クマさんのバイク専科

「メカニカルドーピング」の言葉が踊っているけど

「メカニカルドーピング」って言葉が雑誌やネットで踊っているけど、
電動アシストのスポーツバイクがまるでブラックな印象を受ける言葉です。
それは使うシチュエーションを間違った場合の言葉でしょ。
シクロクロスの世界選でメカニカルドーピング発覚か?。
確かにそれが真実だとしたらセンセーショナルだしライダーの力を比べる競技としてフェアじゃない。
でも、そんなことで電動アシストのスポーツバイクが、ブラックだと決めつけてほしくないし、開発が停滞しないで欲しいです。

明らかに「メカニカルドーピング」と言う言葉が、電動アシストスポーツバイクを悪だと印象づける感じがあります。
それは機材を使う人の問題、考え方です。
前から表明しているように、ヤマハの電動アシストスポーツ車や、そういうバイクのカテゴリーの発展を望んでいます。
電動アシストのスポーツバイクで、若い元気なひと達や、若くなくても元気なひと達と一緒に走って、
先頭に出たり、先頭交代して集団走行を楽しみたいと思っていいます。

だから、そんな走りを実現にするため、電動モーター付きの軽量でカッコ良くてスマートな
電動アシストロードの登場を心底待っています。100万円ぐらいまでなら投資しますよ。
スポーツバイクの外見からは電動モーターを装備とは分からず、
走行後のソフトエックス線の機器での機材チェックした段階で発見されたという。
UCIの技術コミッセールが実施した、空港などで荷物をチェックする透視装置のようなヤツを通して確認されたらしいです。

だけど、そのバイクを外見で分からないという情報を聞いて、ワクワクしました。
もし、競技に使ったのなら確かにフェアじゃない。
けど、ジジイの夢をかなえる体力が衰えた走りをアシストする機材として、
外見で分からないようなヤツがカッコいいし、理想的だよな、と正直思いました。
競技で使えるほどのポテンシャルを持っているマシンを開発したひと達は、マジに偉い!、凄い!と思います。

ただし、ナチュラルマッスルの選手の技量を試す、シクロクロスの世界選で、
ジュニア選手が電動アシストバイクを使ことが分かっていて、制作していたとしたら、
まるでスポーツ精神の理解度が低いひと達で、モラルハザードから逸脱していてダメだとおもいますけどね。
だけど、負のイメージでスタートしたり、メカニカルドーピングというブラックなイメージでおおいかぶせて、
このムーブメントを潰してほしくないのです。
だって体力の衰えた自転車乗りの希望になる、本格的なパフォーマンスを発揮する、
スマートな電動アシストスポーツバイクの誕生ですよ。

内容は違うけど、サイスポ誌でコンパクトドライブクランクを提唱した時も、雑誌や元選手たちから、
そんなものいらない、惰弱、練習すればいらない、そんな否定的なカウンターオピニオンを当時はいただきました。
でも、誰でもロードレーサーを楽しんでいいはず。
体力がなくても乗って上れるバイクを実現したいと、
心の底から感じていたことを実現する方法を考えて、トム・リッチーと話したり、
彼が開発した2×9のMTB クランクを見せてもらって、ひらめきました、
やっぱりロードレーサーにも34Tが付くクランクが必要だと思って、
企画を提案してはコンパクトドライブクランクの特集を続けました。

スマートな電動アシストロードバイクも、体力の違うライダーが仲間と一緒にライドを走れるようになったり、
年齢的に体力が低下したライダーが、頑張って元気に走っている若い走り仲間達と、
グループライドを走れるようになって、自転車生活をより長く楽しめるようになるんじゃないかな。
本格的にトレーニングしている集団走行に入って、トレーニングパートナーになってくれるジジイとか
コーチやトレーナーなんてカッコよくないですか。もちろんロングライドにチャレンジとか、
タイムも勝ち負けなんか関係のない走りを楽しむのも素敵だな。

自分の力で走るのがスポーツバイクの世界だという固定概念があるライダーに、
最初は、「なんだ電動アシストかよ」と、思われるかも知れません。
でも、年を重ねて体力が衰えたら、スポーツバイクで走る楽しさを手放してしまうんですか。
若い今は素直に受け入れられなくても、必ずその時が来ます。
将来はロングライドやサーキットエンデューロの、電動アシストバイクカテゴリー参加も夢じゃないと思います。
とにかくスポーツバイクの走りを楽しめるんだから、
スマートな電動アシストスポーツバイクの登場は、何も問題はないと思います。
通勤やシティコミューターとしても普及するんじゃないかな。

どう電動アシストのパワーをコントロールするのか。
上り坂では時速25kmくらいを上限スピードに設定して、電動アシストを徐々に弱めて行く制御をかけるシステムにするとか、
平地やダウンヒルで、時速30kmを越えたらパワーアシストの制御がかかり、自力で走るようになるとか、
道路交通法に抵触しないような一般公道走行モードとか、サーキットエンデューロモードなど、
いろいろなケースを配慮して、ノウハウを蓄積して、プログラミングする必要がありますね。ではでは。