クマさんのバイク専科

ダイレクトマウントブレーキ凄いな!

 

ロードバイクのブレーキは、シングルピボット、ダイレクトマウント、ディスクブレーキの3種類があります。でも、ブレーキのストッピングパワーが大きくて、強烈に利けばいいってモノじゃないけど、ブレーキレバーを強く引いてもずるずる進んでしまうような、アンダーパワー気味では困ります。ここで止まりたいとか、安全なスピードに落としたい時、アンダーパワーのブレーキではスピードコントロールを自在にできないので、やはり強く利くブレーキをブレーキレバーの引きの強さで、利きをコントロールするのが一般的な考え方でしょう。

 

フレームやフロントフォークの剛性を生かせるのが、2つ穴の台座を取り付けるダイレクトマウントのブレーキです。エアロロードで採用されるようになった、チェーンステー下側のハンガー近くに固定する、シングルピボットブレーキも、ダイレクトマウントブレーキも、ドライコンディションでのスピードコントロールは問題がないです。しかし、ハンガー下のブレーキはレインコンディションになると雨水の跳ね上げで、ブレーキングに影響を受けやすく、ずるずると制動距離が伸びたり、ブレーキのフィーリングが変化するので、マウント位置がシートステイのブリッジに変更されるようになっています。

 

ロードバイクのフラットマウント台座の油圧ディスクブレーキがUCIにより使用が承認され、プロロードレースの現場で採用されて話題になっていますが、実際のレースの現場ではブレーキワイヤーで操る、リムをブレーキパッドではさんで止める、ダイレクトマウントのブレーキ採用のバイクがまだまだ主流です。ダイレクトマウントとは、シートステイやフロントフォークのフォーククラウン近くに、シマノやカンパニョーロ共通規格の2つのネジ穴の台座を設定して、そこにダイレクトマウント専用のブレーキキャリパーを2本のボルトで取り付けます。

 

ホイールのリムを左右のブレーキキャリパーに取り付けたパッドではさんだ摩擦で、スピードコントロールする構造のブレーキシステムです。ブレーキキャリパーは左右セパレーツで、センタープルブレーキのように、左右のブレーキパッドで強く均等に圧力をかけられる構造で、シートステイやフロントフォークの台座に直接取り付けるので、フレームやフォークの剛性を生かせるブレーキシステムです。シマノのダイレクトマウントブレーキは、鍛造のアルミ合金製で剛性が高くて、強力なストッピングパワーを発揮します。ブレーキレバーの引きは軽く、2フィンガーで引いて、スピードコンとロールだけでなく、フルブレーキングが可能です。

 

ロードバイク用の23mmの太さのタイヤでも、流行の少し太い25mmのタイヤでも、フルブレーキングすると、グリップ力をストッピングパワーが上廻るので、スリップさせないで安全に止まるには、ブレーキレバーを引く力をコントロールする必要があります。特に後輪タイヤの場合は、ブレーキングを始めると、慣性の力が働いて、前輪タイヤが路面に押し付けられて、グリップ力が大きくなります。逆に後輪は浮き上がるような力が働いて、後輪タイヤはグリップ力が低下して、ブレーキのストッピングパワーが上廻って、ホイールがロックしていまい、タイヤが滑りやすいのだ。

 

前ブレーキのレバーは強く引けて、強くブレーキを利かせることができますが、後ろブレーキは後輪タイヤと路面とのグリップを感じ取りながら、ブレーキレバーの引きの強さを調整して、タイヤを滑らせないで止まるようにします。この慣性の影響はリムをはさむブレーキもディスクブレーキでも同じです。前後のブレーキングのバランスは、慣性が働き前後輪でグリップ力が違うことを配慮して、前ブレーキ7分、後ろブレーキ3分の目安のバランスでブレーキレバーを引いて、後輪タイヤを滑らせないように、スピードコントロールするのが理想的で、もっとも短い距離で停止できるバランスです。しかしビギナーライダーはそんな前後のブレーキのバランスのことを気にしてブレーキングできないのが現実です。実際に左右のブレーキレバーの引きを調整するのは難しいので、最初は左右のブレーキレバーを同じ5分5分の力で引くことから始めましょう。ロードバイクに慣れてきたら前を強めに、後ろを弱めに引くことにチャレンジして、少しずつ慣れて理想のブレーキングを身につけましょう。

 

これからロードバイクを選ぶとしたら、ロードディスクブレーキ装着車か、ダイレクトマウントブレーキ装着車から選びましょう。ブレーキの性能や整備のしやすさを選ぶならダイレクトマウントモデルですけど、2年から5年後には142mmリャエンド幅のディスクブレーキ装備のロードバイクが主流になっているはずです。近い将来ロードバイクは135mmリヤエンド幅から、ディスクブレーキに対応した142mmリヤエンド幅のスルーアクスルのフレームへ移行することで、12段スプロケットのコンポーネントに対応できるフリー側のスペースが確保されたので、近い将来、上位ロードコンポーネントが12段仕様になる可能性があります。

 

12段スプロケットのコンポーネントへのグレードアップに対応したければ、次に手に入れるバイクはディスクブレーキ付きの142mmリヤエンド仕様のモデルを選択する方が賢い選択になるかも。ディスクブレーキのフラットマウントと、ダイレクトマウント台座付きの、142mmリヤエンド幅のフレームや、ディスクローター台座無しのオーバーロックナット寸法142mmのホイールの登場の可能性もありますね。ではでは。