クマさんのバイク専科

疲れてくるとつい手が動いてしまう

手元シフトになったのが90年のこと、シマノはデュアルコントロールレバーと呼ぶ、ステアリングから手を放さないでブレーキングもインデックス変速もできる革命的な製品でした。シマノのデュラエースのメカニカルとDi2、カンパニョーロのメカニカルとEPS(電動)のスーパーレコード、スラムレッドのメカニカルとeタップのコンポーネントパーツをアッセンブルした6台のバイクを使っています。主に使っているのはカンパニョーロのメカニカルのスーパーレコード装備のバイクです。

 

6種類のコンポーネントのバイクは、電動とメカニカルの変速操作がカンパニョーロ以外違っています。特にスラムは大きく違っています。メカニカルの1本の右変速レバーを浅く押して、リヤ側をトップギヤ側へ変速して、深く押すとローギヤ側へ変速する。左変速レバー浅く押して、フロント側をインナーギヤ側へ変速して、深く押すとアウターギヤ側へ変速するのがパワータップレバーです。電動ワイヤレスのeタップレバーの操作が大きく違っているので戸惑い、バイクを乗り換えるたびにカンパ以外はミスシフトが発生しやすいですね。

 

余裕があって、普通に走れている時はいいけど、脚が疲れてきて、上り坂で苦しくなって来て、もう一段軽くというような時に、酸素不足の頭は突拍子もない選択をしてしまうことがあります。今時、めったに見かけなくなっている、ダウンチューブのシフトレバーだけど、その位置へ手を無意識に伸ばして、シフトレバーを探しているのだ。それも,多分、シマノのSISのインデックス機構付きのラチェットがカチカチ動くモデルではありません。カンパニョーロのコルサレコードの後期に発売された、フリクション機構付きのモデルをイメージしているのだ。

 

右側のリヤの変速レバーはスーッと引けて、リヤ変速機のリターンスプリングの力を吸収して戻りにくい抵抗がある構造だった。このレバーは今だにタイムのエッジに付けて使えるようにしている。でも、イメージの中のカンパニョーロのシフトレバーは、キヨ宮沢のマトゥリータという丹下ナンバー2で組まれたフレームにセットされたものだ。伸ばしている手の位置がそのバイクのシフトレバーの位置なのだ。疲れ切って走っていると時々やらかしている。シマノのデュアルコントロールレバーの大レバーと小レバーの変速操作に慣れたころに、カンパニョーロがごついエルゴシフターを発売する。しばらく使ってシマノに戻った。次に発売された樹脂ボディにカーボンブレーキレバーのレコード10段のエルゴパワーシフターはかなり気に入った。初めてカンパニョーロの手元シフトを常用するようになった。そして現行モデルと同じブラケットとブレーキレバーの11段モデルへ移行した。11段化でこれしかないと思って使ったが、ブラケット形状は細身で握りやすそうだったが、手の平への当たりが上手く出せなくて痛くなりました。

 

ブラケットは10段の旧モデルがフラットだったのに対して、馬の背のような円みを帯びていた。しかも、先端近くになるとアールが急になって、さらに内側にオフセットされて、明らかに2グリップポジションの設計になっている。シャロータイプのカーボンドロップバーの取り付け角度を変えたり、ブラケットを固定する位置を何度も変えて、長く乗っても痛くならない位置を探した。

 

今でも、そのベストなブラケットの位置探しは、指付きから指切りのグローブへの変更の季節のライドの時に、ラバーフードのところからT25のトルクスレンチを差し込んだまま走って、いい感じの角度になるとボルトを締めて、また不具合を感じると緩めてという1mm以下の調整作業を行っている。シマノとスラムとカンパニョーロのメカニカルで変速操作が違うことはご存知の通りだ。さらに、シマノのDi2とカンパニョーロのEPSとスラムレッドのe タップでも変速操作が違う。この6種類のコンポを使っているので、バイクを乗り換えて1時間ぐらいは思わぬ変速をやらかしている。

 

疲れた時のダウンチューブのシフトレバー探しはどうかと思う、やらかすと思わず苦笑している。6種類のコンポでもっとも直感的に、そして自然に変速操作をできるのがカンパニョーロだ。1つのレバーに1つの役割を持たせ、しかも、メカニカルと電動のレバーの機能が同じなのはこれだけだ。象の耳のような形のブラケットの内側にある、小さなリターンレバーのメカニカルの押しの重さはちょっと気になる。クリックが重過ぎて一瞬壊れているのかと思うほどで、クリック感というより引っ掛かっている感じだ。疲れた時は押したくない。

 

カンパニョーロのEPSエルゴパワーシフターのブレーキレバーの後ろの変速レバーは、クリック感がなんとも独特で上質な操作感です。さらに、ブラケットの内側にある象の耳のようなリターンレバーのクリック感は絶品です。金属ドームを重ねてその下にスイッチがあり、レバーを押すとなんとも心地のいいクリック感がいい味を出しています。フロント変速機のチェーンケージと斜めにドライブするチェーンとのタッチがないように、オートトリム操作がもっと素早くなることを願ってます。ではでは。