クマさんのバイク専科

ブラケットを中心にグリップ位置を見直す!

シリアスレーシング思考のライダーなら、レースを走っていて、巡航速度から、逃げのきっかけを作るフルパワーのアタックの状態、逃げの高速巡行、逆に逃げを吸収する高速のチェイス、ヒルクライムのダンシングやシッティング、そしてゴールスプリントなどのペダリングに対応する必要があります。その時、場面に合わせてドロップバーやブラケットなどグリップする位置が変化します。走行中の主なグリップ位置は、ドロップバーの下や、手元シフトレバーのブラケットです。

 

ロードレーサーは、速度域や状況に合わせて、パワーを引き出したり。上半身を低くして空気抵抗を減らしたり。上半身を起こして腹部への圧迫を減らして呼吸を楽にできるポジションで、リラックスしてパワーを温存するなど、ドロップバーやブラケットのグリップポジションを、大きく変化させたくなるはずです。アルミ合金やカーボン繊維の成型の自由度が増して、ショートリーチ(突き出し)&ショートドロップ(下がり量)のドロップバーが流行しています。でも、シリアスレーシングで採用されているショートリーチのドロップバーは、ドロップに関しては大きなグリップ位置の変化を望む選手もいて、ドロップの大きさは昔と同じというモデルが採用されています。

 

上の直線部分をグリップしても、近過ぎることなく有効にパワーを引き出せるように、ショートリーチになった分、ステムの付き出し寸法を長くして、上の直線部分を遠目に設定して上りセクションで力を発揮しやすく、ブラケットの位置は同じ遠さへ設定できます。ドロップ部分が深いままなので、上半身の重さを利用して踏み込みやすく、空気抵抗の小さい低い姿勢を実現できます。ロードバイクのグリップポジションのもっとも近い位置は、ドロップバーの上の直線部分の内外です。

 

次に近いのは変速操作やブレーキレバーの操作への移行にワンタイミング遅れますがブラケット部分の手前の左右の肩の部分。もっとも長くグリップしている左右のブラケットの中央部分。肘を曲げたり伸ばしたりで上半身の曲がりを調整できます。上半身を低くして高速巡行で使うブラケットの先端の4カ所が基本的なグリップ位置です。高速巡行で空気抵抗を減らして上半身の重さを利用してパワーを引き出すために、低く遠いブラケット位置を採用しているので、時速40kmから45kmの集団走行で、巡航速度でリラックスしたい時に、ブラケットの根元やドロップバーの肩の部分を握って走っていることもあります。

 

ロングライド思考のライダーも同じロードバイクを使っているので、ドロップバーやブラケットのグリップする位置は同じですが、時速20kmから30kmとまるで巡航速度が違うし、ウイークエンドライダーが多く、毎日トレーニングしている分けではないので、ライダーの筋力や心肺機能や耐乳酸性や乳酸除去能力も違いますから、ハンドルやブラケットのグリップ位置の設定はアップライト気味に変わります。そこで採用したいのがグリップ位置の変化の小さいショートリーチ&ショートドロップのバーとなります。

 

公道を走るロングライド思考のライダーで、肩こりや首へのストレスがあって、ライドの後半に張りが発生して苦しくなってしまったり、集中力が低下する傾向はありませんか。そんな場合はステムの上下の移動だけでなく、ドロップバーやステムの交換も視野に入れて改善を試みましょう。クルマや自転車や歩行者の動きに対応する必要がありますから、ブレーキ操作や変速動作に関係する、手元シフトレバーのブラケットの位置を常にグリップして走ることを重視したいと思います。ここを握っていれば、持ち替えることなく、素早くブレーキングできたり、リヤもフロントも変速操作できますから。ブラケットの遠さや高さも慎重に設定する必要があります。ドロップバーを選んでからステムの5mmか10mm単位での突き出し寸法選びも重要です。

 

さらに、ロングライドの場合は、ハンドリングの特性もブラケットへ手を乗せているだけで真っ直ぐに走ってくれる直進安定性も確保したいところです。ステムのライズを73度ヘッドアングル対応のモデルに交換するとmhンドリングが安定します。もっとも長い時間、手の平にブラケットが触れることになるので、ブラケットの上の面の取り付け角度の調整も、グローブ選びも重要になります。素手でブラケットを握って調整するだけでなく、いつも使うグローブを付けて微調整すべきでしょう。

 

タイムのステムを110mmから100mmへ、ハンドルを同じシャローでもリーチが10mm短いものに交換し手、ブラケットをセットアップしましたが、いまはまだグリップ位置の変化に慣れていなくて、近くなってアップライトポジションでいい感じの時もあるけど、ドロップバーの上の直線をグリップするときや、時速30km以上で走る時に、グリップ位置が近過ぎて力を発揮できていないのではという違和感もあると言った状態です。4つのグリップポジションの最適化は簡単には解決できないですね。ではでは。