クマさんのバイク専科

珈琲倶楽部中山なのに!

昔々あるところに(もちろん筑波学園都市ですけど)カロツェリアオミノというスポーツサイクルショップがありました。真っ白な小さな建物で芝生の庭がきれいなお店でした。店主がヨーロッパに通って手に入れて来た、ランドナーやスポルティーフやロードレーサーが置かれたオシャレなお店でした。吉祥寺にあるトライアスロンショップの、オーナーでありメカニックのオミノさんが弟さんで、彼の兄さんのお店でした。

 

小さな店舗の中には、イタリアやフランスの魅力的な自転車だらけでしたが、その中にはイタリアのレパルトコルセで製造されたビアンキも展示されていました。ここのスポーツバイクのオーナー達は研究者やドクターとか、セレブが多かったですね。中でも目を引いたバイクは、サイズが芯ートップで540mmと大きいチェレステのバイクでした。ベルギーのエディ.メルクスのライバルだった、イタリアのフレッチョ・ジモンディが乗っていたモデルでした。これに乗れる日本人少ないのかなというカッコいいバイクでした。

 

お店を見せてもらって、オミノさんに連れて行ってもらったのが、そのお店の前にあった珈琲倶楽部中山の旧店舗でした。長身のオーナーが挨拶をしてくれて、お薦めを聞くと、イタリアン珈琲(エスプレッソ)と自家製のバンズに特製のパティを焼いてはさんだハンバーガーでした。添えられている野菜も契約農家のものです。そのメニューは30年経った今でもそのまま続いていて、美味しさはそのままです。

 

何度か中山へ珈琲を飲みに行って、いつの日からかチェレステのビアンキを見かけるようになって、オーナーが自転車生活を始めたことを知りました。「買わされちゃったよ〜!」と言っていました。メイドインイタリーのビアンキは入り口に置かれていました。何年かのブランクがあって、筑波大学のトライアスロン部のスーパバイザーをすることになって、つくばへ通うようになり、珈琲倶楽部中山へ行くようになりました。美味しい珈琲とハンバーガーやスパゲティを食べて、ケーキもオーダーして楽しんでいました。

 

スポーツバイクつくばマツナガをコーディネートして、サンデーライドで走るひと達と珈琲倶楽部中山へ寄るようになって、オーナーがみんなにサービスしてくれるようになったり、大関いちごをお土産に持って行くようになったりしました。ここは珈琲だよねというイメージが強かったのですが、先週末に久々にシナモンミルクティを頼みました。目の前に置かれた砂時計の砂が落ち切ったところで、薄肉のカップに茶こしを乗せて、真っ白なふっくらしたポットからミルクティを注ぎます。最初は薄めの色で茶葉の香りが漂い始めます。ミルクがだんだん紅茶に染められてきて、カップは満たされました。マイルドな口当たりは濃厚なミルクがもたらすもので、紅茶の味が鮮やかに広がります。なんて美味しいんだ!、自宅で飲んでいるコタキナバルやマドラスのチャイラテやさんの屋台で教わったやり方で作っているミルクティは何なんだ?。

 

2杯目をカップへ注ぎます、もうなんとも言えない香りと味のハーモニーでしょう。これこそ紅茶が自己主張を強めた一杯です。ミルクティってこんなに美味しいものだったのか、まいりました。オーナーが自慢するだけのことはあります。さらに取って置きのヴェトナムの紅茶を出してくれて、追い打ちをかけられました。自宅でミルクティを作って飲む気にならなくなってしまいそうです。珈琲倶楽部中山のくせに、紅茶がここまで美味しいとは、完全にやられました。また、今週末もミルクティのために行ってしまいそうです。今晩は、親父にもらった狭山茶にでもしておこう。ではでは。