クマさんのバイク専科

クリートの位置の調整は重要です!、パート2

百哩大王のメンバーは、百マイルですから160km、つまりセンチュリーライドのことですから、ベーシックな部分でよく走るライダーばかりです。今回フィってイングセミナーに参加したひとで、もっとも1日の走行距離の短いひとで100kmでした。センチュリーライドの160kmの距離を走るのは普通だそうで、ロングライドになると200km、300kmオーバーになるようです。中にはブルベでは2日で600kmという強者も珍しくないそうです。つくばのマジカルミステリーツアーや黒姫高原るんるん合宿にしてくれるK林さんも大王メンバーで、メンバーの中でも、上り坂も平気でアウターギヤ走ルことで知られている走り屋さんです。

 

そこまで走り込んでいるライダーたちは、みんな独自の経験を積んでいるので、機材もウエアもライトなどのアクセサリーも、徹底的に快適走りの工夫をしています。自分でサドルの高さやクリートの位置を調整しているライダーもいます。平均的な走行スピードは25kmから30kmと特別速くはなくても、7時間8時間と、長く走るには無理のないポジションの設定にしたり、手や足やお尻の触れる部分の快適なパーツ選びなど、走り込みながら試行錯誤をしているので、各ライダーの現場で作り上げたポジションを見ると、ロングライドの快適ポジション作りの参考になります。必ずなるほどという部分を見つけることができまし、現段階でも試行錯誤している部分を見かけます。

 

今回のフィッティングセミナーには、リピーターもいましたが、バイクシューズを交換したひとがいました。前のバイクシューズでフィッティングしたクリートが固定されていた位置をコピーしたと言うのですが、新しいバイクシューズではソールの形状が違っていたり、そのまま反映することができなくて和漢を感じているライダーがいました。足踏みをしてもらって、微妙にクリートの設定がずれているのを発見しました。バイクにライダーのパワーを伝達するインターフェイスのクリートの調整は、ビンディングペダルに足をセットしても動かせる構造になっていても、前後位置、内外、取り付け角度のmm単位の調整がとっても重要です。

 

ロードバイク用のビンディングペダルのルック・ケオやシマノのSPD-SLのクリートの調整の要素はいくつかあります。ペダルシャフトの中心の位置の設定に関係するクリート位置の前後位置の調整は、クランクを踏み込む足の安定、膝から下の筋肉群へのストレスに関係します。調整後は踏み込む足が安定して、膝から下の筋肉への負担が少なく、しっかりクランクを踏めるようになったはずです。ペダルシャフトの中心の位置は、ペダリングする、上死点を足が越えて踏み込むフェーズ、時計の文字盤で言うと2時から6時くらいまでの足の角度の状態の時に、親指の付け根の母指球の位置より、2mmから4mm後ろになるセッティングが、踏み込む足が安定して、膝から下の筋肉群への負荷が減って疲れにくくなります。下死点へ向かって踏み込む足の向きや、上死点へ戻す足の向きに合わせたクリートの取り付け角度調整も行いました。

 

まずはキャッチ&リリースが楽にできるようになったはずです。足の向きに合っていると、足を動かしてキャッチする動作が無くなります。その場で膝を高く上げて足踏みしてもらったのは、クリートの取り付け角度を決めるためでした。足の自由な状態での踏み込みと引き上げの足の向きを確認していました。踏み込みながら足の向きに違和感を感じていたら、解消されて膝関節の違和感や膝の痛みの発生を防いでいると思います。左右の足の開きをQファクターと言います。クランクの回しやすさに関わる要素で、クリートの内外の設定は、ロングライドの場合はケイデンスを重視したペダリングにしたいので、バイクシューズの内側が、ぎりぎりクランクに接触しないようにクリートを外側に設定します。クリートの設定はmm単位以下の微調整になります。これは本当です。

 

ビンディングペダルに足をセットした後も、足の向きを踏み面の中心にして、カカトを内外に動かせるから、クリートの取り付け角度はだいたいで大丈夫というのはまったくの間違いです。足の向きとクリートの取り付け角度にズレがあると、クリートの移動幅にして数mmのズレが、膝の痛みの発生の原因になったり、ペダリング中の違和感の発生の原因になります。ライダーのパワーをバイクに伝えるインターフェイスを、クリートの設定の知識のないひとが、この辺ではと設定しては絶対にダメです。自分で何度クリートを動かしても膝から下の筋肉がツリやすいとか、膝関節周りの筋肉に違和感を感じる場合は、専門知識のあるフィッターに任せるべきだと思います。