クマさんのバイク専科

ローマへの道、やっぱり石と木の文化だな〜!

 

都市国家のころ使われていた幹線道路は、馬車や荷車がぎりぎりすれ違える石畳の道でしたが、それを広げて、上にアスファルト舗装されていますが、ローマへ通じる道はところどころ歴史的文化財保存のために石畳が残されています。裏路地のような鎌倉へ通じる鎌倉街道や、京都へ通じる古い街道と言う感じですが、日本なら旧街道の看板や碑があっても、もうとっくに舗装されていますね。8時間から9時間の時差があって、早朝に目覚めてしまうので、借りたスポーツバイクとヘルメット姿で街中にある石畳の道を走ると、一定の大きさの石も継ぎ目も、細かい上下動の原因になってバイクが跳ねて、それが凄過ぎて、踏んでも踏んでも前へ進みません。

 

そこで空気圧を調整することにしました。リム打パンクのリスクは増しますが、タイヤの空気圧を1気圧ほど下げて走りました。しっとりとした乗り心地になって、だいぶ改善されました。スピードを出して走るには、路面からのショック吸収を膝や腕でした上に、大きい段差にはサドルから腰を浮かす動作も入れてパンクしないように走ります。腰をサドルの後ろへ引いて、ペダルを前へ押し出す石畳の振動に対応するペダリングを思い出しました。わざわざ石畳を走ろうと思っていたわけではありませんでしたが、今、使われている石畳の道ではなく、馬車や荷車の車輪の跡が残るローマ時代のひとが歩いた歴史的な価値のある道へバイクで行きたかったのです。

 

工場や倉庫街の路地裏には、ユーロになる前から国境なんて意識の稀薄なジプシーのキャンピングカーが、電柱から直接電線を引いて暮らしていました。昔と全然変わっていません。バールで手に入れた大まかな地図を頼りに、保存されている古い石畳の道の看板に出ました。しばらくは地道でしたが500mほど走ると、石畳の道がありました。草ぼうぼうの中に、3mくらいの幅の石畳の道です。10cm以上の深さの轍が刻まれた石畳でした。歩くことは許可されていましたが、スポーツバイク、モターサイクル、クルマは通行禁止になっていました。テクテク歩いてみましたが、石畳の石の角が円くすり減り、深い轍はローマ時代からのひとや荷物の動きを示すものです。

 

舗装路を20分も走ると、丘の上に教会の塔が見えてきて、急な上り坂は途中で石畳になって、上り詰めると広場があって、教会の門の木のトビラが開いていました。お店もなにも開いていない時間で、歩くひともいないのに、ミサを行う場所まで入れました。ステンドグラスがきれいな色で輝いています。広い床は木ではなく、ピカピカに磨き上げられた見事なマーブル模様の大理石です。見上げると天井が高く、朝の光が差し込んでいます。何だか初詣の神社にでもきたような清々(きよきよ)しい気分になれました。とりあえずお賽銭を2ユーロ納めてその場を立ち去りました。壁や床の石と使い込まれた調度品の木の色が調和した空間でした。

 

さて、朝ご飯を何にするかな、バールのおばちゃん手作りのお惣菜をチョイスして、どんぶりみたいなカフェカプチーノでいいかな。ホテルを出る時に灯りがついていて準備していたから、帰りに立ち寄って食べちゃうかな。1ユーロ140円くらいだから、カプチーノのグランデとお惣菜3品のプレートで800円で朝食セットを食べられます。取材先で撮影を終わったら空港へさっさと移動して、午後のアリタリアで帰国です。撮影、打ち合わせ、移動で、街の個人商店の開いている時間はまったく自由になれず、お昼ご飯も落ち着いて食べることもできず。何もお土産を買う暇がありませんでした。空港のデューティーフリーじゃつまらないな〜。ユーロになってから物価が高くなっている感じです。帰りもいい座席を提供されているので、ゆっくり眠れるからいいか。

 

帰ったらバイクのポジションを早く直したいです。今週末のつくばは、30度越えの灼熱状態だそうだけど、中空ステンレスとプラスチック製の保冷タイプのダブルボトルで、冷たい水を飲んだり、体へかけたりで乗り切らなくちゃ。できれば、ハンドルやステムを交換して、グリップポジションを快適化したタイムで走ってみたいな。飛行機は遅れ気味で、しかも到着してもイミグレーションが混んでいて、なかなか前へ進みません。2時間近くかかって外に出て、クルマを預けている駐車場のマイクロバスに乗って移動です。その駐車場の隣りと言う絶妙な場所にラーメン屋さんがあり、醤油ラーメンをいただきました。

 

これから都内に高速道路で移動して、写真のセレクションと、キャプション書きと資料の整理です。しかし、10時間近く、毛布にくるまってよく眠ていたのに、日本の暑さと湿度は凄い!。ターミナルで荷物を宅配便で送ってから、デイパックを背負って歩いたらクラっとしました。慌ててターミナルへ戻ってスポーツドリンクを手に入れて、飲みながら移動することにしました。今週末のつくばのライドは油断ならないな。都内への移動の途中でステムとバーテープとブレーキケーブルとシフトケーブルを手に入れて、出版社のエアコンの効いた部屋を借りてタイムを組み直しちゃおうかな。ではでは。