クマさんのバイク専科

デュラエースのプログラム変速の設定を変更する!

24日の木曜日、サイクルスポーツのメンテ本の撮影に、つくばのスポーツバイクつくばマツナガに行きます。坂間メカニックの雑誌デビューです。やってもらうのはシマノのDi2デュラエースのトラブルシューティングです。シンクロメカニズムが組み込まれたDi2デュラエース、どんなメカトラブルが起こる可能性があるのか、どう現場で対処すれば走って帰ってこられるのかを解説してもらいます。どんな引きつった顔して撮影されるのかな。永田カメラマンよろしくお願いしますよ。

 

9100系Di2デュラエースのノーマル変速は、デュアルコントロールレバーの、ブレーキレバーの中間に付いている2つのシフトスイッチを、短く押して1段ずつ、またはシフトスイッチを押したままの連続のインデックス変速をできます。出荷時のインデックス変速の設定では、インナーギヤ×トップギヤとセカンドギヤのチェーンが斜めにドライブする状態には、変速しないように設定されています。パソコンに専用のアプリを立ち上げて、変速レバーのブラケットにある端子にケーブルをつないで、解除設定の作業をしないと、トップギヤとセカンドギヤへ、インナーギヤの状態では変速できません。

 

しかもこのアプリには縛りがあって、50×34T、52×39Tの歯数差の大きいチェーンリングの組み合せの数値を入力しても、その数値を入れると解除モードに設定できません。チェーンを斜めにドライブした状態で、アウターギヤとインナーギヤの歯数差が大きいと、インナーギヤでトップギヤやセカンドギヤに変速すると、チェーンがアウターギヤの歯先に接触する可能性があるため、そういう設定になっていると思われます。

 

新型デュラエースは、インナーギヤの位置を0、4mm内側に移動した設計を採用して、斜めにドライブするチェーンのアウターギヤの歯先との接触を防ぐ設計を採用していますが、チェーンステーの長さの設定によっては接触する可能性があるようです。それでも、自己責任でトップギヤとセカンドギヤに変速したい場合は、アプリに変速を解除できるダミーの歯数を入力して、50×34T、52×39Tでも解除モードに設定することもできますが、インナーギヤ×トップギヤに変速した時に、チェーンのたるみが発生することがあります。

 

ブラケットの爪を押してリヤ変速機の取り付け角度を調整できるネジを回して、チェーンの張りを調整することができます。ノーマル変速は、リヤ変速をトップギヤから3段目まで変速すると、フロントがオートトリムしてチェーンケージを瞬時に内側へ自動的に動かして、チェーンとチェーンケージとの接触を防ぎます。さらに3段ローギヤ側へ変速すると、チェーンゲケージを自動的に内側へ動かして、チェーンとチェーンケージとの接触を回避してくれます。考えてみればこのオートトリムの動作も一種のプログラム変速ですね。

 

Di2デュラエースやDi2アルテグラに搭載されている、シンクロシフトとセミシンクロシフトは、パソコンにプログラム変速のアプリを表示させて、シンクロシフトはトップギヤから、リヤの何段目かに変速したら、フロントをインナーギヤへ変速して、ギヤ比の近似値で電動効率のいい組み合せに自動変速してくれるかをカスタマイズできます。逆に、ローギヤから何段目に変速したらアウターギヤへ変速して、ギヤ比の近似値で電動効率のいい組み合せに自動変速するかをカスタマイズできます。パソコンからプログラム変速のモード書き換えを行います。

 

専用のケーブルでパソコンと、Di2デュアルコントロールレバーのブラケットに組み込まれている3つの端子のいずれかと、パソコンからのケーブルのプラグを接続して、電池と一体になっているチップのコマンドを書き換えます。左右で端子は6個ありますから4個のシフトスイッチの増設も可能です。Di 2デュラエースのデュアルコントロールレバーの、左右のブラケットの先端には、ユーティリティスイッチが設定されています。例えば右レバーのブラケットの先端のスイッチを1回押すと、リヤ変速機が1段ローギヤ側へインデックス変速するとか、長押しすると連続でローギヤ側へインデックス変速するように設定できます。

 

さらに、左のデュアルコントロールレバーのブラケットの先端のスイッチを1回押すとトップギヤ側へ1段変速したり、長押しすると連続で一気変速できるように設定できます。コマンドの書き換えで色々な設定が可能です。シマノのスポーツバイクコンポーネントは、電子デバイスとしての拡張機能を生かすことを実現し始めています。旧型のDi2デュラエースもDi2アルテグラも、プログラム機能を強化内蔵した電池システムへの交換で、シンクロシステムなどのプログラム変速への機能拡張が可能になっています。ではでは。