトを意識的に外へ向けて、膝がトップチューブに接近する設定にするとその動きがおさまります。最新のビンディングペダルは、足をペダルにセットしてから、クリートの種類によって動かせる範囲は違いますが、踏み面を中心にカカトを内外に動かせる構造になっています。固定モードでもわずかに動かせます。だから、クリートの取り付け角度は適当でいいということではありません。

 

ペダリングする脚を見て、足が上死点を越えて踏み込み始めるフェーズと、下死点で上死点へ戻すフェーズでの足の向きを確認して、クリートの向きを微調整する必要があります。前後位置、内外、取り付け角度の動かす幅は、1mm以下の微調整になることもあります。クリートの設定を足の自然な向きに合わせると、キャッチ&リリースはスムーズになりますし、ほとんどのライダーが足のひねりによるストレスから開放されます。ところがクマジジイの左足はその設定では膝周辺に違和感や痛みが発生するので、mm単位以下の微調整が必要なのです。

 

ビンディングペダル(クリップレスペダルとも呼ばれています)と、バイクシューズを連結するクリートという小物、樹脂製と金属製がありますが、バイクシューズで歩いたり、信号などで地面に着くことが主な原因で、樹脂製のクリートは思っているより早く消耗することがあります。踏み面が大きく安定してパワーをロス無く伝える、人気のロードペダルはシマノのSPD-SL、ルックのケオ、タイム、スピードプレイです。ペダリングと歩きを両立させる、シマノのSPD 系のペダルは、片面SPD で片面フラットのスポーツサイクリング向けと、両面SPD のMTB 系があります。

 

ロード用のビンディングペダルの樹脂製クリートも、MTB やスポーツサイクリング用のSPDの金属製も、クリートが消耗すると、キャッチ&リリースが上手く行かなくなったり、突然、薄くなった樹脂製クリートが破損して、足が外れてしまったり、意識して脚をひねっても外れにくくなったりして危険です。シマノのSPD-SLの樹脂製のクリートは、先端やカカトよりのカラーの付いている滑り止めの樹脂がすり減って、下地の黒いクリート本体の樹脂が見えてきたら交換時期です。

 

タイムやマヴィックの樹脂製クリートは、歩いてしまうと消耗しやすいクリートです。先端の部分にある三角の印がなくなるほど消耗したら交換時期です。高価なクリートなので、歩く機会が多いライダーは、専用の樹脂製の滑り止め機能があるクリートカバーがあるので利用しましょう。ルックのケオクリートの場合は、滑り止め付きも、滑り止め無しのモデルも、クリート本体の先端やカカトよりの部分が、2分の1まで薄くなったら交換の時期です。なるべく滑り止め付きを採用しましょう。小さいクリートなので消耗しやすいので、歩く機会が多い人は樹脂製のクリートカバーを取り付けましょう。
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MTB やスポーツサイクリング用のSPD ペダルの、小型の金属製のクリートは、MTB 系バイクシューズの場合はソールの中に収まりますが、それでも長く使っていると消耗して、キャッチ&リリースをスムーズにできなくなります。ロード&サイクリングシューズ系の場合は、金属製クリートが外に出ますが、滑り止めが付いていて消耗を防ぎます。キャッチ&リリースのフィーリングが変わったなと感じたら交換しましょう。SPD クリートには、足を外そうと意識して、マルチ方向に力を加えて足をリリースできるモデルと、カカトを外にひねると外れるモデルが用意されています。

 

現在セットしているクリートの位置がぴったりマッチしている場合は、クリートの外周全体を、ホワイトの修正ペンでクリートの外周全体にていねいに線を描いてから、消耗したクリートを取り外して、元の位置にぴったり戻せるようにします。クマジジイの左足のくリートの場合は、その修正ペンの白いラインでも誤差が出るくらい微妙なので、修正ペンで線を描いてから、カッターナイフの先で線を細く削って、ぎりぎり細い線を残して、その線に合わせてクリートを交換するようにしています。

 

クリートの取り付け位置には、前後位置、内外、取り付け角度の3つの要素があります。ビンディングペダルは足をセットしてからも踏み面を中心に、カカトを振るように動かせる構造なので、ペダリング中の脚のひねりによるストレスを解消できます。それでも取り付けた後、微妙な取り付け角度の修正も覚悟をしてクリートの交換作業をしました。実際に50km以上走って足の具合をみながらのライドになります。ロード用は固定ボルトは3本で、SPD は2本のボルトで、しっかり締め込んでクリートを固定します。定期的にボルトの緩みを点検しましょう。ではでは。