クマさんのバイク専科

これでリピーターが来てくれるのか!?

 

埼玉県も茨城県も自転車をキーワードに地域の活性化を推進しようとしています。四国の島なみロードがサイクリングコースを中心にした地域活性化に成功して、フィールドの良さやホスピタリティの面で、はるばるリピーターも訪れるよになっています。もう知っていると思いますが、つくばや土浦周辺も自転車による地域活性化を狙って、土浦駅を拠点にプロジェクトを進めています。確かにスポーツバイクブームもあります。旅するバイク、健康のためのサイクリング、元気に長い距離を走ってみたいひともいます。

 

常磐線を利用して、自転車をそのまま乗せて来れる専用列車を走らせるそうです。土浦駅に着いたら走るのは霞ヶ浦でも、牛久沼でも、筑波山、フルーツラインでも、どこでもいいわけですが、推奨コースはりんりんロードだそうです。そこは、土浦から岩瀬までの鉄道跡地をリニューアルしたサイクリングロード・で・し・た。鉄道のレールが敷かれていた跡地ですから、クルマがやっとすれ違えるほどの幅の舗装路になっています。鉄道でしたからとうぜん踏み切りがあって、地元にひとの生活道路である、一般道路や農道がそこかしこに横切っています。

 

当初はりんりんロード側、つまり走っている自転車が一時停止するように表示があり、クルマの側には徐行や自転車道などの注意喚起の指示がなく、クルマの通過が優先される道でした。もちろんブラインドになっている交差点も沢山あります。一般道や農道との交差点の手前にはりんりんロード側に金属製や木製のポールが3本立っていました。走っていたサイクリストがポールに衝突したり、横切るクルマと接触する重大事故が起こっていました。それでも交差点で反対方向から走って来たライダーとライダーはすれ違えました。

 

その頃は、ドロップバーやフラットバーのロードバイク乗りがいっぱい走っていました。平日でもサイクリストを見かけましたし、土曜日や日曜日や休日は本当にいっぱい利用者がいました。交差点がいっぱいあってクルマ優先で走りやすいとは言えないけど、岩瀬駅まで走ったリ、一部利用したりしたサイクリストが多かったと思います。しかし、去年りんりんロードは改修されました。りんりんロード側の自転車の一時停止の指示は無くなりました。一般道や農道側に自転車通過の注意喚起の表示が行われました。では自転車側が優先通過になったのか。自転車を重要視を推進する都市、書類上はそうなったのでしょう。

でも現実はまったく違っています。りんりんロードは一般道と農道との交差点が近付くと、コの字型のパイプが路面に接地されているのが見えます。その1mか2m後ろにもコの字型のパイプが埋め込まれ、正面から見ると、一部、前のコの字型のパイプと重なって、視覚的にはサイクリングロードを遮るように埋め込まれています。

 

自転車はその手前でスピードを落として、2つの縦に並んだコの字型のパイプを裂けて、自転車乗りはクランクに曲がって通過するしかありません。しかも、そこは狭いので、対抗してきたバイクとすれ違うことはできません。これならサイクリングロードを走って来たスピードそのままに、一般道や農道にバイクが飛び出すことは無くなるので、確かにクルマとの接触事故は少なくなるでしょう。そして、現在のりんりんロードは書類上、数字上は安全で快適なサイクリングロードになりました。

 

でも、交差点が走りにくいので、最盛期より明らかにスポーツバイクで走るライダーは少なくなりました。土浦のステーションビルがリニューアルされて、JRがサイクリング列車を走らせたり、サイクリストがバイクを部屋へ持ち込めるホテルを造ったり、お土産屋さん、サイクルカフェと、サイクリングの拠点化するそうですが、果たして肝心のりんりんロードがこんな状態で、こんなにライダー心理からかけ離れた考え方で事業を展開していて、四国のように地域の活性化は巧くいくのかな。快適な走りを期待して、お金と時間をかけて土浦駅に来て、りんりんロードを走って見て、ぶつ切りのサイクリングコースの状態の現実に直面してどう思うでしょう。四国の海をふんだんに借景した快適なサイクリングコースを走ったひと達のように、もう一度、ここで走りたいと思わせることができるのでしょうか。

 

サイクリングコースには、桜の木が植えられた木陰があったり、筑波山系に沿っているカントリー気分を味わえる部分もあって、気持ちよく走れる要素はないわけじゃないから、昔は地元サイクリストも利用者がいたことも事実ですけど、分断された感じがする今のサイクリングコースはどうかな〜、魅力的かな〜。この仕掛けをプロデュースしているひと達は、土浦駅を拠点に、このりんりんロードを走ることをメインに考えているようだけど、リピーターを望むなら、原点から考え直した方がいいと思う。分断されたサイクリングコースは地元サイクリストから見放され、犬との散歩道、ウオーキングエリア、通勤や通学の道路となっている、この現実を直視すべきだと思います。せっかくのサイクリング普及や地元活性化のムーブメントなのに、りんりんロードの現状は明らかにがっかりだよね。ではでは。